兵庫県姫路市が4月に確認した新型コロナウイルスの新規感染者数は8日時点で計99人に上り、3月全体の96人をわずか1週間で上回った。「第4波」の急速な拡大を受け、同市は保健師らが感染者宅を訪ねて直接体調を聞き取る「在宅療養者サポートチーム」の活動を再開。自宅療養者の重症化を防ぐため、新たに35歳以上の患者に肺炎の治療薬を処方する取り組みを始めた。
姫路市では3月末から感染拡大が顕著となり、4月7日には新規感染者が約2カ月半ぶりに20人を突破。20代以下の若い世代への広がりが目立ち、感染者数に占める割合は3月の38%から4月は48%に増加した。
同市は「第3波」で病床が逼迫(ひっぱく)した1月中旬に同チームを発足させた。感染者の減少に伴い3月上旬に活動を休止したが、再び増加傾向となったため今月6日に4人態勢で再開した。65歳以上は原則入院とし、64歳以下は巡回や電話連絡で健康状態を把握。緊急度が高い患者を入院につなげる。
また、市内の民間病院に設けられたコロナ専門の病棟には、これまで市外を含む約40人の英国型変異株の感染者が入院。35歳以上のほぼ全員に肺炎の兆候が見られたという。
そこで、市内では6日から、自宅療養中の35歳以上に対し、医師が処方した肺炎の治療薬を調剤薬局の薬剤師が自宅に届けている。市保健所の毛利好孝所長は「いち早い医療介入により重症化を防ぎたい」としている。(田中宏樹)
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