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ロシアの新型コロナワクチン (100)
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ロシア製の新型コロナワクチン「スプートニクV」が、南アフリカで確認された新型コロナウイルスの変異種に対して有効性が低いとされていることについて、米国の研究グループは、その根拠は乏しく、ロシア製ワクチンは米ファイザー社のワクチンよりも南ア変異種に効くとの結論を導き出した。「スプートニクV」を開発したガマレヤ記念疫学・微生物学研究所に近い情報筋が伝えた。

これより前、米国の研究グループはウェブサイト「MedRxiv(メドアーカイブ)」に研究のプレプリント(査読前論文)を掲載し、その中で、ロシア製の「スプートニクV」は他のウイルスに比べて、南ア変異株に対する有効性が低いと指摘していた。

情報筋によれば、掲載された論文は査読を通過していなかったものであり(発表されたのはプレプリントであり、最終的には内容に変更が加えられる可能性がある)、また論文の主な執筆者3人のうちの1人がファイザーとビオンテックの諮問会議のメンバーであり、その執筆者には利益相反があることは確実だという。 

さらにその情報筋は、しかも、「スプートニクV」は異なるウイルス株に対する中和反応の測定値においてより有効性が高いことを示し、より危険性が高いとされる南アの変異種に対する安定性もファイザー製のワクチンよりもはるかに高いと強調した。

また、現在、欧州でもっとも感染が広がっている英国型変異種に対しても中和反応の大幅な低下が認められなかった点にも注意を向け、「南ア変異種に対する『スプートニクV』の有効性が低いことが認められたのは、追加的な試験(生きたコロナウイルスではなく、水疱性口内炎の代理ウイルスを用いたもの)においてのみであった」と述べた。

情報筋は、論文の結論の根拠は「きわめて弱い」とし、明確な但し書をつけずに、代理ウイルスによる検査のデータ(しかも追加的なデータ)を生きたウイルスを用いた場合の状況に転用してはならないと述べた。またファイザー社の諮問委員が、同論文内で、ファイザー製のワクチンの試験の結果を引用していないのもおかしいことだと指摘した。

3月、科学誌『The Lancet』が、高い効果と安全性が認証されたロシア製の新型コロナウイルス用ワクチン「スプートニクV」の臨床実験の第3フェーズの結果を公表した。製薬の効果は91.6%とされ、60歳以上の治験者では91.8%だった。また、同ワクチン接種後の新型コロナウイルスに対する抗体は98%の治験者で確認がされた。

南アフリカ型変異種

新型コロナウイルスの別の変異種501.V2は、10月に南アフリカで最初に発見された。欧州疾病管理予防センター(ECDC)によると、南アフリカでは現在、同変異種への感染が主流になりつつある。現時点での調査では英国で発見された変異種と同様、501.V2も従来種より感染力が強いことが示されているが、重症化に影響するという証拠は今のところない。

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