連日分刻みで仕事し続けてやっと落ち着きました。お久しぶりですこんばんは。
コロナ禍とともに始めたTwitterですが、未だにその役割に関してはよくわかりません。
医療の現場からの採れたてナマ情報なんて99%の人には不要だと思ってるのでね。
だってそんなものなくてもみんなちゃんとできてます。
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返信先: さん
そもそも医者なんて、目の前のひとりひとりの患者さんを助けるだけで精一杯の仕事です。
不特定多数に何かを発信するのはエラい人の仕事だと思っていました。
でも実際のところはどうなんでしょうね。
コロナ禍で本当に色々と考えさせられましたね。
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去年の春に「美容医療なんて不要不急なんでやめます」て宣言したらすごい反響でした。賞賛の声は確かに嬉しかったし、背中を押してくれました。しかしその反面で同業他院の看護師さんからは「うちはそんなことしてくれないどうにかしてください」との嘆願嘆息が山ほどきました。
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世の中の美容クリニックは当たり前のように売り上げ至上主義です。これはうちだって例にもれず。
高価な機器を使わず置いておくだけで損が嵩みます。
どこも施術中止してる余裕なんてないのをわかっていたし、声高らかに宣言してもどこも追随なんてしないのも知っていました。
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美容施術の中止も結局は自己満足でしかなかったと痛感し、以来は自分の胸の内を吐き出すよりもただ事実を伝えることに徹してきたつもりです。
それでなんとかなると思ってたら昨年末からの感染拡大でツイートもままならなくなりました。
目の前のひとりに精一杯でした。
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でも、その頑張った結果が今の大阪です。
病院も保健所も救急隊も、ギリギリまで仕事をしてもどうにもならないことが4月下旬からこの大阪で起きています。
殺到する患者さんの対応、保健所や救急隊のスタッフとのやりとり、感染者さんとその家族さんへの毎日の電話やメールに忙殺されていました。
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無力感に押し潰されそうになるスタッフを鼓舞し、互いに支え合ってここまできました。
結果は惨敗です。
もうここまできたら潔く負けを認めます。うちだけの力では限界がありました。イギリス変異株、ちょっと手強かったです。
戦略の練り直し。
やっとできた時間なので、心の中で作戦会議です。
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その作戦会議の最中にこの連投を始めたわけですよ。頭の中を整理するのにちょうどいいです。
ここで最初の問いかけに戻ります。
医療の現場からのナマ情報って需要あるのん?
ときに凄惨、ときに無慈悲なこの場所からのツイートなんて必要なの?
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頭の中をぐるぐる駆け回って考えた結果、この際だから頼れるモノには何でも頼ろうかと。
我々がいま見ていること、聞いていること。
メールの文面、電話越しの声。
伝えることで何か変えることができるならやります。
ってなかなか忙しくて時間がないんですけどねw
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「周防町アサイクリニック」
何かと目の敵にされる繁華街、飲食店をどうにか応援しようと作った夜間診療クリニックです。
3月くらいまではPCR検査もしつつミナミで働く人達をサポートして、って良い感じでやれてたんですよ。
でもやっぱ見通しが甘かったな、と。
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4月半ばから検査陽性率がドンと上がって60%超に。
すぐに検査キャパを超えて受診希望者をLINEの文面でトリアージする毎日。
大阪の感染者数は1,200人/日あたりがピークでしたが、アレには民間のPCR検査センターの陽性者はカウントされてませんからね。
実際には3,000〜4,000人/日だったはずです。
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ぼくら普通の医療機関が発熱外来や検査外来で検査できる人数なんてたかが知れてます。それは保健所も同じ。
そこがキャパの限界で検査して1,200人なんだから、それ以上になりようがないなと思ってました。
大阪府の感染者数は1,200人がキャパマックスです。これ以上はさらなる規模の検査場が必要。
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そんな地獄のような日々も3週間くらいでやっと落ち着いてきて、今はうちの陽性率も16〜20%くらいでしょうか。
検査する人をトリアージしてたんだから陽性率60%もバイアスかかってますからね。ま、大阪ミナミならこんなもんでしょう。
そんなこんなでやっと一息ついてるのが今日です。
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感覚的な数字だけで話すと、ピーク時の感染者数からすれば4分の1くらいまで減っていると思います。
マンボウはクソでしたが、緊急事態宣言で百貨店や本屋さんまで閉まってしまうと効果を実感します。
日々報道される数値との乖離には忸怩たる思いもありますが、あくまで感覚なので読み流して下さい。
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一方、ひと息ついてるうちとは違って今この瞬間にとんでもないことになってるのが患者受け入れの病院、保健所、救急隊です。
ほとんどの感染者が入院なんて不要なのは1年がかりでわかってきたことでしたが、今回のイギリス変異株は手強いです。
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臨床の場で感じることは、頭痛、吐き気、下痢に加えて長く続く高熱が今回のN501Y変異株の特徴のように思えます。
無症候性で終わる率は下がって、有症状となる率は上がっているように感じます。
(既出の情報とは異なるので盲信しないでくださいね)
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「発症翌日から10日間の自宅隔離」がこの国の感染者の隔離基準です。そこには「最後の3日間は熱がないこと」が隔離解除の条件とされています。
しかしながらこの1ヶ月で「発症後10日間経過したのに一向に熱が下がらず日に日に悪くなるばかり」という患者さんが急増しています。
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発症から10日も経過してなお高熱が続くことが意味するのは重症肺炎です。
COVID-19に感染すると大なり小なり肺炎を生じていることは周知の事実ですが、肺炎とは名ばかりの軽いモノがほとんどでした。
それがここに来て重症化率がグッと高くなっています。
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当院では診断確定した陽性患者のアフターケアにも力を入れています。
検査・診断するだけでなく治るところまで面倒を見たくなるのが医者ですから。
4月に入り、そのホットラインから悲痛な声が聞こえてくるようになりました。
「熱が下がらない」
「息が苦しい」
「救急車を呼んでいいですか」
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高齢者でもなく持病があるわけでもない30代40代の患者さんがあちこちで救急要請をするのは異常事態です。
4月末にはその救急車が市内を右往左往、ついには立ち往生するようになりました。
患者さんを乗せても受け入れ先が見つからず24時間以上も走り続けてるなんて、考えられますか?
