「恐竜研究者を目指す子どもたちへ」日本は“恐竜”が眠る国? 淡路島で新種の化石を発見

 兵庫県淡路島で見つかった7200万年前の化石が解析の結果、新種の恐竜だったことが分かった。

【映像】新種の恐竜「ヤマトサウルス」のレプリカ(1分40秒ごろ~)

 発見されたのは、草食恐竜「ハドロサウルス科」の「ヤマトサウルス・イザナギイ」。最初の化石が出てきたのは、今からおよそ17年前の2004年5月。兵庫県洲本市の淡路島で、県内の化石愛好家の手によって発見された。
 淡路島といえば、日本最古の歴史書『古事記』に「日本発祥の地」と記された土地だ。「ヤマトサウルス・イザナギイ」という学名は、古代の日本国家を示す「倭(やまと)」と神話に登場する男神「伊弉諾(イザナギ)」にちなんで、名づけられた。

 解析にあたった北海道大学の小林快次教授は、ヤマトサウルスの化石を初めて見たときから直感的に「新種ではないか」と感じていた。

「なんかおかしいなと思って、たぶん新しい恐竜だと、そのときに直感した。あとはどのように情報を集めて、新種だと証明するか。これに6~7年かかった。ただの化石だが、それがどんどんメッセージを語ってくれる。それがすごく楽しかったですね」

 新種のヤマトサウルスについて小林教授は「歯の形が非常に特徴的だった」と話す。

「これはヤマトサウルスの下あごのレプリカ。非常に大きいですよね。ヤマトサウルスは、頭だけで80cmある大きな恐竜。歯がここにずらっと並んでいて、かみ合わせるところがある。この部分を見ると、歯の形が非常に特徴的だった」
 確かに、別の一般的な恐竜のレプリカと比較してみると、ヤマトサウルスは下あごだけで、他の恐竜の頭と同じかそれ以上の大きさだ。こんな大きな恐竜に遭遇したら、かなりの恐怖ではないかと思いきや、小林教授は「ヤマトサウルスはそんなに怖い恐竜ではない」と述べる。

「大きさは7~8メートルあり、すごく大きいが、穏やかで植物を食べていた恐竜。『白亜紀の牛』と呼べるくらい、牧場にいる牛のような恐竜だ」
 白亜紀と聞いて、イメージするのは、ティラノサウルスやトリケラトプスなどの恐竜だ。この白亜紀の“恐竜の最盛期”に、日本の恐竜たちが存在していた――これが今回の発見の大きな進歩だという。北海道のむかわ町で見つかったカムイサウルス。そして、新種と判明したヤマトサウルス。小林教授は「まだまだ氷山の一角」と期待に胸を膨らませる。

「日本で恐竜は『海外のもの』という印象があるが、まだまだ日本にはすばらしい恐竜がたくさん眠っている。今回の発見は氷山の一角中の一角。これからたくさん恐竜(の化石)が見つかって、恐竜研究者を目指す子どもたちが、日本から発信できるようになってくれればうれしい」

(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

よく見られている番組

「恐竜研究者を目指す子どもたちへ」日本は“恐竜”が眠る国? 淡路島で新種の化石を発見

この記事をシェアしよう

執筆者情報

ABEMA TIMES ニュース編集部

ABEMA TIMESニュース編集部では、速報ニュースやABEMAオリジナルのニュース番組などを中心に、世の中で話題になっている出来事や社会問題など選りすぐりの情報をお届けします。