Another Trainer   作:りんごうさぎ

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2.常夏の 強い日差しに 花踊り

(おはようブルー。ちゃんと眠れましたか?)

 

 んんー! 伸びをして辺りを見渡せばここは洞窟の中……そうだ、わたし昨日先に寝ちゃったんだ。洞窟にしては暖かいと思ったら毛布をかけられている。みんなでわたしにかけてくれたのかな。

 

「おはよ、ラーちゃん。ありがとね、毛布かけてくれて。もうすっかり元気よ。今日も頑張りましょう」

(もちろんです、ブルー。でも焦らず、まずはどう戦っていくかよく検討してから出発しましょう)

 

 身支度をして、さっそく作戦会議を始めた。いつもは寝起きがだらしないわたしだけど、今は驚く程スッキリ目が覚めている。今日はなんかいけそうな気がする。

 

「それで、どうやって戦うかだけど、最初はレーちゃんとリューちゃんに戦ってもらう。どっちも“でんじは”で相手を弱らせてじっくり観察しながら戦えるし、耐性も多くて、浮いている分移動も速いから」

(なるほど。良い判断だと思います。では私達は危なくなったら出してください)

「そうさせてもらうわ。今日もお願いね」

「ラー」

 

 頷いてボールに戻っていった。これでもうラーちゃんは危ない時しか使えない。今日はわたしが頑張るのよ。グッと拳を握りしめた。

 

 拠点には目印になるように近くの木に遠くから見えるように旗のようなものを立てた。“ポケじゃらし”で作ったのでポケモンが寄り付くことはない。洞窟の入り口にも置いてある。シショーに使い方を教えてもらっておいて良かった。サイレンスブリッジのとこで教えてもらったのがここで役に立った。

 

 これで拠点は大丈夫のはず。安心して森の中へ入った。奥へ進むとさっそくポケモンが現れた。正面から来るのは助かるわ。姿は……見たことない新手ね。当たり前だけど、これからは未知との敵を相手に負けられない戦いが続く。気を引き締めないと! 

 

 さぁ、落ち着け。シショーのように、まずはしっかり相手を分析するのよ。目立つ特徴……鹿みたいな恰好で頭の角に葉が茂っている。素直にくさタイプかな? 安易に決めつけ、固執することはしてはいけないけど、まず間違いないと見ていいでしょうね。

 

 最初の一手はもう考えて来ている。バトルの基本は最初にどれだけ有利な状況を作れるか。それを昨日のわたしは忘れていた。相手が強いからって焦って前のめりになり、早く体力を減らしたい一心で攻撃ばかりの単調な指示になっていた。それではダメ。相手が強い時ほど、なおさら上手く補助技を使わないとわたし達は生き残れない。

 

「りゅうのいかり! レーちゃんでんじは!」

「ブローッ!?」

 

 上手くいったわね。素早さは戦闘の要。その足を先に奪えた。これで行動回数に差が出る。じっくりいけば2:1だし問題なさそう。

 

 わたしが優位を確信していると相手は猛烈な勢いでこっちに突っ込んできた。こんな危ない攻撃してヤケになったの!? これはヤバイ! リューちゃんは耐えれない!

 

「レーちゃん受けてあげて!」

 

 ドォォン!

 

 この捨て身って感じの突撃は“すてみタックル”ね。いきなり反動も構わず突っ込んでくるなんて。しかもすごい威力。半減でもかなり持っていかれた。攻撃力はあのドラゴン以上かも。それに反動技のせいで体力の調整も失敗したわね。アンラッキーが昨日から続く。ここのポケモンがどれぐらいのレベルなのか余裕のあるうちに調べようと思ったけど、今回は潔く諦めよう。この攻撃力じゃ無理はできない。

 

「たたきつける。10まんボルト」

 

 わざとでんきタイプの技を使わせた。やっぱりでんきタイプの方は“たたきつける”よりも効きが悪い。こうかはいまひとつのようね。でもこれで確認できた。間違いなくくさタイプ。

 

「ブロッブロォーッ!」

 

 今度は角を立てて突進してきた。でも“メガホーン”じゃない。角が緑に光っている。こんな技は見たことがない。レーちゃんなんとか耐えて!

