時計 2021/04/23 11:52

種子島沖に沈む「九七艦攻」調査へ 発見者の林さん「遺族に遺品、遺骨返したい」

喜志鹿崎沖に沈む九七式艦上攻撃機の一部=2016年撮影(林哲郎さん提供)
喜志鹿崎沖に沈む九七式艦上攻撃機の一部=2016年撮影(林哲郎さん提供)
 種子島北端の喜志鹿(きしが)崎沖(西之表市国上)に沈む旧日本海軍の九七式艦上攻撃機(九七艦攻)。日本戦没者遺骨収集推進協会が6月下旬にも、遺骨収集に向けた調査を始めることについて、機体を初めて確認した林哲郎さん(73)は22日、「やっと国が調査に本腰を入れてくれる。遺骨や遺品を遺族に返したい」と思いを語った。

 林さんは同市西之表でダイビングショップを経営。機体が海に沈んでいるという地元漁師の話を元に、2015年秋に発見した。店のスタッフらと乗組員の遺品や遺骨を捜したが、現場付近は潮流が速く、思うように進んでいなかった。

 18年には厚労省職員が訪れ、沈没地点を確認していた。市は戦跡として記録を残すため、周辺の3次元(3D)画像化などを検討している。

 林さんは「機体番号や搭乗員、飛来した経緯が分かれば地元での平和教育に役立つ。今後も調査に協力したい」と話した。