石破茂は「キングメーカー・二階」をどう見ているか…その共通点と大きな違い

5回目の総裁選に挑むのか
広野 真嗣 プロフィール

――菅総裁の任期は9月まで。5回目の総裁選に挑むのか。

「現総裁の任期が来た時に、どうするかという判断はしなければいけないと思っていますが、その時になってみなければ、わかりません。

3年前も、去年も、決して勝ち戦ではなかったが、自民党のためと思って挑みました。『保守の本質はリベラルであるべき』という思いがあったからです。

というとおかしく聞こえるかもしれませんが、『保守』と『リベラル』は本来は対立概念ではないはずなのです。保守とは『大切なものを継承していく』という姿勢。そしてここで私が考えている『リベラル』とは、寛容性のことです。どちらもイデオロギーではありません。

 

祖先を敬い、地域社会を大切する心――こうした本質を守るためには、時代に合わせて部分的に規範を変えていく必要があります。教条的にこの形を守る、という姿勢では、かえって本質を損なってしまう。そのためには、『おかしい』と異論が言える寛容性と、それを受け入れる柔軟性こそが保守の姿勢です。そうでなければ、自民党が自民党でなくなってしまう。

総裁選で問われるべきは、こうした党のあり方と、もう一つは政策的な方向性です。東京一極集中という、もはやサスティナブルでなくなってしまったシステムを構造的に変革すること。極端なグローバル経済への依存や過密な都市社会も変えていく必要がある。食料、エネルギー、サプライチェーンといった経済の基本をなす軸を、内需中心、地域分散型にしていかないといけません」

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