ブログ内の用語解説
仮処分とは何か
2ちゃんねるへの開示請求は地裁による「仮処分命令」の発行により行われました。「仮処分命令」とは何か簡単に説明します。
- 「このような訴訟を起こしたい」と裁判所に訴える→
- 裁判官は訴訟内容を確認し訴えの可否を決める→
- 訴訟可能であれば「仮処分命令」を発行→
- 代理人は2ちゃんに地裁命令の報告をする
一説では裁判所は簡単に「仮処分命令」を出すと思われているようですが、それ以前に個人訴訟の場合、原告は代理人探しをしなくてはいけません。
代理人にも様々な人がいますが、いくら原告が訴えたくても勝算が低すぎる依頼は普通に断られます。
私も今の訴訟の前に、別の弁護士に相談した際には決め手となる書き込みがないとして断られました。*1
債権者集会で、代理人と裁判官の審尋が行われ、原告の陳述から仮処分に相当するかどうかを判断され、訴訟に充当する内容を確認します。
法の適用範囲外と裁判官が判断すれば、仮処分は発行されません。出してもらえたのは「極めて悪質」と判断されたからです。
「仮処分」と呼ぶのは裁判所が命令を出した時点ではあくまで「裁判所が勝手に決めた」命令です。法律では仮処分に対し、被告に異議を唱える権利があります。被告が命令を拒否した場合、発行から14日以内に裁判所に申立をします。
14日以内に被告が申立を行わなければ「仮処分」ではなく「命令」に変わります。
私の場合、14日を経過しても2ちゃんねるからの申立てがなかったため、IP開示されました。
発信者情報開示請求と意見照会
「発信者情報開示請求」は手元にあるIPをもとにプロバイダ側に、顧客情報を開示するよう請求することです。ここで一度、プロバイダを相手に訴訟を起こします。
プロバイダ側はログと照らし合わせた結果、発信者を割り出し本人に「開示請求がきていますが、個人情報を相手にお伝えしていいですか」と意思確認をします。それを「意見照会」と呼びます。
しかし、書き込み内容に明らかな違法性や犯罪性が認められる場合、書きこんだ側が「開示しないでくれ」と訴えても、最終判断はプロバイダにあります。
私の場合、プロバイダから訴訟を取り下げてほしいと連絡があったため、不戦勝で開示されました。
開示は必ずされるのか
参考になるかもしれない記事の引用です。私が見る限り信用できる情報だと思います。
Q.
2chの仮処分屋さんなの?現状100%勝てるから、削除代行屋としてはボロい商売だよね
A.
そうとは限らない。権利侵害が弱い場合や証拠が足りない場合は裁判官から取り下げを指示されるし、目録の一部に取り消し線を入れられることもあり。
Q.
ネット上でハンドルネームで活動している人をボロクソにネット上で批判すると名誉毀損になりますか?
ハンドルネームで活動していても、その人の本名などが事実上判明しているかどうかで違ってくるんでしょうか
A.
ハンドルネームの同定可能性という論点があります。ハンドルをぼろくそに書いても、そのハンドルの人がリアルに誰なのか分からないと名誉権侵害にならない、というような方向性です。たしか。
Q.
先生が開示させたのは、どのくらいの割合で裁判になってますか?
A.
