需要消失の「機内食」が駅売り弁当に転身 航空品質の安全と味、完売も

2021年4月20日 11:00
 新型コロナの影響が長期化し、依然、深刻な航空業界。雲の上の楽しみ「機内食」は行き場を失っていますが、今では電車で運ばれ、地上で楽しめるようになっています。

空の旅の楽しみ「機内食」は今

 雲の上の楽しみと言えば、機内食。

 旅の醍醐味も新型コロナの影響で久しくお目にかかっていません。

 国と国をまたぐ国際線は、今もほとんど飛んでおらず、長距離便で機内食を楽しむという状況に戻るのはもう少し先になりそうです。
 

名古屋エアケータリング

国際線ストップで収入は99%減、経営危機に直面している機内食会社
 中部空港の敷地内にある、機内食をつくる会社です。

 多い時で1日6千食の機内食をつくり、中部空港発の様々な国の航空会社で提供されてきました。

 しかし、国際線がストップした今では100食ほどしか作っていません。

 「国際線の機内食の収入はコロナ禍前から99%減。弊社は国際線の機内食をメインで作っているので、減便している以上、機内食も提供の数や機会がかなり激減しているという状況です」(名古屋エアケータリング 内藤杏さん)

 以前は食べ物がずらりと並んでいた冷蔵庫も今は空っぽ。

 事態は長期化し、会社設立以来、最大の経営危機を迎えています。
 

収入減も弁当に活路

「航空品質」のお弁当で活路を
 そんな中、活路を求めたのが弁当としての販売です。

 機内食と同じ食材が用いられた弁当は、自慢の「航空品質」。

 高い技術を持った従業員が、機内食基準の衛生管理で調理しています。

 「機内食を作る工程は厳しい衛生基準があるんですけど、お弁当やサンドイッチも同じ工程を経て作っているので、皆様に安心安全の食事を届けられると思っています」(名古屋エアケータリング 内藤杏さん)

 この日に販売する弁当が完成しました。

 2020年12月から名古屋の神宮前駅で販売しています。
 

電車で運ばれる機内食

「機内食」が「電車」でお客様の元へ、地元食材で生産者も支援
 駅構内の店を切り盛りするのは、機内食を飛行機に運搬していた職員たちです。

 「接客は今までの業務ではやったことないので、新しい仕事です」(名古屋エアケータリング 神山直哉さん)
 

「蛸飯と春の味覚弁当」(1080円)

 新型コロナで行き場を失い、弁当に姿を変えて名古屋の駅で売られている「機内食」。

 この日のメニューは、愛知県産のタコを使った「蛸飯と春の味覚弁当」。

 「カレイの照り焼き」や「菜の花」といった春を感じられる食材が盛りだくさんです。

 地元・愛知の食材を使うことで、生産者の生活を守ることにもつながっています。
 

牛フィレステーキサンド(980円 4月の販売はなし)

手ごろな高級感で衛生的、メニューも月変わり 口コミで広がる「機内食」
 こちらの大きな牛肉が挟まった「牛フィレステーキサンド」には、「ビジネスクラス」の機内食と同じ牛肉が使われています。

 時間が経っても牛肉をおいしく食べられるよう、低温でじっくり加熱する機内食のノウハウが生かされた方法で調理されています。

 仕事帰りに立ち寄って購入する人など、機内食弁当が次々と売れていきます。

 都心のオフィス街や熱田神宮にもほど近い神宮前駅は、仕事や買い物、お参りなど、様々な目的を持った人が行き交います。

 手ごろな割に高級感もあり、「航空品質」で衛生的と、いつしか口コミで広がり完売するほどの人気になっています。

 また、航空会社ごとに多彩なメニューが楽しめるのも機内食の特徴の一つ。

 月ごとにメニューが変わるのが人気のひみつです。

 「旅行に行けないご時世だからこそ、食事だけでも旅行気分を味わってもらえればと思っています。今回買ってもらったお客さんには、コロナが収束して飛行機で機内食を食べる際には、弊社のことを思い出してもらえればと思っています」(名古屋エアケータリング 内藤杏さん)

(4月19日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)
 

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