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保険センターの担当から、数十台の救急車が大阪市内をあてどなく彷徨っていると聞いた時、ぼくのアタマがやっと「医療崩壊」という言葉を現実として認識しました。
それまでは正直、自分がもし感染して重症化してもどうにか助けてくれるだろうと楽観している自分がいたのです。
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自分と同年代の患者さん達が電話の向こうで苦しそうに咳をしながら「助けて下さい」と声を絞り出している。
これは現実かと両目をギュッとつぶってみても何も変わらない。
無力感と絶望感いっぱいで電話を切り、次の患者さんの携帯番号をプッシュする。
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これが、皆様が日頃もてはやしてくださる医師の現状です。
話を戻しましょう。
酸素マスクをつけた患者さんに何十時間も寄り添う救急隊の皆さんにも感染者は増えています。
こうなるともう、何もかも投げ出して逃げたくなってきますね。
賛辞も名誉もいらんから今この場から逃げさせてと。
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これからインド流行株が流行するのは間違いないでしょう。
気温が上がり湿度が上がった今になっても収束しないなら、もう我々に残された手段は徹底した自己管理とワクチン接種だけです。
楽観していた過去の自分はドブに捨てて、今日からすべてをやり直すつもりでないと大阪は救えません。
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そういえば最近よく、
「ワクチン打ちましたか?」
と聞かれます。
もしくは
「ワクチン、あれって大丈夫なんですか?」
と聞かれることも増えてきました。
ワクチンはまだ打ってませんが、5月13日に1回目を打ちます。
医学と科学を信じてるぼくにとっては何も迷うところのない選択です。
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フェイクニュースとまでは申しませんが、ワクチンに関して様々な噂があるのは知ってます。
でもね、皆さん、よく考えてみましょう。
ぼくらお医者さん、わりと素直にワクチン打ってます。
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そのへんのオッサンよりは少しばかり頭が良くて、そのへんのオバハンよりはずいぶんと医学にくわしいはずのぼくらお医者さんが、ギャアギャア騒がず素直にワクチン打ってもろてます。
どこの誰かわからんオッサンオバハンのわめき声よりも、大声を出さないぼくらの声は小さくとも届くと信じてます。
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今この国で打たれているmRNAワクチンは思ってたより優秀なんです。
変異株にも効果あるみたいなのがさらに安心材料ですね。
ワクチンなんて死んでもイヤ、という一部の方々はそのままでいいです。
そこを争うつもりはありません。
でもどうしようか迷ってる人は、打っておくことをオススメします。
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医療者だから5/13にワクチン打ってもらうのですけど、それでももう少し早くしてくれてたらと思うところがあります。
前述の周防町アサイクリニックの看護師が2名コロナに感染しました。
昨年12月から今年3月まではみんな体調不良もなく順調でした。
それがなぜ4月に2人も感染したのかは不明です。
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周防町院の看護師は高リスクなので院内の感染蔓延防止のために3〜4日に1回の出勤形態でした。
それゆえにほかのスタッフは接触を防げたわけですが、万全の感染予防策を取ったつもりでいた周防町院でのスタッフ感染はショックでした。
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感染経路は間違いなく隔離検査室です。構造上、飛沫感染はしないつくりになっていますが、抗原検査や薬剤の受け渡し時には空気感染(エアロゾル感染)のリスクが少ないながらも生じます。
4月にはいって広がったイギリス変異株の感染力の高さを身をもって知ることになるとは思いませんでした。
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返信先: さん
全然生の声必要です
印象に残ったのはピーク時の実際の1日感染者数、今、少しは落ち着いてきている事、感染対策をきちんとされているスタッフが感染された事です。
変異株はやはり対策の建て直しが必要なんですね。
お身体お大事にしてください。
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ありがとうございます。
感染者数に関しては、大きな山の上の部分がまるまる切り取られてメディアの伝える数になっている印象です。検査数の最大値をキャパオーバーしているので跳び箱の一段分みたいなグラフになっちゃいます。
もうそろそろ感染者は減ってくるでしょうけどまだまだ忙しそうです。
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返信先: さん
本当におつかれさまです。そしてありがとうございます。社会を支えてくださってきたことに、情報を発信してくださったことに。感染してしまった看護師の方々が重症化せず回復されることを切に願います。
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