世界を震撼させたドキュメンタリー
チェコで制作された『SNS-少女たちの10日間-』は「12歳の少女に扮した童顔の大人の女優3人が、スタジオ内のリアルに作りこまれた3つの子供部屋で10日間、12歳の偽アカウントでSNSを使うと、どのようなことが起こるのか」を実験したリアリティーショー(ドキュメンタリー)映画だ。
キャッチコピーは「2,458人のオオカミたちから届いた危険な誘い━━世界を震撼させた衝撃のリアリティーショー」。
この映画を15歳の息子と一緒に観てみたいと思った。
少女たちがネット上で受ける性的児童虐待について扱っているドキュメンタリーは、相当ショッキングでどぎつい言葉や映像も多数流れることは容易に想像できる。それを未成年の子供に見せることには当然、賛否両論あると思う。とくにこの映画は「R-15 」指定で、息子はギリギリ鑑賞可能な年齢なので少々、迷いもあった。
まずは私ひとりで試写を観た。想像以上にハードな内容だった。
少女とオオカミ(男性)とのビデオ通話では、いきなり「服を脱いで」と迫るほか、セックスや体のパーツに関するキワどい言葉が大人の男性から少女に向けて遠慮なく発せられる。映像には男性たちの顔も問題の部位も見えないよう配慮はされているもの、男たちのしつこい要求、下劣な行為がこれでもかと映し出される。
恐ろしかった。ショックだった。大人の私もかなり心理的なダメージを受けた。でもこれはチェコだけではなく、日本でも確実に少女たちに起きているはずのこのリアルだ。同世代の息子は知るべきだと思った。
映画の概要を息子に話し、しつこく「かなりショックを受けるかもしれない。観る観ないは自分自身で決めていいよ」と念を押し、彼の気持ちを聞いた。「やめとく」というかなと思ったが、意外にも「観てみたい」と即答した。「キツかったら途中でギブ(視聴中断)あり」で、観てみることにした。