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大阪では軽症中等症の病院も限界「重症化しても転院先ない」「増床後さらに増床依頼」
更新:2021/04/14 18:47
大阪市此花区にある大阪暁明館病院で4月9日に撮影された映像です。スタッフ4人がかりで1人の新型コロナウイルス患者を陰圧設備のある病室へと移しています。この病院では去年11月から外科病棟をまるごとコロナ病棟に転用して新型コロナウイルスの軽症・中等症患者を受け入れてきました。これまで12床を運用していましたが、患者の1人が重症化したといいます。
(大阪暁明館病院・法人本部長 西岡崇浩さん)
「挿管をすることでの呼吸器管理に切り替えたので、軽症・中等症の患者の対応の中に重症化した患者への対応が混ざってしまって」
軽症・中等症患者が重症化すれば、本来は別の病院に移して治療を行いますが、転院先が見つからない事態に。4月13日の夜まで院内で治療することを余儀なくされ、その間、軽症・中等症の新規患者の受け入れはストップしました。
(大阪暁明館病院・法人本部長 西岡崇浩さん)
「1人が重症化して、そこにバーっとマンパワーが行くと、どうしても軽症・中等症患者に手が回らなくなる。転院搬送の要請をかけていたのですけれども、正直、数字(重症病床使用率)を見ていると『これは搬送先がないな』という環境ではありますので。新規の受け入れを一時的に停止せざるを得なくなりました。(Q重症者を5日間診なければならなかったのは心理的な負担もかなりあったのでは?)やっぱり技術と物、あとは人の配置の数が突然崩れることになるので、やはり職員にもだいぶ負荷がかかっているかなと」
こうした非常事態の中でも、この病院では4月12日から大阪府の要請に応じて、軽症・中等症患者の病床を5床増やしました。ただし大阪府からは「さらに4床増やせないか」と追加の要請が来ているといいます。
(大阪暁明館病院・法人本部長 西岡崇浩さん)
「“5床追加で17床にしてください”という話になった時には、一般の病床をつぶして、そこから人を捻出して、何とか人を確保しているんです。現時点では人員的にはここが上限のような環境になっていますので。さらに4床と言われると、かなり厳しい環境にある」