海外進出とは?進出にあたり必要となる準備とは?

海外進出とは?進出すべき理由
海外進出とは、名前の通り法人の支社や拠点を海外に作り、ビジネス拡大や利益向上を図ることです。近年では、大手企業だけでなく中小企業でも海外に法人を作る例が増えています。どの企業も「会社規模を広げたい」「売上を増やしたい」「海外企業との競争に勝ちたい」など、ビジネス拡大を実現させるのを主な目的としています。
海外未進出の日本企業が海外進出すべき理由は、「国際競争への参入」と「市場規模の拡大」の2つを実現させる必要があるためです。
「国際競争への参入」は、企業が既に持っている技術力や新たに開発した技術などを活用することで、海外企業との競争に勝つことを指します。もちろん、資金や人員管理など経営資源の拡充も重要ですが、これだけでは海外企業に勝つことは難しいです。会社として長期的に一定の利益を得るためにも、経営資源の拡充と技術力など企業の強みを活用して、海外でのビジネスを行うことが重要なのです。
もう1つの理由である「市場規模の拡大」は、日本の市場規模の縮小が挙げられます。
現在の日本は人口の減少が進んでおり、市場規模の縮小が危惧されています。市場規模の縮小によって競争が激しくなると、既存の顧客が離れる可能性がある、商品価格の値下げが必要になるなど、継続して売上を出すことが難しくなってきます。そこで、海外進出をすることで新しい顧客を掴む可能性が出てきますし、販路拡大を図ることで、利益の向上を見込めます。
また、海外進出することのメリットも複数あります。海外進出に関してはリスクを考えてしまいがちですが、専門業者に調査依頼、相談をすることで、万全に準備することができます。
進出にあたり必要となる準備は?
海外進出にあたって、やるべきことはどんなことがあるのでしょうか。
海外進出時に必要な事前準備は、市場調査とテストマーケティングが挙げられます。
市場調査は名前の通り、海外現地の市場の動向などを調査すること。テストマーケティングは、海外現地で商品のテスト販売や事前シミュレーションを実施し、課題の発見と改善を図る手法を指します。市場調査とテストマーケティングを実施し、問題ないと結果が出れば、海外進出を始めるのです。
ですが、海外現地の市場調査及び進出は、自力で進めようとすると膨大な時間と手間が掛かってしまいます。そこで、利用すべきなのが海外市場調査や海外進出コンサルティングを専門とする会社です。
海外市場の調査がスムーズにできるだけでなく、海外進出のための方法などを熟知しています。日本現地では検証が難しい、SNSでの情報収集や情報公開、海外向けECサイトの運用、商品価格や販売商品の調査も併せて依頼できるのが特徴です。
そのため、海外市場調査会社や海外進出コンサルティング会社を活用することで、海外進出に向けて実施する業務が明確になり、着実に海外進出を進めることができるのです。
ポン
- 日本企業が国際競争へ参入するには、海外進出が不可欠
- 日本の市場規模は縮小傾向にあるため、販路拡大を図るという意味でも海外進出がおすすめ
- 海外進出にあたっては市場調査とテストマーケティングが必要
- 自社のみでは膨大な時間と手間がかかるため、海外進出コンサルティング会社を利用しよう
海外市場調査・海外進出コンサルティングとは?

海外進出を行う場合、海外市場調査会社・コンサルティング会社の利用は必須とも言えます。次にそれぞれの特徴や詳細をメリットデメリットとあわせてお伝えしましょう。
海外市場調査とは?メリットデメリットは?
メリット
海外市場調査のメリットは、「日本では知れない情報を得られる」ことです。
国ごとの風習、文化、国民性などの国ごとの特徴に加えて、現地の人気商品、価格帯、売上などの情報も併せて知ることができます。日本ではあまり注目されていない商品が人気な場合や、日本より物価が安い高いの違いもあります。
それ以外にも、経済状況や市場動向、同業他社の動向なども日本と異なります。海外市場調査会社にデータベース検索や現地調査を依頼した場合は、ビジネスに関連した情報を多く知ることができます。
情報を知る以外のメリットは、「効率的に幅広い情報を得られる」ことです。自社で情報収集することももちろん可能ですが、不慣れな場合は時間を大きく要してしまいますし自力で調べるのが難しい内容も多くあります。
そこで調査会社を利用することで、通常の調査では得られない情報を得ることができますし、幅広く情報を得ることができます。
海外ビジネス展開に必要な情報を詳細に知ることができます。現地でのビジネス戦略を策定できるのです。
デメリット
海外市場調査のデメリットは、「戦略立案が対象外」なことです。海外調査会社は海外の海外市場調査に特化しているものの、コンサルティング会社と異なり、データを基にした経営等の戦略立案といった点(つまりコンサル)は対象外の場合が多いのが特徴です。
提供するサービスの範囲が、コンサルティング会社との大きな違いになります。海外の市場動向や経済状況、同業他社の有無などビジネス展開に必要な情報の調査を重視している場合は問題ありませんが、海外進出時に支援事業サポートも依頼したい場合はサービスが不足していると感じてしまうでしょう。
そのため、調査のみを求めているのであれば利用はおすすめできますが、海外進出や進出後の事業展開までを考えた場合はコンサルティング会社を利用するのがおすすめです。
海外進出コンサルティングとは?メリットデメリットは?
