気になるのは、頂点を目指す可能性に含みを残す石破が、安倍・麻生の主流派と一定の距離を取る幹事長、二階俊博をどう見るのか、という点だ。菅総裁誕生の立役者となった二階だが、昨年6月の段階では国会議員として1期後輩にあたる石破を「期待の星」と持ち上げてみせる一幕もあった。
加えて二階も石破も旧田中派出身。「国土の均衡ある発展」を今も唱える二階と、東京一極集中の是正を唱える石破には「地方振興」を重んじる上で接点はないのか。
――二階さんと結ぶ可能性は?
「昭和の自民党の文化を引き継いでいる政治家として、二階先生の存在は貴重だと思います。総選挙がいつで、総裁選がいつあるか。その局面で、二階先生がどう判断されるのか。その時に『日本国とは』『自民党とは』という議論があった上で、支持する者を決するのかどうか……今はわかりません。
二階先生の『国土の均衡ある発展』と私の考える地方創生は、地方に軸足を置くという意味では共通しますが、概念として違う部分もあります。
地方の雇用と所得を誘致企業と公共事業で創り出す、というのは、大量生産・大量消費の高度経済成長期の成長モデルです。二階先生も『あの頃をもう一度』と考えられているわけではない。民主党政権時代にあまりにも削られてしまったインフラ投資の重要性を強調されているのと、都市とそれ以外でインフラ投資に大きな差があるのは国全体としていびつだ、という思いを前面に出されているのだと思います。
私はこれらに加えて、これまでその潜在力を十二分に発揮してこなかった地方の農業、漁業、林業、サービス業こそが、もっとも伸び代があるということを強調しています。地方が主役となって、内需を掘り起こせる、少量多品種高付加価値型の産業を牽引し、雇用と所得を主体的に生み出して行くことを考えています」