 

「ジリリ……」

「よくやったわ! 反撃よ! ラスターカノンとドラゴンダイブ!」

 

 はがねタイプはやはり使いやすい。だいたいの攻撃を半減で受けられるから初見技の様子見には重宝する。これでなんとか倒した。やっぱり経験値は大きい。それだけが唯一の救いね。

 

 でもレーちゃんはもうきついわね。ひんしになるのは最悪だからピーちゃんと入れ替えましょう。攻撃はできるだけタイプをバラしたけど、鋼竜無が等倍ということはおそらく草単一と見て間違いない。

 

 振り返って気になったのはあの“すてみタックル”。あの知らない技と比べても倍近い威力があった気がするけど、あれが未知の技だからなんとも言えない。もしかしたらノーマルタイプもあったのかも……そう思ってしまう程の威力だったけど、ノーマルくさタイプなんて変だし、くさタイプだけなんでしょうね。本当に恐ろしい攻撃力ね。

 

 考えをまとめて先に進むと、今度はとってもちっさくてかわいいポケモンがいた。いきなりきついバトルだったからありがたいわね。これなら倒すまでもなさそう。

 

「ウウウ!」

「あれ、警戒されてる? ごめんね。ここを通るだけだから、おとなしくしててね」

「プーーッッ!」

「きゃあっ!? ちょっと、何するのよっ! “いとをはく”ね。あんまり戦いたくなかったけど、そっちがその気ならいいわ。リューちゃん、“りゅうのいかり”でおしおきして!」

「リュー!!」

「クルゥ……」

 

 あっさりと一撃で倒せちゃった。レベル15もないのかな? ホントに見かけ通り弱いのね。こんなポケモンもいるんだ。ちょっと安心。そのまま通り過ぎようとしたらさっき倒したポケモンが大声で泣き始めた!

 

「クルゥーー!! クルゥーー!!」

「なにこれ!? 耳が痛くなる!!」

(ブルー! 急いで逃げて!)

 

 いきなりボールから出てきてラーちゃんは焦り交じりの声色でテレパシーを送ってきた。たしかにすごい音量だけど焦る程のものじゃない。どうしたっていうの?

 

(わからないんですかっ?! このポケモンは親を呼んでいるんです! 見つかったら怒り狂った母親と戦うことになる! 我が子のために怒るポケモン程怖いものはありません!)

 

 そういうことか! 合点がいき慌てて逃げようとするがすでに遅い。……見つかってしまった!

 

「ハーモッ!!」

(マズイ、下がって!)

 

 いきなり“シザークロス”でわたしに襲いかかってきた。間に入ったラーちゃんが“まもる”で受けてくれたけど、この怒り方は尋常じゃない。

 

「でんじは、つばめがえし」

 

 上手く痺れたところを必中の“つばめがえし”が炸裂。なんとあっさり一撃で倒してしまった。大変なバトルになることを覚悟していたのにこんなに簡単に勝てるなんて。信じられなくて一瞬呆然としてしまった。

 

「ウソ……すっごい! ピーちゃん、あなたさいっこうよっ!!」

「ジョット! ジョッジョ!!」

(おそらくむしタイプに加え、くさタイプもあったのでしょう。この森はむしタイプやくさタイプが多そうです。ピーちゃんはきっと活躍しますよ)

「なるほどね。ジャングルならたしかにそうね。よっし、このままバンバンいくわよ」

 

 この後もピーちゃんとリューちゃんのコンビが機能してサクサク進んでいけた。レーちゃん離脱で暗雲立ち込めるかと思いきや、いきなり救世主登場ね。またあの鹿みたいな奴とか、前回の毒虫みたいなのが来た際にも“つばめがえし”が有効でピーちゃんが雪辱を晴らしてくれた。

 

 でも厄介な敵もどんどん現れた。1番ヤバかったのはかわいい顔して悪戯ばかりするポケモン。“やどりぎのタネ”や“しびれごな”を凄まじい速さで繰り出して邪魔をするだけしまくった後、こっちの攻撃は簡単に全て回避。幸いにもすぐに風に乗ってフワフワどこかへ飛んでいったけど、補助技を使うのが上手過ぎでまともに戦ったら全滅した可能性も否めず冷や汗をかいた。

 

 またある時はモンスターボールと思って触ってみたら実はポケモンで、起こされて怒ってきたポケモンもいた。“キノコのほうし”で簡単に眠らされてヒヤッとすることもあったけど、それを受けたのがリューちゃんで特性だっぴの効果ですぐに起きれたから被害は最小限だった。怖いのは催眠ぐらいなので、あのキノコみたいなやつはくさタイプに耐性があるリューちゃんをメインに対処すればそこまで怖くはないか。

 

 今のところなんとか誰も倒れずに進んでいる。状態異常を直す道具はいくらか消耗し不安になったが、使わないわけにもいかない。何か対策は考えた方がいいかも。探索は日が高くなってきてお昼時になったので、周りから上手く隠れられる場所を見つけて休憩することにした。