メリット
海外進出コンサルティングのメリットは、「迅速にビジネスの準備ができる」ことです。海外ビジネスの展開は、スピード感を持って準備を進めることが重要です。
特に欧米中国の企業は経営意思の決定が早いため、サービスや商品の立案~完成を迅速に行う必要があります。ですが、海外進出にはサービスや商品の開発以外にもやらなければならないことが多岐に渡ります。そこで、海外進出コンサルティングを利用すると、限られた時間で効率よくやることを進めることができます。
情報収集やトラブル解決など、海外進出にあたって困ったことに対応してくれるため、ビジネスの成功と市場拡大がしやすいです。
また、海外進出コンサルティングのもう1つのメリットは、「ビジネスの成功率を大きく上げられる」ことです。
海外進出コンサルティング会社を利用することで、海外進出のメリット、リスク、注意点などを教えてもらえます。クライアントの知識量、事業計画、展望に沿って、適切なサポートを実施してくれます。
複数の事業展開する際は、国ごとに必要な情報の提供と最適なサポートを実施してくれるのもメリットになります。
デメリット
海外進出コンサルティングのデメリットは、「料金が発生する」ことです。
海外進出コンサルティング会社にコンサルを依頼すると、どうしても費用が発生します。具体的な金額は規模や依頼内容によって大きく異なりますが、一通りのコンサルを依頼すると数百万円以上の費用は発生します。
加えて、現地調査や内容ごとの支援を追加すると追加費用も発生します。企業によっては、費用の負担が大きくなる可能性があります。そのため、海外進出後にコンサル費用の回収ができるか、成功できるかどうかを考慮する必要があります。
海外進出コンサルティングのもう1つのデメリットは、「進出先の商業的習慣が学べない」ことです。
海外進出コンサルティングを依頼する場合、現地の店舗や法人の習慣やルールが直接確認出来ません。海外進出のスピードと効率性を高めることはできますが、商業的な習慣を直接確認しないまま事業を始めることになります。
【海外市場調査・コンサルティング】両方に特化したコンサル会社に依頼すべき
ここまで、海外市場調査と海外進出コンサルティングのメリットデメリットをご紹介しました。では、海外進出の調査サポートを依頼する場合は、どのような会社に依頼すると良いのでしょうか。
結論から言うと、海外市場調査・コンサルティング、両方を得意とする会社に依頼するべきです。実は、海外進出を支援している会社は、市場調査のみに特化している会社・コンサルのみに特化した会社という場合が殆どです。依頼するのであれば、両方に特化した海外進出のエキスパート的なコンサルティング会社に依頼した方が、個別に依頼するよりも総費用を抑えられますし、調査とコンサルを独立・連携させる煩わしさも発生しないためおすすめできます。
以上、メリット・デメリット等も踏まえての結論ですが、確実に海外進出を成功させたいのであれば、海外進出のエキスパート的な支援会社を利用することを私はおすすめします。
ポン
-
- 海外進出を支援している会社は、市場調査のみに特化しているかコンサルのみに特化している場合がほとんど
- 確実に海外進出を成功させたいのであれば、市場調査・コンサル両方に特化した会社へ依頼しよう
【海外市場調査会社のメリット・デメリット】
-
- その国のあらゆる情報を効率的に得ることができる
- 戦略立案は対象外で、実際に海外進出するまでのサポートは受けられない
【海外進出コンサルティング会社のメリット・デメリット】
- やらなければならないことを、限られた時間内で効率よく進めることができる
- 自社に最適なサポートをしてくれるので、ビジネスの成功率を大きく上げられる
- 規模や依頼内容にもよるが、一通りのコンサルを依頼すると数百万円以上の費用がかかる
- 現地の店舗や法人の習慣・ルールを直接確認しないまま事業を始めることになる
【国別】海外進出コンサルティング会社おすすめ3選
海外進出コンサルティング会社へ依頼可能な業務とは?

