生徒が「ナチス集会」の台湾高校 校長辞任
生徒たちが学校の開校記念祭でナチス・ドイツの集会を真似た台湾の高校で、校長が辞任した。
新竹市にある光復高校の程暁銘(チェン・シャオミン)校長は、自分が「全責任を負う」と謝罪した。
高校の生徒たちは23日の記念祭で、ナチスの旗や鍵十字を掲げ、黒い制服姿で行進。段ボールで作った戦車には、ナチス式の敬礼をする生徒が乗っていた。
イスラエルの大使館に相当する駐台北イスラエル経済文化弁事所(大使館に相当)が24日にこれを強く非難し、台湾総統府が謝罪した。
辞意表明した校長は、「教育者として生徒たちに、正しい価値観を教えるべきだった。犯した間違いから学び、生徒たちも同じように学ぶよう呼びかけた」とコメントした。
程校長によると、学校は今後、ナチスとホロコーストに関する特別授業を実施し、その一環としてホロコーストを描いた映画「シンドラーのリスト」や「ライフ・イズ・ビューティフル」を生徒たちに見せる予定という。
また駐台北イスラエル経済文化弁事所の代表を学校に招き、生徒たちに講演する機会を設ける方針。
英字紙タイペイ・タイムズによると、クリスマスと感謝祭の行進のテーマにアラビア文化を提案した教師もいたが、生徒たちは投票の末にナチスを選んだという。
一部の生徒がナチスを選んだのは、学校の制服を応用しやすいからだったと同紙は書いている。
インターネットに掲載された行進の写真を見た台北イスラエル経済文化弁事所のヤルデン代表は、同事務所のフェイスブック・ページに「世界がホロコーストの惨禍を目撃してから70年しかたっていないというのに、台湾の高校がこのようなとんでもない行為を支援しているとは、おぞましく衝撃的だ」と書いた。
「我々はこの悪趣味な出来事を強く非難し、台湾当局のあらゆる関係者に、ホロコーストの意味と歴史と普遍的な意味合いを紹介する教育プログラムの実施を求める」
台湾総統府は即座に謝罪し、ユダヤ人への敬意をひどく欠いた、歴史に対するすさまじい無知があらわになった出来事だと批判した。