Interview

月9『ラヴソング』ヒロイン・藤原さくらの音楽家としての顔。

月9『ラヴソング』ヒロイン・藤原さくらの音楽家としての顔。

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自分じゃない人を演じる。誰かの曲をカバーして歌うときと似てる

1月からの半年間、冒頭で「怒涛」とありましたが、改めて振り返ってみて、いかがでした?

本当にあっという間でした。気づいたら始まって、気づいたら終わった、みたいな感じですね(笑)。『good morning』をリリースしたあとで、キャンペーンもしながら、インストア・ライブをやって、ドラマで乗るためにバイクの免許を取って、髪の毛を染めて、台本を頭に入れて、演技のリハーサルをやって……。で、撮影始まったら、もう一瞬でしたね。“もう終わったんですね”みたいな。3ヵ月以上、ずっと一緒にいた人たちと急に会わなくなるっていうのはやっぱり寂しいですね。まだちょっと実感湧いてないですけど。

シンガー・ソングライターとしては、ドラマの経験をどう捉えてます?

すごくいい機会だったと思います。曲を書いて詞を書くシンガー・ソングライターは人生経験が重要というか、いろんなことを経験するに越したことはないと思うんですよね。しかも、今までは自分が思ってることを書いた曲が多かったんですけど、ドラマでは、佐野さくらっていう役を演じるにあたって、その子のことをすごく考えて、自分じゃない人を演じてて。それは、誰かの曲をカバーして歌うときと似てるなって感じて。カバーをするときは、自分じゃない人の感情を自分を通して歌う。そういう共通点を感じるなかで、佐野さくらとしての曲もいっぱい書けそうだなって思ったんですよ。今までは“藤原さくら”としてのいろんな感情を曲にしてきたけど、“佐野さくら”の感情で歌うこともできるし、それだけじゃなくて自分じゃない人の感情を歌った曲も書けると思うから。これから曲作りが変わってくるのかなって思うので楽しみですね。

“まさか、福山様の曲が歌えるなんて!”っていう驚き

初のシングルとしてリリースされたドラマ主題歌「Soup」は、佐野さくらとして歌ってるわけですよね。

そうですね。今までのレコーディングだったら生かしていたクセの強い歌い方も、スッと伸ばしたりとか、いろいろ考えながら歌いました。それは、福山さんと一緒にレコーディングをしていくなかで、「佐野さくらとして歌ってるから、あまりウィスパーになりすぎないように歌ってみよう」とか、いろいろな歌い方をさせてもらって。最終的には「何も考えないで歌っていいよ」って言ってもらったんですけど、今までのレコーディングとはまたちょっと違った感じでしたね。

演技に挑戦するっていうことに加えて、作詞作曲とプロデュースを福山雅治が手がける曲を歌うっていうことにも抵抗はなかったですか? 

私は今までずっと自分で曲を書いてきたんですけど、今回は人の曲を歌うことに対してどうかっていう感情よりも、“まさか、福山様の曲が歌えるなんて!”っていう驚きのほうが大きくて(笑)。しかも、すごくかわいらしい曲なので、自分では作れないし、自分がシングルを出すイメージもなかったので、いい機会だなというか、ありがたいことだなっていうのが気持ち的には先行してましたね。いろんな方との縁や機会を大切にしながらも、もちろん、自分で作ることもやめたくないなとは思ってます。曲を作るのが好きなんですよね、すごく。

「自分では書けないかわいらしい曲」とありましたが、歌詞もどう感じました?

いい歌詞だなって思いましたね。歳をとっても一緒にいてっていうところで、結婚を感じさせるところもあって。人と人が関わり合っていくなかでは、ぶつかり合ったり、うまくいかないことも多いと思います。ずっと楽しくニコニコばっかりしているのも難しいけど、そんななかでも、互いのダメなところも受け入れ合って、成長して、いい関係を作っていけたらいいねっていうことを、スープをじっくり煮込むことに例えた歌になっていて。人生経験を積んだ人じゃないと書けない歌詞だし、自分がいい歌詞だなって思った曲を歌えることは幸せなことだなと思います。

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もう1曲、劇中で佐野さくらが徹夜で書き上げた「好きよ 好きよ 好きよ」も収録されてます。

これはもう、レコーディング中に号泣しちゃって。6話から歌われている曲なんですけど、この曲のレコーディング時にはまだ台本が3話までしか出来てなかったんですね。結末も知らなかったので、最初に歌詞を見たときは、好きな人に対しての曲なんだっていうことくらいしかわからなくて。で、どう歌おうかなって思ってたら、福山さんが「これは佐野さくらが初めて歌詞を書いた曲だから」っておっしゃって。それを聞いて歌い始めたら、すぐに佐野さくらの気持ちになれて、号泣しちゃって歌えなくなってしまいました。

その涙のわけは何だったんでしょう?

パッションですね(きっぱり)。

ははははは。福山さん演じる神代さんの過去も受け入れて、大切な人がいるとわかったうえで、それでも好きだって歌ってますよね。

そうですね。そのときに歌ってすごいなって改めて思いました。感情を込めたら込めたぶんだけ、きっと伝わるものがあるんだろうなって思ってます。

ドラマが最終回を迎え、主題歌がシングルとしてリリースされ、その後っていうのはどう考えていますか?

早くライブをしたいです! でも、ドラマを観て私を知ってくれた人が、今やもう大部分っていうのが、なんか不思議な感覚で。

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