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大学院受験までどんなことをしたかを振り返る。
3年春休み
1年のときに買わされた線形代数の演習書を1周する。1年の時は授業中に指定された問題しか解いていなかったのもあり、はじめて解く問題もあったが、ひと月で1周させる。ジョルダン標準形はやっていない。
早稲田の院を一般受験する時にTOEICかTOEFLのスコアを提出することを知り、TOEICの勉強のためにTOEICの勉強本を買って勉強する。
4年4月
院試の情報を求めて院試ガイダンスに出る。そこで言われたこと。
・早稲田の院に進むなら推薦が使える。ただし他大学を受験しないなら。
・他大学を受験するなら、早稲田の推薦は使えず、早稲田の院も一般受験をすることになる。
・早稲田の院を一般受験するならTOEICかTOEFLのスコアを出願時に提出しなければならない。ただし、出願に間に合うTOEICの試験日はもうありません。(TOEFLを受験してね)
これを聞いてTOEICの本を買って勉強していたのにずっこける。ここで英語の勉強のモチベーションが消える。TOEFLは受験したことないけど、出願に必要なスコアはTOEICの550程度と知り、大学1年の時に受けさせられたTOEICで700くらいとっているし、まあ新しく本を買ってやるまでもないか、と思う。そしてTOEFL本番、TOEICと全く試験形態が違って全くうまくできなかった。そしてスコアがなんと出願基準に2点足りなかった。大学3年間の間に英語力がなまりまくっていた。正直アホすぎると今思う。しっかり勉強して基準を満たしていたらもっと心理的に余裕を持っていれたのに。ちなみにTOEICはそこそこだが、TOEFLは受験料が高い。3万とかした。実質3万をどぶに捨てたのである。自分がバイトでためたお金なのでまだよい。
これで早稲田の院は受験できず、他大学の大学院に合格しないとニートになることが確定。東工大と京大と東大の院を受験することを決意。ちっぽけなプライドのせいで、早稲田より簡単な大学院は受験したくなかった。
早稲田の同じ研究室の友人に一人同じく国立大学院受験を考えている友人がいた。その友人は同じくTOEICがないことを知り、他大学院受験をあきらめ、早稲田の推薦で早稲田院に進学することに。その友人が買っていた大学院受験のための数学書を譲り受ける。
大学院受験勉強が本格的に始まる。
4年5月~7月
背水の陣という言葉が常に頭を支配する中、
・授業の予習復習
・塾講師のバイト
・このブログの執筆
・大学院受験勉強
(・趣味の時間)
というマルチタスクに追われる。
・授業の予習復習
大学4年生は授業が少ない傾向があり、私もそうだった。一番時間がかかるのが、講究の予習。講究はゼミともいうが、同じ研究室の同じ学年の人で集まって、1年間かけて1冊の数学書を読み通す、というもので、毎回生徒が順番に黒板の前に立って授業というか発表をする。発表は2週間に1回あり、そのために数学書の少し先の内容までを事前にノートにまとめておかなければならない。発表の準備のために1回につき10時間くらいかかる。
・塾講師のバイト
月木土の夜に個別指導の授業がある。月曜は20時からの1コマ、木土は18時半から2コマ授業があった。大学院受験のためにバイトを減らすことはしなかった。それはこの教室では慢性的に講師不足気味なのと、どうしても私に授業をしてほしいという生徒が3人いたのもある。単純に大学院受験の息抜きになると思ったのもある。
・ブログの執筆
最近私しか記事を書いていないのでもはや個人のブログとなりつつある。その私も大学院受験中は2週間に1回の「中学生でもシリーズ」くらいしか書かなかった。このシリーズは4週間に1回思い出して、大学の過去問を漁って記事を2本書く、というのを繰り返すだけで、そんなに時間はとられなかった。
・大学院受験勉強
上でとられる時間のうち残った時間はここに費やす。大学で授業が15時くらいに終わって、そのあと図書館に行き自習スペースに18時まで勉強。家に帰り夜ご飯を食べたらマックやカフェに行って23時まで勉強。これをなんとか習慣づけた。
