「……ここは……」
私が目を覚まして最初に見たモノは、何の変哲もない、白い天井。
そして―――
「おう、起きたか」
いまいちパッとしない、男の顔だったわ。
「で、色々と訊きたいことが有るのだけれど」
「おう、答えられる事なら答えてやるよ」
とりあえず、質問を幾つかする事にした。差し当たって。
「まず、私は何者?」
そう、私は自分の名前すらも知らない。というかありとあらゆる記憶がない。
あるのは知識だけ。これが記憶喪失というものなのかしら?
「ざっくりと言えば、俺が作った
…………なるほど?一気に疑問が増えたわ。
「……つまり、私は被造物というわけね」
「そ。んで、俺が造物主だ。敬え」
「嫌よ」
「知ってた。まぁそういう性格にしたしな」
造物主()の戯言を斬り捨てて、次の質問をする。
「なら、私を作った目的は何?」
「一つはまぁ、新しい型式の肉体錬成法が使えるようになったからその実験、ってところかな」
「……もう一つは?」
以前から肉体錬成自体は出来たのか、とかは無視よ無視。
「『
「身内当てゲーム、それに『
身内当てゲームがどういう物かは知っている。
同時に与えられた偽の名前も考えれば、コレが何をやらせようとしているのか、見当は付く。
「……なるほどねぇ…いいわ、やってあげる」
「そうかい」
「他にも訊きたい事は少しあるけど、とりあえず」
身内当てゲームをするにも、まず知らなくてはならないことが有る。
「貴方の名前は?」
つまりはanswer。正解がわからなければこちらとしてもやりようがない。
その為に、これは最初に訊いておかなければならないわ。
「―――敷島佑斗だ」