 

(ブルー、ここまで来た証として木に印をつけておきましょう。今度もしまた来たらその時にわかるようにしておくのです)

「そうね。じゃあ、1回目の冒険到達点、と。この調子でここからもガンガン進んで行くわよ!」

(ええっ!? ブルー待って! これ以上進むのは危険です。帰りも考えないと。行きしなと違い消耗した中の帰り道は知らない道を進む時とはまた違った危険がある。まだ私達はこの土地のことをよく知らないですし、無理は禁物です)

「でも、こんなに調子がいいなんてそうないわよ。わたし、今日はすごく冴えている気がするの。情報収集も上手くしながら、被害も最小限に留められている。シショーがどうするか必死で考えたら、自然とシショーならこうするっていうのがわかるのよ、今までの経験で。今日ならきっともっと進めるわ!」

 

 本当にわたしはよくやっていると思う。タイプも見たものは全てだいたい絞り込めた。効果的な戦い方もわかりつつある。こっちは慎重に立ち回って戦闘不能による離脱者はゼロ。すぐに攻撃一辺倒になってしまう悪癖も抑えて、今までで1番調子がいい。

 

 それにどうしても先へ先へと進めるだけ進みたい気持ちが強くなっていた。またここまで進めることがあるかは未知数。こんなに調子がいい日はもう来ないかも。なら、進める時にどんどん攻めないとチャンスをみすみす捨てることになる。取り返しのつかないことになって後悔するかもしれない。

 

 色んな気持ちが重なり、ついラーちゃんの言うことに逆らってしまった。でも、ラーちゃんは簡単に折れてはくれなかった。真剣な表情でラーちゃんも食い下がってきた。

 

(ブルー! お願いです、いったん戻りましょう。焦る気持ちはわかりますが無理しないで! ブルーに何かあったら、私は、もう……)

 

 ラーちゃん……! 涙ながらに説得され、さすがに「いいえ」とは言えなかった。ラーちゃんはいつもわたしのことを第一に考えてくれている。そのラーちゃんにここまで言われたら折れるしかない。

 

 でも納得はいかなかった。ラーちゃんはなんでこんなに弱気になるのだろう。わたしが頼りないからなのかな。……昨日の今日だし、そう思われても仕方ないか。

 

 それでもわたしは欲張って、来た道とは別のルートから戻ることにした。またあの親子とかモンスターボールみたいな変なキノコに出くわしたらイヤだと言うと、渋々ラーちゃんも認めてくれた。帰りもピーちゃんとリューちゃんのコンビで快調に進んだ。

 

「順調順調っ! ちょっと日が高くなって暑くなってきたけど、それだけね」

 

 そういえば地球の裏側ならあっちとは季節も違うわけか。これだけ太陽が高いことを踏まえると、季節は夏なのかな。もう1回水着で泳げたりして? シショーが来たらまた一緒にバトルしたいなー。楽しいことを考えてルンルン気分でスキップしていた。するとそんな気分にぴったりのポケモンが出てきた。

 

「あら、また初めて見るポケモンね。うわぁ、すっごいカワイイ! いいなー、ちょっと欲しいかも」

 

 頭に花飾りがついていてドレスを着ているような見た目をしている。目元もクリッとしててベリーキュート。すぐに捕まえたくなったけど、あれは見るからにくさタイプ。同じくさタイプはフーちゃんがいるので諦めた。同じタイプを被らせるのは下の下とシショーに言われていたからね。

 

「ディーアー」

「えっ! もしかしてお辞儀してるの? ヤダー、ホントにカワイイー!」

 

 見とれているとこちらに向かって頭を下げて、見たこともない踊りを始めた。晴れやかな天気だけでなく、ポケモンまでわたし達を祝福してくれているようで、この日、気分は最高潮になっていた。もう気が抜けて頭が真っ白になり、いい気分で一緒にニコニコ笑ってわたしも踊り始めた。しばらく一緒に踊っていると、相手の踊り方が変わってきた。

 

「やだー! おじょーずねー わたしも じょーずに おどれてるー?」

 

 それを見てまたラーちゃんが出てきて警告を飛ばした。

 

(ブルー、様子がおかしいですっ! あのポケモン、能力が上がっていませんか? だんだんあの花踊りの動きも速くなっている……というかブルー、あなた正気ですか?……起きなさい! ブルー!)

「はっ!? だ、大丈夫だから怒らないでっ! い、今の話本当? まさかあれってれっきとした技なの? でも、見たことないわ」

(知らない技なんてさっきまでもたくさんありました。とにかく逃げましょう! あれは危険です!)

