骨と卵   作:すごろく

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どうも、作者です。

桜が満開になりました。
そろそろ新刊が読みたいですねぇ。

春アニメも始まりますね。
楽しみにしているのはありますか?

今回は春がやって来た、あの2人からお話が始まります。

でわ、ごゆっくりお楽しみください。



その31 緊張感。

「少しイイかな?」

会議も終わり鈴木たちが村へ帰ろうとした時、キーノはモジモジしながらパンドラズアクターに声を掛けた。

「父上、宜しいですか?」

パンドラズアクターは少し遠慮がちに言った。

「ん?別に構わんが」

鈴木は不思議そうに息子を見たが薔薇の面々は何かを察した様に頷き合っていた。

キーノはパンドラズアクターを部屋の外に誘い2人は出て行った。

「何なのあの2人?」

「デキてんだよ」ガガーランが応える。

「何が?」

「男と女がデキてるって言ったら恋仲に決まってるだろう」

ジルクニフが呆れた様に言う。

「えー!?まさか!」

「息子だろ?まさかじゃないよ、全く」

「そうよ、前に変なゴロツキやっつけた後、キーノのはしゃぎっぷりはスゴかったんだから」

「ラキュースまで、、、」

「サトル様、ニブ過ぎにも程がありますよ?」

「おいおい、ラナーもか」

「「・・・」」

「なんも言わんのかいっ!」

「良いじゃないか、サトルもそろそろ息子離れしろ」

「しかしなぁ、あのアクターが、、、まだ信じられん」

(だって俺が作ったんだぜ?誰かさんじゃあるまいしロリ趣味なんてねーし)

 

そこへ2人が戻って来る。

 

「なんだその、、、話は済んだのか?」ぎこちない鈴木。

薔薇は生暖かくキーノを迎える。

「・・・うん。済んだ」

そう短く答えるとキーノはチラッとパンドラズアクターを見た。

「さあ!父上!帰りましょう!」

(うわ!スゲーテンション高い!マジかよ、、、)

「そ、そうか、良かったな。じゃ、じゃあ帰ろうか」

(なんで俺が慌ててるんだよ!)

「では、参りましょうか」

「え?爺さん村へ戻るの?」

「アイテムを頂きませんと」

「ブレないなぁ。いいの?ジル」

「言ったろう?言い出したら聞かん」

3人はゲートを潜り村へ帰って行った。

 

ーーーーー

 

「もう!一旦話を持って帰るって約束じゃないですか!」

エンリは頬を膨らませて抗議した。

「いや、だって、流れって言うかノリってあるじゃないか。俺は行かない事になったんだし、ポーションも買ってくれるって話だぞ?」

「ガゼフさん達の事はどうするんです?本人の了承も無しに決めちゃって!」

「俺は別にいいぜ。手当も出るんだろ?」

「そうよね、ガゼフだけだと嫌だったけど一緒ならいいよ」

「俺もいいぜ。村には世話になりっぱなしだったし多少は金を入れられる」

「な?」

「な?じゃない!もう!揃いも揃って戦闘狂ですか!?」

「ハハ、エンリは心配性なんだよ。3人にはちゃーんと装備も整えるしアイテムも持たすから」

「儂にも」

「お爺さんは黙ってて!」

「ハイ」

「ハァ、、、決まったんなら仕方ないですね。でも今度だけですよ?村の人を出す時はちゃんと相談して下さいね」

「おーけー、約束する」

ブレインは思った。

この娘は魔王にも一歩も退かない。それどころか押している。恐るべし。

 

ーーーーー

 

「と言う訳で、今夜は壮行会を始めます♪」

 

エンリの掛け声で宴は始まった。

「嬉しいけどよ。なんか宴会多くないか?」

ブレインは隣のガゼフに声をかけた。

「なんか爺さんが皇帝から支度金貰ってきたらしい」

「それで村長の機嫌良くなったんだな」

「そーゆー事」

「ちょっと待って。宴会の前に4人に先に渡す物がある」

鈴木はゴソゴソと袋から道具を出し始めた。

フールーダの瞳が輝く。

「先ず。ガゼフとクーレとブレインな。超魔化した武具と武器、それと耐性向上と能力向上の指輪。合わせると今のお前たちの軽く倍には成る。そんで爺さんには魔法特化の指輪。