土日は昼ご飯を食べたあと大学の図書館か地元の図書館に行って夜まで勉強。
勉強した本
①明解演習 線形代数 共立出版
②明解演習 微分積分 共立出版
③イプシロン・デルタ論法完全攻略 共立出版
④詳解と演習 大学院入試問題〈数学〉 数理工学社
⑤集合と位相の演習書多数
⑥複素関数の教科書、演習書多数
⑦大学院への幾何学演習 現代数学社
⑧その他分からない問題があったらそれに関する本たくさん
①②③は5月までに一周して放置。④は友人から譲り受けたけどそんなに使わなかった。⑤⑥は演習書は2冊ずつくらいやった。全部は解かず、必要そうな単元をかいつまんで解いた。たとえば複素関数であれば、特に複素積分を利用した実関数の積分の問題をやった。
ここまで数学基礎のための本。
⑦は数学専門のためで、ホモロジーの計算や微分幾何の演習。正直まだ習っていない内容も多く、1/4くらいはそもそも理解不能だった。習っている内容の部分だけをまず読み、過去問をみてこれはやっとかないといけないと思った部分は追加で自分で調べて勉強した。(図書館から本を借りたり、ネットで大学の講義pdfを拾う)
また、過去問や演習書の演習で、なかなか自分だけで解決できない時は同じ学科の友人に質問したりもした。大学に置かれているホワイトボードで友人と過去問を解いたりもした。これはこれで楽しかった。
・趣味の時間
23時に帰ってきたあとゲームをする。たまに1時2時までやることも。
毎週木曜の昼すぎから夕方は、このブログの執筆者でもあるHと集まって集合位相の勉強会をする。集合位相の本を囲みながら、私がHに集合位相の授業をするような感じ。
毎週火曜の20時から22時は、同じ中学で横国大に行き、東工大院を受験予定の友人と集まって数学の勉強会をやった。彼は数学科でなく物理の材料系の学科だったので、数学といっても線形代数微積微分方程式だけ。毎週院試の過去問か問題集を一緒に解く。
週に2,3回くらい勉強をはやく切り上げてゲームセンターに行って音ゲーをやる。突発的にどうしても音ゲーがしたくなった時に行っていた。
4年7月後半~4年8月
大学が夏休みに入る。塾の夏期講習は7月末まで入って、8月は一切バイトをしないことにした。こちらの身勝手な希望通りにシフトを組んでくれた塾の教室長に感謝。(あと私がいない分、夏期講習で数学の授業をほぼやってくれたSさん(名前は伏せる)にも感謝。)
7月下旬あたりから院試の過去問を解き始める。おおまかに解いた順番は、東工大基礎→京大基礎→東大基礎→東工大専門→京大専門→東大専門であった。基礎は最初から7割8割は解けた。できない問題があったらその分野の教科書を図書館から持ってきて読む、解説付きの演習書を見て似た問題を探す、を繰り返して解けるようにした。(もちろん分からず仕舞いの問題もあった)
対照的に専門はぜんぜん解けない。問題文に知らない単語がでてくるものも多く、ホモロジー群の計算か微分形式、簡単な複素関数か微分方程式しか挑戦権がなかった。(ガロア群を求める問題も少し可能性はあった)ネットで調べた限り専門そんなにできなくても受かるということは知っていたので、そこまで深刻に思いつめたりはしなかった。
大学の数学科では、高校までと違い、数学科に進んだ先で各人が代数、解析、幾何などと別れてそれぞれ違う授業を受けることが多い。自分は代数少しと幾何の授業はとっていたが解析ほとんど取っていなかった。そのため専門の問題のうち、解析の問題は基本的に解けるわけがなく、幾何を解くしかなかった。
英語はほぼノー勉。講究で読んでいた2冊の本のうち片方は英語でかかれた数学書だったのもあり、きっと行けると思っていた。ただ、線形代数微積集合位相の基本的な用語を英語で何と言うかは事前にすこし覚えた。
そして入試本番を迎えるのであった...
こうして振り返ってみると、わりと趣味の時間があると感じた。
次回で終わらせます。多分。
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written by k