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フジ女子アナ“ステマ”「何が悪いの?」「部長が騒いだせいで」実況中継

「週刊文春」編集部
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“回数”が最多の井上アナ
“回数”が最多の井上アナ

「局は『ステルスマーケティングに該当しない』と主張していますが、いまだにきちんと調査をしているという話は聞こえてこない。アナウンス室のナンバー2、野島卓(たかし)部長(54)が『これはまずい』とインスタグラムの投稿の削除に躍起になり、“隠蔽工作”を続けていることこそ、何よりの証拠になるのですが……」(フジテレビ関係者)

 小誌が先週号で報じたフジテレビ女子アナ7人の“ステマ問題”。ステマとは「消費者に宣伝や広告と気づかれないように行われる宣伝行為」のことである。その一つ「利益提供秘匿型」は、第三者に報酬を支払うなど経済的利益を提供して、SNS等で商品やサービスの掲載を依頼しているにもかかわらず、その事実を広告と表示しない場合を指す。

「7人の女子アナたちは、通っていた美容室A(仮名)とその系列店において、無料でサービスを享受する代わりに、店のインスタに自身の写真の掲載を認め、広告塔の役目を務める行為をしていたのです」(同前)

 その7人とは「めざましテレビ」MCの井上清華アナ(25)、「プライムオンラインTODAY」MCの宮澤智アナ(31)、「めざましどようび」MCの久慈暁子アナ(26)。さらに堤礼実アナ(27)、三上真奈アナ(32)、杉原千尋アナ(25)、海老原優香アナ(27)である。

井上アナ(店のインスタより)
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宮澤アナ(店のインスタより)

 彼女たちは報道番組でニュースを読む立場でもあるのだが、「コンプライアンスの理解すらしていなかった」(同前)という。

「発覚後も『何が悪いの?』『だって、みんなやってるじゃないですか』と悪びれる様子がなかったといいます。だからこそ、井上が簡単に“自白”した後、お互いを密告しあってメンバーが増えていった」(同前)

 小誌発売日の4月15日、フジは「バイキングMORE」で、伊藤利尋アナ(48)が「お騒がせして申し訳ない」と謝罪するも、「ステマに該当する行為はない」とする社の見解を示した。

「バイキングMORE」で謝罪する伊藤アナ

 さらに4月18日の「ワイドナショー」では、山﨑夕貴アナ(33)が再び社の見解を強調。コメンテーターの松本人志は「バランスをとってフジテレビが悪い」と笑いに変えていた。

 情報番組関係者は明かす。

「1人の女子アナの問題なら解決を急ぐ場合が多いが、今回はエース級の不祥事だけでなく、関わっている女子アナの人数が多すぎる。上層部も頭を抱えていて、“守る”以外の選択肢が見当たらない。このまま社内で円満に終わらせるしかなく、風化を待っている状況です」

 そんな局の葛藤をよそに、女子アナの間ではこんな会話が飛び交っていたという。一部を“実況中継”しよう。

「大した話ではないのに、何でこんなことに……」

「美容室の代表との個人的なやりとりで納まったはず。(美容室に)お金を払うこともなく、インスタが削除されたらそれで終わり」

「野島さんが余計な事をして勝手に騒いだせいで、大ごとになった」

 反省するどころか、怒りの矛先は、あろうことか野島部長に向かっていたのだ。この「余計な事」とは何か。

「野島さんが彼女たちからお金を集め、美容室Aに10万円のギフトカードを渡してインスタの削除を求めるという“隠蔽工作”を企てたのです。野島さんは直接、美容室を訪れて交渉しています」(前出・フジ関係者)

 美容室Aの関係者はこう打ち明ける。

「女子アナたちには無料でサービスをしていましたよ。本来ならカット、カラー、トリートメントで、1回2万円ぐらいです」

 そんな中、小誌には別のフジ関係者から新たな内部情報がもたらされた。5人の女子アナが美容室Aと系列のネイルサロン&マツエクの店に通った回数である。

 その内訳は、次世代エースの井上が断トツ1位で、美容室30回・ネイル&マツエク15回の合計45回。トータルの金額は約90万円にも上る。以下、2位は堤でそれぞれ11回・7回。3位は三上で3回・12回。4位の杉原は12回・0回。ラストを飾るのは久慈で1回・1回だ。確かに久慈は先週、小誌の直撃に「(美容室は)1回だけ」と答えている。

解決より“犯人探し”に躍起

 あくまで自己申告の回数だが、すべて足すと92回。他に宮澤や海老原の分を合わせると数十回だというから、7人で優に100回を超える計算となり、総額200万円は下らない。

「数百万のサービスに対して渡そうとしている10万円は少ないが、その負担額の割り振りは、自己申告の回数に応じて野島さんが決めるので、少なく申請するほうがお得。みんなそれっぽく減らしているが、各々の頻度を把握しているため、嘘は言いづらく、“チキンレース”と化していた。ただ、久慈の『1回』という答えに周囲は『やりすぎ』とドン引き、失笑しているとか」(前出・情報番組関係者)

 さらにここにきて、アナウンス室の風向きが変わる。野島部長を中心に「打倒文春!」という結束が芽生え始めたというのだ。

「野島さんの陰口を叩いていた女子アナたちも、今のピンチに団結し始め、奇しくも雨降って地固まるの様相に。問題を解決するのが先なのに、どこから漏れたのかという“犯人探し”に躍起になっているそうです」(前出・フジ関係者)

 4月16日、野島部長が再び動き出した。午前11時頃、渋谷区にある芸能人やモデル御用達で、ストレッチを売りにしたジムへ向かう。ダークスーツに身を包み、片手には手土産。裏路地で関係者と合流すると、周囲を警戒しながら店内へと消えた。実はこのジム、久慈が無料で通い、インスタにも登場しているのだ。

久慈アナ
ジムのインスタ

「学生時代にモデルをしていた天然キャラの久慈に、野島さんは『(インスタを)消せばいいんだよ』と甘い顔をしていた。彼女のために美容室同様、交渉に行ったとみられます」(同前)

 5分後、店を後にした野島部長は、途中何度か振り返りながら、最寄り駅まで歩いて電車に乗り込んだ。

野島部長

「女子アナたちには以前よりも厳しい緘口令が敷かれ、メールや社内での言動が漏れないように、電話でのやり取りを徹底。直撃取材を避けさせるため、移動はタクシーを使うように指示も出ている」(同前)

 野島部長を電話で直撃。

――4月16日にジムに行かれたが、その目的は?

「そういったことは、広報を通していただけますか」

――野島部長もステマではないというご見解ですか。

「社の見解と同じです」

 なお、野島部長の訪問後、久慈が載るジムのインスタ投稿は削除されている。

 元BPO委員でメディア法が専門の服部孝章・立教大学名誉教授は、フジの姿勢についてこう指摘する。

「女性アナウンサーたちは、タレントではなく会社に所属する組織人。特権として美容室などの“タダのり”が存在してきたのかもしれないが、一般の人たちには理解を得られないだろう。アナウンサーにもフジテレビという組織にも、免許事業である放送事業者としての自覚がなさすぎます」

 フジテレビ広報に詳細な質問状を送ったところ、回答は以下の通りだった。

「弊社の見解は前回お答えした通りですが、現在、確認作業を続けている最中ですので、事実関係の詳細等については、回答を控えさせていただきます」

 今後、フジ女子アナの髪型がどう変わるか要注目だ。

source : 週刊文春 2021年4月29日号

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