室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日諸外国でワクチンが劇的な効果をあげつつあると,日本の今後の戦略もいかにワクチン接種率を高めていくかの一択かと思いきや,いまだにPCRスクリーニングの拡大を唱えているひとたちがいるようです.「検査」はすればするほどいいわけでも,すれば安心できるわけでもないことを説明させていただきます7219434
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日なんらかの病気をうたがい,診断にいたる道筋を考えます.ある検査が選ばれたとき,その結果によって疾患のたしからしさがかなり増加するか,逆に減少して除外できる必要があります.結果にかかわらず疾患の可能性がかわらなければ,それは単なるノイズにしかすぎません.その検査する意味はありません13054
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日ある病気を診断するときどの検査が適切であり,結果が陽性のときどの程度確からしさが増すか,陰性のときどの程度否定できるか,いままで医者は臨床のなかで経験的に身につけてきました.しかしあたらしい診断学ではこの過程が数学モデル化されており,これが根拠に基づく医学(EBM)といわれるものです13052
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日臨床検査というものはそれぞれ感度特異度をもちます.この数値は状況によって変化し,ややおおざっばなものでありますが,ゼロとか100%であることはありません.診断において誤診がないと仮定されるといつでも適切に修正するのがむずかしくなり,ひとの命をあつかっている医療としては不適切だからです13144
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日臨床検査はまたそれぞれ固有の尤度比をもちます.尤度比とは感度と特異度から求められる確からしさの比ですが,くわしくは教科書などをご参照ください.検査陽性のときは,うたがい疾患の事前確率(正確にはオッズ比)に陽性尤度比を乗じてその事後確率が求め,逆に陰性のときは陰性尤度比をかけます.12442
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日新型コロナで,対象者の事前確率やPCR検査の感度特異度がくりかえし問題とされるのはそのためです.ややわかりづらいところですが,癌やNIPTなどの例で以前に説明したことがありました.臨床診断で重要なのは事前確率と検査の感度特異度だけであり,疾患の種類とか検査の原理はあまり関係ありません.22443
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日癌検診はローリスクのひとが対象であり,事前確率がきわめて低いためと,見のがしをなるべくさけるため,感度が高い検査が選ばれます.2次検診(精査)では特異度が高い検査により確定診断されます.高い特異度という利点があるコロナPCR検査はどちらかというと2次検診に適した検査といえるでしょう.12749
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日スクリーニングのメリットとデメリットの比較で,たとえば前立腺癌のPSA検診や乳癌の超音波検査などがエビデンスなしで否定されました.また福島の甲状腺調査では,過剰診断によって検査をうけるひとに深刻な被害がでていることがあきらかになっています.検査はすればするほどいいわけではありません12448
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日出生前診断では,たとえばNIPTは非侵襲的な採血のみで可能なため一気に広がりました.この分野ではなにを利益とし,なにをデメリットにするかは倫理的に定義がむずかしいのですが,それでも事前確率の低いひとを対象とすると偽陽性率があがり,侵襲的な羊水検査による流産リスクが無視できなくなります12542
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日妊婦さんにたいするメンタルストレスもまた,結果のいかんにかかわらずきわめて深刻であり,母児関係にも影響を及ぼします.出生前検査の意味がある状況もまちがいなくありますが,メリットデメリットの衡量とはすこし別の意味で,ローリスクの妊婦さんに無制限に拡大することは望ましくありません.12242
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot返信先: @junmurotさん新型コロナ感染症についてはこれまでさんざん議論してきたとおりです.PCRの特異度が100%近いとしても,それは単にウイルス核酸の存在の有無だけの話で,実際には多くが無症状でかつ感染力もないだろうことは先に述べたとおりです.すなわち事前確率の低いひとにおこなえば過剰診断の弊害がでてきます午後0:46 · 2021年5月3日·Twitter Web App43 件のリツイート27 件の引用ツイート70 件のいいね
室月淳Jun Murotsuki@「出生前診断と選択的中絶のケア」発売@junmurot·5月3日返信先: @junmurotさんだいじなことなのでくりかえしますが,検査というものはすればするほどいいわけではありません.適切な対象に適切な検査を選んでおこなうことが重要です.福島の甲状腺調査も,出生前診断のNIPTも,新型コロナPCR検査も,事前確率の低い一般対象者にスクリーニングとして広げることには反対いたします5106173
教育を考える(一応バイオ系研究者)@rPSHBICmzHESsUy·5月3日返信先: @junmurotさん引用ツイート教育を考える(一応バイオ系研究者)@rPSHBICmzHESsUy · 5月3日論文読んでください。 そして恐らくRNAがどういう核酸かもわかってらっしゃらないみたいですけど、デマを流すのはやめて下さい。 自分は頭悪いです、って宣伝して何になるのですか? twitter.com/junmurot/statu…1126
new_neutrino ニュー・ニュートリノ@new_neutrino·16時間返信先: @junmurotさん失礼します。患者病日と各病日の平均Ct値に高い相関があるそうですので、少し時間をおいて再度Ct値を測定すれば、回復途上の感染者を除外できるのではないかと思いました。 https://niid.go.jp/niid/ja/typhi-m/iasr-reference/2523-related-articles/related-articles-485/9765-485r09.html…