IPが出たけど開示訴訟をしないケーストップ10
- 依頼者の意向
- 費用的な問題
- プロバイダのログ保存期間切れ
- ログが元々ないプロバイダ
- 日本のプロバイダじゃない
- 匿名プロクシ
- あとは警察に任せた
- あとは別の弁護士に任せた
- しばらく様子見
- 固定IPだった
見せしめでIP開示するってことはないね。見せしめるくらいなら開示訴訟したほうが目的には適う。
半年たって意見照会が来なければ↑のどれかだったのだろうと思ってもらえればおk
すべて「ネットイナゴの狂気と病巣」内、「IT弁護士Q&Aまとめ」(現在記事削除済)」より引用しました。
書き込みについて
このブログで扱っている「名誉毀損」、書き込みの「前科一犯」「脅迫」といった言葉についてです。「名誉毀損」についてははてなキーワードからも辿っていただける通りです。
該当の書き込み内容は以下の通り。
ブログ主の商業用ペンネーム、
同人およびもう一つの商業用ペンネーム、
同人サークル名、
非公開の出身大学名を併記したのち
前科一犯(窃盗)
twitterの元フォロワーへの粘着行為及び一方的に相手を悪者に仕立てるtogetterまとめを作成
諫言した別のフォロワーに多数の罵倒メールを送りつける
これらの行動が炎上し、2ちゃんねるでも話題になると
複数のフォロワーを根拠なく晒し犯と決めつけ名指しで脅迫するサイトを作成、公開
上記書き込みの違法性について法律の観点から簡単に解説します。
脅迫の法定義
「脅迫」についてですが、これは私が質問文書を送った全員がテンパったあげく、そのうちの一人が文書のURLを2ちゃんに貼り、それを読んだ名無したちが勝手に「脅迫」とわめいただけです。
「脅迫」の定義は以下の通りです。「害悪告知」はしてないので「脅迫」ではありません。
Q.
ある人は「被害者側が恐怖を感じれば、それだけで脅迫罪は成立する」といいます。
これでは、被害者(?)の前でため息をついたり、キッと睨んだり、ひそひそ話をしているだけで「その行為に非常に恐怖を感じる。私へ危害を加える意図を感じる。だから脅迫罪だ!」となってしまうので、それは間違いだと思うのですが。
詳しい方、正解を教えてください。
A.
脅迫罪は脅すことですが、その内容には「危害(害悪告知)」「名誉」「生命」に害を加えるということが必要となります。強要罪は、する義務が無いのを承知で、自分に有利とするためにしないと、○○をするぞ(○○は害悪告知)と脅して強制的にさせること、又は、相手の権利を妨害したりすることで成立はします。
>被害者側が恐怖を感じれば、それだけで脅迫罪は成立する
上記は、間違いではありませんが恐怖を感じるのではなく「害悪告知」があるかで変わります。
>もし、何らかのトラブルで相手が「一見強面」と仮定して、それで恐怖を感じたら脅迫罪になりますか?
答えはNOです。
前科の法定義
「前科一犯」について。私がかなり前に非公開のツイッターで発言した自転車泥棒の件についてジョークを交えて書いたら専スレで「前科者」にされました。実際は注意を受けただけで何の処分もされていません。
「前科」の定義は裁判所で有罪判決を受けた場合にのみ用います。もちろんそのような事実はないので、事実無根です。
有罪判決で刑の言渡しを受けた事実そのものを指す。この意味では、実刑および執行猶予付き判決はもちろん、罰金や科料も前科に含まれ、後記のとおり時間の経過により刑の言渡しの効力が失われた場合でも、「事実」としての前科が残ることになる。
一般社会における用法としては、主に懲役刑・禁錮刑の言渡しを受けたか、実際にその執行を受けて出所した者を「前科者」、すなわち過去に犯罪を犯した者と見ることが多い。
発信者は言葉の意味も知らずに書き込みを行ったのではないかと思われます。
もちろん、この書き込みだけではありませんが、名無しによる人を不当に貶めるための虚偽の情報と法律用語の誤用で、責任とツケを取らせようと訴訟を起こす決意をしました。
無知であることが罪で、相手を傷つけ自分も苦しむはめになるか。今も2ちゃんで嫉妬と僻みと私怨から、無実の他人を攻撃する名無し全般に対し、私ができる精一杯の復讐でした。
書き込みの削除について
検索すれば分かりますが該当書き込みは現在も残されています。
嘘の書き込みを何故私が金を払ってまで消さなくてはならないのか?
落書きをしたら、落書きをした本人が消すのが当たり前だからです。
消されない間は、私は誤解されつづけるでしょう。ですが書きこまれた時点で(誤解されることは)決定されてしまったのです。
取り返しのつかないことをされた悔しさと怒りだけが原動力でした。
発信者に自分のしたことの重大さを分かったもらうためにも、あえて痕跡を残しています。
そのため、第一要求に書き込みの削除を掲げています。*2
*1:その結果がこれ→「「書き込み騒動」とは何か - テニスの玉子様」
*2:現在は双方の代理人同士の話し合いになっています