発信者情報開示請求訴訟の流れ
訴訟の流れについて
私のケースで説明します。
2ちゃんねるに書き込みをされた場合、計3回の訴訟を必要とします。
別々の相手を別件で3回訴えるという意味です。
その都度、申し立てを行うので3回の申し立て費用と弁護士への着手金が必要となります。
その流れを簡単に説明します。
期間はどのくらいか
あくまで私のケースなので、他も同じだと思わないようにしてください。
- 訴訟対象となった書き込みをされたのが2014年5月末。
- 訴訟準備に入ったのが同年7月末。
- 2ちゃんに対し開示請求をしたのが8月中旬。
- 2ちゃんからIPアドレスを開示されたのが9月中旬。
→ 2ちゃんへの請求から開示まで約1か月
→ プロバイダ開示までに約3か月
- 個人訴訟に移る。
- 発信者へ代理人が連絡。発信者代理人から返信
→ 発信者返信まで約2か月。現在交渉中
約半年で発信者が特定し、1年以内に発信者に連絡がついたのでかなり順調でした。期間の長さは書き込みの内容次第で変わると思いますし、原告がどこまで発信者を追及するかにもよるので、IPのみ入手して訴訟は取り下げる原告もいます。
これを読んでいる開示された側の人に開示した側から忠告しておきます。
プロバイダから連絡が入った時点で、書き込んだことを後悔し反省しているのであれば、原告代理人に連絡して意志表示をすべきです。そうするだけで原告の気持ちはかなりゆるぎます。逆に一切連絡をしないままなら、反省の色なしで要求を通すでしょう。
法的手段と言っても所詮は人間がたずさわることです。温情判決といった判例があるように、罪を犯しても情に訴えれば刑罰が軽減されることは多いのです。書き込んだことを後悔しているのであればなるべく早く、原告に謝罪の意思を示してください。それで何もかも終わる可能性は非常に高いです。
反省もしてないし、むしろ被害者だと訴えたいなら、原告と全面対決すべく意志を貫いて思う存分争ってください。あとは司法が判断してくれます。
弁護士を探す
「弁護士ドットコム」がおすすめです。
各々の弁護士には得意分野があるので、ネット訴訟の場合、ネット関係に慣れていて熟知している弁護士を探します。
弁護士ドットコムには、課金制の公開型メール相談も行っていますが、私は弁護士に直接メールを送り、該当書き込みを示して立件から訴訟に協力的な弁護士を探しました。
【2016/1/7追記】弁護士ドットコムに対するデマを書き込んでいる名無しがいます。実際に利用した私の見解です。参考までに。
弁護士から返事
早いです。両日中待てば全員から回答を得られると思います。
弁護士によっては受けてくれる場合と断られる場合があります。どちらであっても、お礼のメールはするべきかと思います。
受けてくれる弁護士がいたら事務所に相談にくるよう案内されます。弁護士と電話で話して相談に行く日時を決めます。必要なものは証拠となる書類ですが、ネットの場合はページを印刷したものを持っていくことになるかと思います。
相談に行く
相談時間は弁護士によって異なりますが30分から1時間が目安です。
私の場合、合計二回、別々の弁護士に相談に行きましたが、どちらも1時間かかりました。相談料は30分5000円が相場です。
あらかじめ話しておくことをまとめ、訴えるべき争点をすぐに話せるようにしておくとスムーズに相談できます。
ネットの誹謗中傷の場合、該当書き込みの削除、IP開示、書き込み主を起訴と、大まかにこの3つに分けられますが、私は書き込み主を刑事告訴するつもりだったので最後までやるつもりで相談しました。
書き込み内容に明らかな違法性が認められる場合、名誉毀損は親告罪でもあるため訴訟の是非は本人の意思次第です。
「考えてみます」で返事を持ちこしても、数日中に返事を出した方がいいでしょう。
お金のこと、やるだけのメリット、そして最大の問題が、IP開示されてもその先の発信者まで辿り着けるかどうかは、「やってみなければ分からない」という半ば博打のようなリスクが伴います。
私も五里霧中でしたが、どのルートで頓挫し、書き込み主に辿り着けなくても後悔はしないし、大金をドブに捨てる覚悟でお願いしました。それだけ切実であり、ダメージの深さは金に代えられるものではなかったということです。
弁護士に委任する
依頼すれば弁護士はあなたの代理人となって動いてくれます。
訴訟の意思表示
裁判所から訴訟の是非を問うには、何故自分は訴えたいのかといった理由が必要になります。それは陳述書という名で提出される、いわば原告による作文です。
裁判官は原告の陳述や提出証拠に目を通し決定を下します。
発信者に辿り着く
今回の書き込み主は私が事前に予想していた通りの相手でした。
元フォロワーの子持ちの主腐の方です。私は彼女とツイッターで数回やりとりした程度で、会ったこともなければ顔も見たことがありません。
私は覚えている限り、彼女に炎上騒動含め、3回は丁重に謝罪しています。その後で、彼女は私の中傷を書き込みました。
最後の訴訟相手・発信者
やっと対個人を相手にした訴訟となります。原告は書き込み主に対し損害賠償請求をするのが普通です。被告である書き込み主には弁護士から訴状が届きます。返事次第で、裁判がはじまることを通告されます。
書き込み主=被告は、大体が代理人=弁護士を雇わざるを得なくなります。代理人同士の示談が多いようです。