事前調査準備
海外進出コンサルティング会社で、依頼できる業務の1つ目は「事前調査準備」です。
事前調査準備業務で実施する業務は、「市場調査」「競合調査」「現地視察」「展示会出展」があります。
事前調査準備/市場調査
「市場調査」は商品や市場規模の調査を指します。クライアントが取り扱う製品やサービスの内容をヒアリングし、商品やサービスの価格や売上量などを調査します。資料の検索も、国内のデータベースに加えて現地の行政機関での調査が行われます。資料以外にも、住んでいる人や現地に駐在しているスタッフによる情報収集も実施します。
事前調査準備/競合調査
「競合調査」は、展開先のエリアで同業他社がビジネス展開していないかを調査します。インターネット調査や現地調査を行い、実際に同業他社の状況や売上などを詳しく調査します。
また、同業他社の会社情報も併せて調査します。現地の行政機関のデータベースにアクセスすることで、情報を得ることができます。
事前調査準備/「現地視察」
ビジネスの展開予定地に赴き、調査します。海外現地での調査は、調査会社本部が海外拠点に駐在するスタッフに依頼して調査を実施します。市場の動向や商品の売れ行きなどを調査し、調査結果をクライアントに報告します。
また、現地視察は限られた時間で実施することが多いため、どの点を重視して調査してもらうかを事前に伝えるとスムーズに調査が進められます。
事前調査準備/「展示会出展」
現地のビジネス向け展示会参加のサポートを実施します。
開催エリアや時期などを調査して、いつ頃展示会に参加するかを決定します。ブースの商品や設営はクライアント側で行います。展示会は現地企業と直接商談ができる場のため、逃したくないチャンスと言えます。
万が一、展示会出展で不安な方は適宜調査会社に相談すると良いでしょう。
法人設立
海外進出コンサルティング会社で、依頼できる業務の2つ目は法人設立サポートです。
調査や展示会出展など準備が終わり、問題なければ法人設立を行います。設立時は、法人登記に必要な書類を作成提出、人材確保、オフィスの確保、法的書類の作成などやることが多くあります。
海外展開が初めてで不安な方向けに、コンサル会社では海外法人設立の流れや現地でのビジネスルールなどを教えてくれます。また、ビジネス展開にあたって必要な書類作成サポートを実施する企業もあります。
法人設立/人材
新たに人材を採用する際は、現地の人材紹介会社を利用するのが一般的です。現地のコネクションを持っていない会社は、人材会社の紹介もしくはおすすめの人材会社を教えてもらうと良いでしょう。
法人設立/オフィスの確保
現地でのビジネス拠点となるオフィスを確保します。商品販売を行う場合は、特に重要な項目です。
市場調査や現地調査の結果やアクセスなどを確認した上で、オフィスや店舗の場所を決めます。展開する場所は自社だけでは判断が難しいためコンサル会社に相談の上で、出店場所やオフィスの展開場所をどうするか、アドバイスをもらうと良いでしょう。
また、オフィスの場所を決定する以外にも現地の不動産会社との契約も必要になります。
法人設立/法的書類の作成
法人登記用の書類やその他法的書類の作成に関しては、現地の法律知識や書類の記入ルールに沿って作成する必要があります。加えて、国によっては外資企業の設立を制限している場合もあるため、注意が必要です。
そのため、書類の作成に関してはコンサル会社に相談してみて、現地の司法書士や弁護士を紹介してもらうと良いでしょう。
事業運営
海外進出コンサルティング会社で、依頼できる業務の3つ目は事業運営サポートです。
海外拠点を展開後のビジネス運営、商品サービス展開の手法に関してもアドバイスをもらうことができます。事業運営でコンサル会社がアドバイスできる分野は、「人事制度」「ブランディングマーケティング」になります。
事業運営/人事制度
海外法人を展開した後、人事制度を整えることは非常に重要です。
現地スタッフを雇うにあたって、給与、福利厚生などの待遇や勤務時間、雇用体系、休日などの勤務体系を整備、確立させる必要があります。
海外では待遇や勤務体系の考え方が日本と異なることが多いため、その点も考慮する必要があります。不安な場合は、コンサル会社に雇用条件や待遇などの設定を相談すると、より透明性の高い雇用条件や待遇が設定ができます。
事業運営/ブランディングマーケティング
事業運営にあたって、ビジネスのブランディング及びマーケティングも重要です。
