『美しい日本語の話し方教室』は、小学校5、6年生を対象に劇団四季の俳優がはっきり話すためのコツを実際に体験してもらいながらお伝えするものです。2005年から始まったこの活動は、今年で10年目を迎え、全国各地にその輪を広げています。今回は9月下旬に秋田、静岡、広島、福岡で行った授業の様子をレポートします。
(1)9月20日(土)秋田市
10月4日(土)より秋田県で開催される「国民文化祭」の一環として実施しました。
授業に参加したのは、「この授業を体験してみたい!」と申し込んでくれた秋田市内の小学5、6年生とその保護者、そして地元で長年、四季の公演を支えてくださっている方々、計71名です。会場の秋田市・にぎわい交流館AUは、さながら保護者参観日のよう。授業には、この日『ふたりのロッテ』秋田公演を終えたばかりの中嶋 徹、染谷早紀、黒柳安奈が駆けつけました。
「日曜は何をしますか?」という俳優の問いかけに、子どもたちからは「お母さんとお買い物に行く!」「田沢湖マラソンの応援!」という元気な発言が飛び出し、和やかな雰囲気で授業が進みます。俳優が「誰か一緒にやってくれる人?」と子どもたちに呼びかけても、恥ずかしくて手がなかなか挙げられない場面もありましたが、次第に「分かった!」と子どもたちの顔がほころび、声に出すことも。保護者の方も子どもたちと一緒に頷いたり声を出したり、時折メモを取りながら熱心に見学され、熱気に満ちた45分間になりました。
授業終了後、保護者の方から、「明日からの子どもの挨拶が楽しみです」「『母音法』をもっと早く知りたかった。
明日からの仕事にも生かせそう」「この授業は、学校でもたくさんやって欲しい」といった感想をいただきました。
また、長く四季を支えてくださっている地元の方は「長く劇団四季の活動を応援していますが、知りたかった"台詞が聞こえる秘密"が分かりやすく示されており、目から鱗が落ちました」と話してくださいました。
(2)9月22日(月)静岡市
常葉大学教育学部附属橘小学校を訪れたのは『魔法をすてたマジョリン』カンパニーの渡久山 慶、町田兼一、成松 藍の3名。5年生48名に授業を行いました。
俳優たちの言葉に真剣に耳を傾ける子どもたち。「一緒にやってくれる人?」という問いかけには元気に返事をくれ、メリハリのある授業になりました。授業後半で歌う『ユタと不思議な仲間たち』の「友だちはいいもんだ」もどんどん声が出るようになり、最後は大合唱。
担任の先生からは「授業が終わった後に子どもたちと話したら、話し方が変わっていて驚きました。」「自身の勉強にもなり、明日から活かしていきたい。」といったお声をいただきました。
(3)9月24日(水)福岡県春日市
春日市立春日小学校には『キャッツ』カンパニーの高倉恵美、山中由貴、笠松哲朗。高倉はこの学校の卒業生。母校での授業に感慨もひとしおです。
この日参加したのは6年生145名。たくさんの地元マスコミのカメラに囲まれた中での授業だったため、子どもたちはやや緊張した面持ちでしたが、集中して授業に参加してくれました。
先生方は「国語のスピーチや音楽の合唱に活かせそう」「子どもたちに『はっきりと言いなさい』『大きく口を開けて』と指導してきましたが、今日はより具体的な方法が理解できたと思います」と喜んでくださいました。
(4)9月25日(木)広島市
『ジーザス・クライスト=スーパースター』出演者の吉賀陶馬ワイス、原田真由子、柴田厚子が広島三育学院小学校で授業を行いました。
参加したのは6年生26名。初めて受ける授業に子どもたちは緊張の面持ちでしたが、俳優が「おはようございます」と挨拶した途端、「おはようございます」と大きな声が。児童の皆さんは今日の授業を楽しみにしていた様子で、一つ一つの問いかけに反応し、大きく頷きながら集中して話を来てくれました。「誰か一緒にやってくれる人?」と声をかけると、パラパラと手が挙がり、挙手した児童を前へ来るように促すと、気付けば全員前へ並んでいたというほほえましい一幕も。クラス全員の大きな「おはようございます」「オアオーオアイアウ」が教室いっぱいに響き渡りました。
授業が終わり、俳優が学校を出る時、「ありがとうございましたー!」とはっきりした言葉が聞こえてきました。
教室の窓から6年生が手を振りながら、お別れのご挨拶をしてくれたのです。
今後も子どもたちに笑顔を届けるために、『美しい日本語の話し方教室』は続きます。
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