ジャパンライフの残資産は4億円 顧客への配当難しく

(更新)

磁気治療器などの預託商法を展開していたジャパンライフ(東京、破産手続き中)の第1回の債権者集会が12日、東京都内で開かれた。同社は全国で約7千人の顧客を抱え、負債総額は約2400億円に上る。どの程度配当されるか破産手続きの行方が注目され、会場には多くの債権者らが足を運んだ。

ジャパンライフの債権者集会へ向かう顧客ら(12日、東京都港区)

警視庁などは特定商取引法違反容疑(不実の告知)を視野に捜査を進める方針だ。

債権者集会は破産手続きが係属する東京地裁の管理下で開かれた。終了後、記者会見した被害対策弁護団によると、同社の資産は不動産を売却しても最大で4億~5億円。顧客の債権より弁済が優先される従業員への未払い給与などが約10億円に上り、顧客への配当は厳しい状況だという。

債権者集会にはジャパンライフの元会長、山口隆祥氏も出席し、冒頭で謝罪した。しかし、弁護団からの質問には「顧客の健康を守るために努力していた。契約者だっていい思いをした」と発言し、裁判長に制止される場面もあったという。

ジャパンライフは1975年設立。顧客に磁石を埋め込んだネックレスや健康補助食品などの購入を勧め、同社を介して別の顧客にレンタルすれば年6%の収入が得られるとする預託商法を展開した。新しい顧客を勧誘すれば配当が増える仕組みがあり、消費者庁は連鎖販売取引(マルチ商法)と認定していた。

同社は2017年3月期末には338億円の債務超過に転落。その事実を隠して顧客の勧誘を続けていたとされる。

警視庁は、既に同社の破産管財人から関係資料の提出を受けた。今後、顧客が多く住む愛知県警など各地の警察当局と連携し、特商法違反などの疑いで捜査を進める。

同社は、特商法や特定商品預託法に違反しているとして16年12月以降、消費者庁から4回の一部業務停止命令を受けた。17年12月に事実上の経営破綻となり、今年3月に東京地裁が破産手続きの開始を決定した。

同社を巡っては、愛知県の被害対策弁護団が17年12月、同社や経営者らについて特商法違反や詐欺などの疑いで愛知県警に告発状を提出したほか、契約者が損害賠償を求めて同社側を提訴する動きが全国で相次いでいる。

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