「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」とはよく言われるが、十で凡人ならもう確実に凡人ではないだろうか。
背景
例の件である。小学生時点ですでに凡人だった人が、なぜか自分は優秀だと勘違いし、情弱ビジネスの被害にあう話だ。
なんとなくだが、彼はまだカモを脱却できていない。一度カモだと知られてしまったら、多数の情弱ビジネスのベンダーが寄ってくるだろう。砂糖に群がるアリのようなものだ。
ではなぜ、彼がカモに見えるのだろうか。情弱ビジネスのカモとはどのような人たちなのだろうか。少し考えてみた。
情弱ビジネスとは
情弱ビジネスとは、情報弱者をターゲットとし、情報弱者からの脱却に一切寄与しないどころか、むしろ脱却を難しくするようなビジネスである。
一昔前に流行った貧困ビジネスと同じである。貧困層をターゲットとし、貧困の脱却に寄与しないビジネスに似ている。
カモの特徴1|成功を渇望している
意外と言及されることが少ないように思うが、カモは成功したいとか成長したいと考えていることが多い。現状に満足している人はカモにはならない。成功や成長を謳う商材が入り込む余地がないからだ。
カモは現状に不満足感を持ち、成功や逆転、成長や承認といったものを渇望している。情弱ビジネスはその欲につけ込む。あたかも自分たちに従えば、それらが手に入るかのように演出する。
カモの特徴2|めぼしい成功体験がない
過去に何かしらの成功体験のある人であれば、成功というのが地道な努力によってもたらされるということを知っている。
しかし、成功体験のない人はこれを知らない。成功というものが、突然空から降ってくるものだと考えたり、特別な裏技によってもたらされるものだと考えている。
情弱ビジネスはここにつけ込む。成功するための商材と称して、中身のないものを売り込むのである。成功体験のない人たちは、成功や成長のために何が必要かを知らないから、情報商材の良し悪しを判断できない。
カモの特徴3|疑わない
馬鹿は風邪をひかない。風邪をひいても気づかないのである。同じように、情報弱者は騙されない。騙されても気づかないのである。
20年や30年も生きていれば、人間は、さまざまな悪意に触れるものだ。騙されたり裏切られたり、陥れられたりする。そうでなくても、そういった場面も目撃しているはずだ。色んな悪意に触れる中で、人間は正常な警戒心を身につけていく。
しかし、カモは悪意に気づけない。今までも気づいてこなかったから警戒心も育っていない。悪意に気づけないことを、心が善良だからと言い訳する人がいるがそれは違う。ただ愚鈍なだけだ。
カモの特徴4|間違いを認めない
情弱ビジネスのカモは、自分の間違いを認めようとしない傾向にある。より正確には、主に社会経験が乏しいために、間違いを認めて謝るということに慣れていない。
一般的なサラリーマンであれば、自分のミスで怒られることにはもちろん、他人のミスで怒られることにすら慣れている。「本当はあいつのせいだけど、まあ俺が間違ってたことにして謝っておくか」という妥協ができる。
特にクライアントビジネスの人たちは、やらかしてしまったら0.1秒で「申し訳ございません」と発する癖がついている。やらかしたときは、とりあえず認めて謝罪し、再発防止策を練るのが基本なのだ。
一方で、社会経験の乏しい人は、やらかしたかも?と思ったときにすぐに自己弁護の体勢に入る。騙されたかも?と思えているのに「自分が情弱なはずがない!これは正当なサービスだ!」と加害者を擁護しはじめる。
どうすればカモから脱却できるのか?
カモからの脱却を目指すときは、カモの特徴の4→1の順につぶしていくのが良いと思う。2までやればカモを卒業できるだろう。
まずは、人間は間違えるものだということを理解すべきである。間違えるのは当たり前なので、間違ったと思ったら素直に認めて軌道修正をすればよい。もしあなたが、情弱ビジネスに騙されてしまったときは、素直に情弱だったことを認めたうえで、再発防止策を練るのが良い。
カモからの脱却に最も遠い人は、「俺が情弱なはずはない!」と妄信して、延々と情弱ビジネスを利用し続ける人である。もしくは、騙されたことを反省せず、仕方がなかったとか、騙す側が悪いとか、そういう整理にする人たちである。
次に、疑うことを覚えると良い。悪意ある人間はそこら中にいる。ネット上に書かれている経歴は嘘だらけだし、ネクタイを締めている人がまともだとは限らない。常にセカンドオピニオンやサードオピニオンを求めよう。今のあなたにはまだ、物事の正誤を判断する能力はない。
そのあとは、少し時間がかかるかもしれないが、些細な成功体験を積み重ねよう。最初は金にならない目標がいい。成功体験のない人が金になる目標を立てると、必ず情弱ビジネスに狙われる。囲碁や将棋の段位でもいいし、フルマラソン完走などでもよいだろう。1-2年かけてようやく達成できそうだと思えるような、金にならない目標がおすすめだ。
それを達成できるころには、成功というのが、地道な努力と試行錯誤の延長線上にあることを理解できるはずだ。「成功が突然空から降ってくる」というような妄想とおさらばできる。
さいごに
私は情弱ビジネスが嫌いだ。単に嫌いだから、情弱ビジネスを見つけたら叩こうと思っている。以上。