 

 いまさらながら自分がどれだけ気が緩んでいたか気づき、一目散に逃げ出した。なんで呑気に踊っていたのよ、どうかしていたわ! 後方を振り返り十分距離を取れていることを確認し、安心だと思ってホッと一息ついて速度を緩め、ふと前に顔を戻せば、いつの間にかさっきのポケモンが先回りして待ち構えていた。驚きで体が硬直した。

 

「うそ、はや…」

 

 はやすぎ、と言い終わる間もなく一筋の光がわたしの横を抜けてリューちゃんに直撃した。完全に気絶している。一瞬の出来事だった。辛うじて“ソーラービーム”を使ったのだと理解はできた。目の前では右へ左へと体を揺らしながらピーちゃんとラーちゃんを品定めしている。急いでリューちゃんをボールに戻し、どうしたらいいか考えた。

 

(そうか、特性です! ブルーがセキチクジムで見たラフレシアと同じ! ひざしがつよいと特性“ようりょくそ”で素早くなり、ソーラービームを連射してくる)

「そういうことか。それにあの踊りで攻撃力、いや、特攻も上がっている。かなりヤバイ!」

 

 迂闊だった! 無邪気にいいお天気を喜んでいる場合じゃなかった! シショーに天候には注意しろと言われたことがある。わたしは何をしているの!

 

「ディアー」

「くっ、まもる!」

 

 次は何? また別の踊りを始めて今度は攻撃してきた。ものすごく速くて強力な攻撃だけど、“まもる”で1回は見れるのが救いね。ラーちゃんもわたしの声に即座に反応してくれた。

 

「ディアー!」

「ジョット!?」

「今度はそっち?! 速過ぎて指示が間に合わない! この不規則な動き、もしかして“はなびらのまい”?!」

 

 要のピーちゃんがあっさり倒れてしまった。一応半減のはずなのに……これだけでも相手の特攻の高さは窺い知れる。

 

「ブルー、“はなびらのまい”は連続で発動する技。しかも使った後必ず混乱します」

「そうよね、だったらその弱点を利用するまでよ。ここはフーちゃん、お願い!」

 

 フーちゃんなら草技は1/4で逆にこっちの“ヘドロばくだん”は効果抜群。特殊勝負ならなおさら有利、フーちゃんの独壇場よ!

 

 壮絶な攻防が始まり、技の撃ち合いになった。合間に“まもる”を挟んで時間稼ぎもしたが、いつまで経っても“はなびらのまい”が終わらない上に混乱もしない。しかも、技の打ち合いで体力の減り方はフーちゃんが押されていて、目に見えて差が出てきた。相性で8倍有利なはずなのに、とても信じられなくて訳がわからなくなっていた。

 

「がんばって! そうだ、ラーちゃんも加勢して!」

(もちろんできれば私も加勢したいですが、フーちゃんの周りを不規則に動くので上手く狙いをつけにくい。同士討ちになりかねません)

「くっ、どうすれば……」

(逃げましょう。ピッピにんぎょうです。これ以上は厳しい。逃げる道具は数が少ないので惜しいとはいえ、ここで全滅しては元も子もありません。ここは出し惜しみせず使うべきです)

 

 悩む暇はない。すぐに言う通りにした。

 

「わかったわ。ポケモンちゃん、これと、遊んでなさい!」

「ディア? ディアーッ!」

 

 ピッピを見つけるとドレディアは大喜びでそれに駆け寄った。良かった。カントーのポケモンだから効果がなかったりしたらどうしようかと思ったけど上手くいったようね。

 

「今よ、フーちゃん逃げるわよ! ラーちゃんも戻って!」

 

 駆け足でその場から逃げた。傍には休んで少し回復したレーちゃんだけ。命からがらの敗走だった。取り戻しかけていた自信もろとも全てブチ壊された。

 

「はぁ、はぁ、とりあえず、これで、なんとか、撒いたわね。助かったわ」

「ハーモッ!」

 

 げ、また出てきた。これはさっきの母親ポケモン! べつの個体でしょうけど、今はピーちゃんがいない。圧勝した分、得ている情報も少ない。このタイミングで裏目なんて!