初めて海外ビジネスを展開する会社は、海外における知名度がほぼありません。知名度がない状態から、いかに自社の製品サービスを良いイメージを定着させるかが大切です。有効なブランディングマーケティング手法に関しては、展開するエリアや取り扱う製品サービスの内容によって異なります。そのため、ターゲットとする法人または消費者の動向を、常に把握する必要があります。
コンサル会社ではビジネスモデルや製品に応じた、有効なブランディングマーケティングを一緒に考えてくれます。現地のクライアントの視点や知識を豊富に持ったスタッフに相談することで、現地でのビジネス展開をスムーズに進めることができるでしょう。
ポン
【海外進出コンサルティング会社へ依頼可能な業務】
- 事前調査準備(市場調査、競合調査、現地視察、展示会出展)
- 法人設立(人材採用、オフィスの確保、法的書類の作成)
- 事業運営サポート(人事制度、ブランディング・マーケティング)
優れた海外進出コンサルティング会社を選ぶ上でのポイント

高度なスキルを持ったが人材いるか
海外進出コンサルティング会社を選ぶポイントの1つ目は、高度なスキルを持つ人材がいるかどうかです。
海外進出コンサルティングには、海外現地で使用する言語の翻訳会話、業界知識、システムなどビジネスにおいて活用する分野の知識を持っている必要があります。コンサルティングは知識だけでなく、対応の早さや丁寧さももちろん大切です。ですが、対応の早さや丁寧さ以前に、専門知識を持っていることが非常に重要です。
知識以外にも、どの業界のコンサルを得意としているかも選ぶポイントになります。取り扱う商品やサービスなどに詳しいスタッフがいる場合は、海外進出成功の可能性が高くなります。
そのため、会社を調べる際はどの分野の知識に精通しているか、得意な業界やサービスなどを確認しましょう。
実績があるか
海外進出コンサルティング会社を選ぶポイントの2つ目は、実績の有無です。
過去の実績やコンサル事例が多い会社は、HPや会社資料などで具体的にどんな事例に関わったかを提示することが多いです。ただ、実績件数を載せるだけでなく、どんな会社のコンサルを実施したか、どのような調査を行ったかなどが分かるとより良いでしょう。
実績や事例が多数あるから、絶対安心と断言はできません。ですが、過去に様々な会社のコンサルを担当しているため、コンサルに必要な知識や調査手法などを熟知している可能性が高いです。
そのため、少しでもコンサルの成功率を上げたい場合は、実績や事例の件数を確認しておきましょう。
対応サポートの幅は広いか
海外進出コンサルティング会社を選ぶポイントの3つ目は、対応サポートの幅広さです。
コンサルにおいて、全ての過程で順調にいくわけではありません。そのため「どのように、海外進出をしたら良いか分からない」「どの視点で調査分析をして欲しいか」のアドバイスに加えて、「トラブル時の対応」「ワンストップサービスの提供」など、サポート面も充実している会社を選ぶようにしましょう。サポート対象内容が広いほど、いざと言う時に安心です。
【海外市場調査・コンサルティング】両方に強みがあるか
海外進出コンサルティング会社を選ぶポイントの4つ目は、海外市場調査・コンサルティング両方に強みがあるかどうかです。
海外調査と海外進出コンサルティングを扱う会社は、一見両方取り扱っているように見えます。
両方取り扱っていても、海外調査のほうが得意な会社、海外進出コンサルティングが得意な会社と分かれている場合があります会社によっては、両方ではなく調査もしくはコンサルの片方のみの場合があります。
調査とコンサルを依頼する会社を分けると、相談する際に手間が掛かってしまいます。
そのため、会社を選ぶ際は実績や事例を確認、調査コンサル両方を得意としているかを見極めてから、会社を選ぶようにしましょう。
ポン
【海外進出コンサルティング会社を選ぶポイント】
- 高度なスキルを持ったが人材いるか
- 実績があるか
- 対応サポートの幅は広いか
- 海外市場調査とコンサルティング両方に強みがあるか
まとめ
いかがでしたでしょうか。海外市場調査・海外進出コンサルティング会社の特徴やサポート内容、会社を選ぶ際の基準などをご紹介しましたが、お役に立ちましたでしょうか。海外進出コンサルティング会社は、海外ビジネスに慣れていない法人にとって心強いパートナーと言えます。費用はどうしても発生しますが、確実に海外進出を成功させたいのであれば依頼は必須と言えます。
今回ご紹介した内容を基に、目的に合った海外進出コンサルティング会社を選べると良いですね。