北海道帯広市で行われているばんえい競馬で21日、騎手が競走馬の顔を蹴るシーンが動画で拡散し、SNSで批判が集中し、主催者と当事者が説明と謝罪をする事態になった。問題となったのは18日に帯広競馬場で行われた、デビュー前の2歳馬の能力検査。実際にソリを引くレース形式で実施されるが、障害を越えられずうずくまる2歳牝馬の顔を、騎乗していた鈴木恵介騎手が2度蹴った。主催者側では同日の全21レースの映像を公開しそのなかに問題のシーンも含まれており、虐待だと批判された。鈴木騎手は通算2915勝を挙げている。主催する帯広市には18日から数件の抗議があり、同騎手に映像を見せ注意していた。ツイッターなどで映像が広がった21日は抗議が一気に増えたという。同市では21日夜、公式HPで事情説明と、厳重注意し戒告処分としたことを報告。同騎手から21年度開幕の23日から当面、騎乗自粛の申し出があり受理した。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

公式HPに掲載された「第1回能力検査における出走馬への不適切な対応について」の文面(原文まま)

北海道帯広市が主催するばんえい競馬で、2021年4月18日(日)帯広競馬場にて実施しました「令和3年度第1回能力検査」第18競走において、鈴木恵介騎手が出走馬(ドウナンヒメ号)を蹴る事案が発生いたしました。

状況は、出走馬が第2障害を越えられず結果として競走中止となりましたが、座り込んでしまったため、起き上げようと手綱を引く等の対処をしていましたが、起き上げることが出来ないでいたため、馬の顔を蹴るという行為に至ってしまったものです。

このことは、全国のばんえい競馬を応援していただいているファンの方をはじめ、レースの映像をご覧になった全ての方に不快な思いと不信を招く行為であり、如何なる理由であれ、出走馬を蹴るということは認められず、主催者といたしましては、当日本人に対し厳重注意を行ったうえで戒告処分といたしました。

なお、鈴木騎手は今回の事態を重く受け止め、深く反省しており、また、本人より「令和3年度ばんえい競馬第1回開催」(令和3年4月23日から)から当面の間の騎乗自粛の申し出があり、受理いたしました。

今後、この様な事案が発生しないよう、騎手をはじめ厩舎関係者に対しまして、今まで以上に厳しく指導を図ってまいります。

帯広市ばんえい競馬 開催執務委員長 佐藤徹也

  1. ひと足早く2021年2歳馬特集公開
  2. 有料版極ウマ・プレミアムの魅力!