 

「とりあえずでんじは! そして10まんボルト」

 

 しかし“でんじは”を避けられ、見たこともない攻撃をしてきた。必死の抵抗に見えて大技がきたのかと思わず身構えてしまう。

 

「がんばって耐えて!」

「ジリッ!」

 

 よし、あんまり効いてない。これならゴリ押しでもいける。

 

「10まんボルトよ!」

 

 野生だけあってやはりそこまで賢くないのか、さっきと同じ技ばかり使ってくる。これは助かるわ。でも、こっちの攻撃もあまり効いていないようで、長期戦になってきた。

 

 このポケモン、もしかして防御は低いけど特防は高いのだろうか。レアちゃんはかなり特攻が高いのにここまでダメージが少ないのはいくら半減でもおかしい。

 

「ジリリリリ!」

「ナイス! もう相手もへばっているわね。さすがにもう勝ったかな」

「ハーモッ!!」

 

 わたしも防御と特防の違いが分かるようになってきたかも。これを生かせばかなり優位に勝負できる。そう考えていると、突然力を漲らせて相手が起き上がり、強烈なシザークロスを打ってきた。不意を突かれてレアちゃんは倒れた。

 

「威力が増してる! 何これ、やられかけのポケモンが出す威力じゃないっ。ヤバ、フーちゃん、出て来てヘドロばくだん」

 

 相手がまた接近して“シザークロス”を使ってきた。そこに上手く技を合わせてなんとか倒せた。特殊技なのに1発であっさりと倒れたので少し驚いた。うーん、単に特防が高いというわけでもないようね。やっぱりよくわからないなぁ。でも、考える暇もないので拠点に急いだ。

 

「ブローーーッッッ!」

 

 拠点までかなり近づいたところで今度は最初に見た鹿のようなポケモンに出くわした。こいつなら“あやしいひかり”で簡単に逃げられる。

 

「ラーちゃん、あやしいひかり」

「ラー」

「ブロォォーー!」

「ブロォォーー!」

「新手!? ラーちゃんっ!」

「ラァーッ!」

 

 しまった! いつの間にか前後左右囲まれている! 最初から相手は複数いたのね。最初の奴と合わせて5体か。ここで群れに出くわすなんて! こっちはもう余裕がないし、逃げるしかない。とはいえ簡単に逃走できる状況でもない。周りにも“あやしいひかり”を使わせてみるけどそれでも何匹かはこっちを攻撃してきた。お得意の角を使った攻撃、“メガホーン”だ。

 

「ラァッ!?」

「耐えてっ! れいとうビームよ!」

 

 すごい速さだ。このポケモンも“ようりょくそ”持ちみたい。逃げ切れず、仕方ないのでフーちゃんも出して総力戦になった。恐ろしい速さに翻弄され、フーちゃんはひんし、ラーちゃんも気絶寸前に追い込まれたが、この2体の奮戦でなんとか半分ほど倒した。数が減ったのを見計い、最後はピッピにんぎょうを使って拠点まで逃げた。

 

 逃げて逃げて、なんとか拠点まで無事に辿り着いた。

 

「ふー、助かった。死ぬかと思ったわよ」

「ラー」

 

 テレパシーで答えることもなく、拠点に着いてすぐにぐったりと倒れてラーちゃんは気絶してしまった。

 

「ラーちゃん!! ……くっ! わたしはまた……」

 

 きっとわたしを守るために精神力だけで体を支えていたのだろう。何度も効果抜群の技を受けていたから無理もない。また限界以上に酷使してしまった。ボールの中では回復しないからみんな外に出して今日はまだ明るいけど休むことにした。見張りには温存して残していたソーちゃんに立ってもらった。ソーちゃんに頼んだ後すぐに自分も眠ってしまった。

 




だ~れだ?

感想でみなさんの答えをお待ちしています(笑)


今更ですが鳴き声はもう諦めて雑にしているのでそのつもりで
ゲームの表記を参考にしようにも三鳥が全員「ギャーオ」ってどういうことですか
ミュウツーも鳴き声かわいいですし
ゲームよりはマシだろうと思って割り切りです

ギアナの天候についてですが、赤道辺りなので常夏みたいです。
すてみタックルしてきた鹿はXYとかでは四季がないので春の姿になるそうですがギアナでそれすると変なので夏状態で

新しく出て来たポケモンをまとめておくと

1.鹿みたいなの
2.母親ポケモン(と子供)
3.イタズラしてきたフワフワ
4.モンスターボールきのこ
5.花飾りのヤベー奴

まあポケモンはほぼわかるでしょうが、技は色々ありえるのでわからないかもしれません
ソーラービームとかよく考えたら技マシンなので覚えているのは変だと気づいたんですが気にしないでください

あと特性もそれなりに発動していますね

このペースで探索しているとカントー戻るまで年単位の時間かかりそうです
いったいこの章は何話まで続くのか
同じ展開の繰り返しにはならないように努力します
ただし今までで一番長くなるのは間違いないです

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