今6位だっけ?3レベルは上がるよ?火と雷、それと氷に風。それと魔法と物理攻撃用の50%カットの指輪。だからレベル3までは無効になっちゃう。」

4人には目がまんまるになる。

「コレ。俺たち世界最強じゃね?」

「なんでこんなのホイホイ持ってるの?」

「スゲーぞ!この指輪!付けただけで体の芯から力が湧いてくる!」

「おお!おお!凄まじいですな!これを頂けるとは!」

「いや、貸すだけだからね。どさくさに紛れて何言ってんの。あ、そうだ、おーい!ツアレ」

「はーい、呼びました?」

「リーダー級の冒険者や兵士に貸し出すアイテムのリスト作っといて。誰に何貸したか忘れちゃうから」

「りょーかいでーす」

「まだ、お持ちなんですか?」

クーレがビックリして聞く。

「うん。中途半端に20%アップとか耐性つく指輪とか戦士でもファイヤボールとかライトニング撃てるとかの指輪。所謂、ハズレアイテムっての。カンストしてるから各々99個はあるはず」

(そーなんだよなぁ。まー大体がハズレだから貯まる貯まる。俺、そんなのでも捨てられない性分だし)

「皇帝もまさかこれ程のアイテムとは思っていないだろうなぁ」

ブレインがしみじみ言う。

「ジルの予想は越えておる。この儂とてまさかこれ程の物がこの様な数で出るとは。末端の指輪とて国宝級、ただ恐れ入るばかりじゃ」

「そうそうアクター。薔薇のメンバーにもガゼフたち並みなのは貸すから。特にキーノとやらには特別なのを用意する」

「父上、、、」

「言うな。全てを語れば言葉が安くなる」

ガゼフたちは何か分からずキョトンとしている。

「さぁ!待たせたな。宴を始めよう!」

 

ーーーーー

 

「聞いたか?ローブル聖王国でデカいイベントがあるそうだぞ」

「ああ、なんでもドリームチームと一緒にやるって話だろ?」

「そうそう。蒼の薔薇が我こそはっての募集してるてよ、手当ても破格だって」

「でも雑魚が混じらない様に入団テストあるって?」

「んなモノは俺らにとっちゃ屁みたいなもんだべ?」

「違ぇねぇ、いっちょ稼ぎに行くか!」

最近仕事がメッキリ減った冒険者組合では、この話で持ちきりだった。

それと同時に帝国のワーカー仲間の間でも同様の話が流れていた。

「ちょっと聞いた?ヘッケラン。今度のイベントの主催者はカルネ村って所らしいわよ」

「カルネ村?聞かねーなー。イミーナの聞き間違いじゃねーのか?」

「それは聞き間違いじゃないと思う。私も確かにカルネ村と聞いた。」

「ロバーもかよ。それで何すんだ?」

「亜人連合からローブルを救う、人助けだ」

「報酬はイイのか?」

「かなり出るそうよ。それも実力に見合った報酬だって」

「一律じゃないって事か。面白れぇ、やってやるか!結婚資金も要る事だしな!」

「「了解」」

 

ーーーーー

 

「テメーら他の奴等に遅れ取んじゃねーぞ!」

「イグヴァルジさん、スゲー気合いですね」

「当たり前ぇーよ!あの赤い彗星さんとまた戦場でご一緒出来るんだ。若いモンはよーく見とけよ、あれが戦いってもんだ」

イグヴァルジはエランテル墓地事件以来、すっかりパンドラズアクターに魅了されていた。

「ハン!ヌクヌクと組合に保護された冒険者どもが笑わせる!根無草のワーカーの底力を見せてやるぜ!」

帝国ワーカーチームも対抗心を露わにしながら己の装備を点検する。

「なんか皆んな凄いですね」

「気遅れするな!我らがガゼフ隊長も参戦だと聞いている、恥をかかせるなよ!」

王国戦士団も元隊長参戦を聞いて気合十分だ。

「これは大層な事になりそうですね」

「我ら四騎士全員に出動命令だ。陛下に余程の思惑があるんだろうよ」

「何でもカルネ村ドリームチームとか」

「でも今回サトル様は不参加でしょ?」

帝国四騎士は今回参戦の戦士たちのキャンプを見渡しながら話をしていた。

「それでフールーダ様は?」

「カルカ女王に謁見しに行っている。何でもラナー元王女と竜王国女王も一緒らしい」

「何故、竜王国が?」

「さあ?詳しい事は聞いてない。サトル様絡みじゃないか?」

「大した人脈だ」

「だな。聞いた事がない。しかし我らはジルクニフ陛下に恥をかかせる訳にはいかん。しっかり戦果をあげて帰るぞ」

「「「はっ!」」」

 

ーーーーー

 

