JR小山駅東口隣接の一等地で41年にわたって親しまれてきたイトーヨーカドー小山店(栃木県小山市駅東通り2丁目)が23日、閉店した。最終日は大勢の客でにぎわい、午後8時半にシャッターが閉まると盛大な拍手が送られた。
午前9時、開店と同時に次々と客が訪れた。紅白の垂れ幕が飾られた店内には「最終日です」などと呼び掛ける店員の声が響き、1階のファストフード店「ポッポ」では名物のフライドポテトやたこ焼きを求める行列が絶えなかった。
南入り口付近の壁には、桜の花びら形のカードに「家族の思い出の場所」「長い間お疲れさま」「今までありがとう」などと客がつづったメッセージ約3500通が掲示された。
毎日のように買い物に訪れていたという駅南町1丁目、主婦吉田千晶(よしだちあき)さん(50)は「生活に根付いたお店だった。これから不便になる」。八幡町2丁目、会社員大嶋孝(おおしまたかし)さん(68)は「41年も営業していたのかと思い返した。寂しくなる」とこぼした。
営業終了後、集まった百数十人の客を前に渋木一義(しぶきかずよし)店長は「温かく見守っていただいた。小山店を忘れないでほしい」とあいさつ。開店当初から店内でテナント営業していた進駸堂(しんしんどう)書店の渡辺順一(わたなべじゅんいち)社長(66)は「地元の皆さんに支えられてきた」と感謝した。
小山店は1980年1月に開店した。地権者によると、跡地利用についての方向性は決まっていない。