――ほかにも、党内でのウイングが広がらなければ活路は開けない。
「広げて自分の立ち位置がわからなくなると困るので、納得しないと広げようがない。同僚議員によると『そこが悪いところ』ですって(笑)。
権力を取らないと政策は実現しない。そうしたリアリズムはわかりますが、権力を取るために自分を見失ったら意味がない。そこの悩みは大きいです。自分は、納得してこの仕事を終えたいと思っているから」
――権力の構図が変わることで党内に新しい風を吹き込む可能性もある。
「そう。自分のためじゃない、次の時代のためなのでしょう。『政策を究めるのだ』というところに逃げ込んでいまいか、という反省は、常にあるんです」
4月25日には、もう1人の総裁候補、前政調会長の岸田文雄の政治決戦となる参院広島再選挙が行われる。石破はいかなる道を選ぶのか。再び注目が集まる局面が近く、やってくる。
(文中一部敬称略)