「カルカ様、皆様がお待ちです。」

ローブル宮殿謁見の間には既にフールーダを始めとする面々が顔を揃えていた。

「わかりました。今から参ります。」

カルカはカストディオ姉妹に合図をして私室を出る。

 

「カルカべサーレス陛下の御成です。」

一同膝を折る。

「どうぞ楽にして下さい。今回は私どもの救援依頼にこうして御足労頂いたのです。畏まる必要はありません。」

「お久しゅうございます。この度はジルクニフ皇帝の名代として参りました。」

「おお。フールーダ殿、お元気そうでなにより。ジルクニフ皇帝にはなんとお礼を申して良いやら」

「初めまして、神官団団長をしておりますケラルトカストディオと申します。フールーダ様のお噂は予々」

「おい、爺さん有名人だな」

ブレインは隣のガゼフに言う。

「お前、声がデカい!魔法を使う者で爺さん知らんのはモグリだって言ってたぞ」

「本人が?」呆れるブレイン。

「なんにせよコレだけのメンバーが一堂に会するのは異例ね」

「クーレがそう言うんだからそうなんだろうな」

「其方は確か、ラナー姫?」

「お初にお目にかかります。リエスティーゼの元第三王女ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフでございます。」

「良く一息で言えるな!」

「だから声が大きいって!そりゃ自分の名前だから言えるだろうよ」

「失礼ながらそのお方は?」

「妾は竜王国で女王をしておるドラウディロン・オーリウクルスじゃ。縁あって参った、宜しく頼む。」

「ブレねーな!あの人。けど何でついて来たんだ?」

「サトル様の話じゃ暇なんですって。それで変に村に居残られても相手しないと煩いから連れて行ってくれって」

「なんだか迷惑な女王様だな」

「それでその、、、珍しい服を着た、、、」

「お待たせしました。我が名はパンドラズアクター。偉大なる至高の我が父サトルスズキの命を受け今回の作戦に参加致します。どうぞお見知り置きを。」

「参戦するのか!?」

「お前いい加減にしろ!声がデカい!ほら、例の薔薇のちびっ子居たろ?あの子が心配だからってサトルに直接頼んだそうだ。だから今回は人間に化けてる。」

「便利だな、、、惚れてんのか?」

「村長の話だとかなり良い仲だって。お互いに伝言で話してるって言ってたぞ。お!いよいよだ」

「では、、、その、、、特攻野郎Kチーム、、、でしたっけ?」

「なんで女の私が居るのに"野郎"なのよ」

「仕方ないだろ。サトルがそう名乗れって聞かないんだから」

「しかもKってカルカ村のKなんだろ?」

「ダサいわぁ〜、サイアク〜」

「えーと、何か問題でも?」

「いえ!失礼しました!俺、いや、私は元リエスティーゼ王国戦士長ガゼフストロノーフ、そして妻のクレマンティーヌと剣友のブレインアングラウスです。」

「何!?あのガゼフストロノーフとブレインアングラウスだと!」レメディオスが声を上げる。

「流石、旦那様。有名人ね♡」

「まーな」

「なんなんだ?この夫婦、緊張感なさすぎだろ」

「「五月蝿い」」

「むう、奥方からも並々ならぬオーラを感じる。どうだ?ガゼフ殿、一度手合わせ願えぬか?」

「レメディオス。失礼ですよ、控えなさい。」

カルカが嗜める。

「しかしこれ程の使い手と中々出会えぬのだ、、、」

諦めきれないレメディオス。

「分かりました。軽くなら、お相手しましょう。」

「本当か!?辱い、感謝する。」

子供の様に喜ぶレメディオスにケラルトは呆れる。

「姉は剣術の事になるとこうなのです。御無礼お許し下さい」

「ハハ、似た様なものですよ。お気になさらず」

「それでは詳しい作戦などは夕食の折にでも帝国の四騎士殿たちや蒼の薔薇さんたちも交えてという事でよろしいですか?」

「承知いたしました。」フールーダが代表して返答する。

 

「ではそれまでお部屋でお寛ぎ下さい」

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。

キーノちゃん、カワイイですよねぇ。
作者の所ではパンドラズアクターさんと仲良くなってもらいます。
お似合いだと思うのですよ。

このローブル編は断片的に楽しいエピソードが思いつくのですが、繋がらないのです。
困ってます。(笑)

どーしよーかなぁ、、、。

あ、そうそう。
お気に入りや栞、誤字報告など
いつもありがとうございます。
嬉しいです。

じゃあまた、よろしくお願いします。
ありがとうございました。

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