「ものすごく強い」感染者が語る“変異型”の感染力[2021/04/08 14:25]
大阪で変異ウイルスに感染し、7日に退院したばかりの30代の男性に話を聞くことができました。
大阪在住の30代男性は「毎日の体温検査をしなきゃいけない会社なので、極力気を付けて。外食もゼロではなかったですけど、最低限の形でやっていた」と話します。
先月、知人が営む居酒屋を1人で訪れ、1時間ほど食事をしたという男性。後日、この知人の変異ウイルス感染が判明し、保健所から連絡があり、男性もPCR検査を受けたところ、陽性が判明したといいます。
さらに、男性の20代の妻と、未就学児の子どもも陽性だと分かり、家族全員が変異ウイルスの感染者となったのです。
男性は「(感染力は)ものすごく強いと思いますね。私の周りとか行った居酒屋の周りの方とか、全部感染してるんですよ」と話します。
感染経路とみられる居酒屋では、検温や消毒など基本的な対策を行っていたほか、男性は、飲食時以外は常にマスクを着けていたといいます。
男性は「それで感染するのも、すごい怖いなっていうのが、正直なところ」と話します。
当初、男性には37.4度程度の発熱などの症状があったものの、入院から2日後には無症状になったということです。そして、入院期間は、7日までの15日間に及びました。
厚生労働省が定めた基準では、変異ウイルスの感染者は、従来型の感染者と異なり、退院時にPCR検査で2回連続で「陰性」となる必要があります。
その理由を、厚労省は「変異ウイルスは感染力が持続する期間が長いため」としていますが、その退院基準が病床の逼迫(ひっぱく)を招く可能性が指摘されています。
■専門家「全国に広がる可能性ある」
専門家は、変異ウイルスの感染力の強さに警鐘を鳴らします。
グローバルヘルスケアクリニックの水野泰孝院長は「例えば10人で飲み会をやっていても、1人が2人ぐらいにうつすところが、もし変異株であれば1人が5人とか、あるいは全員とか感染させる可能性がある。必然的に感染者の数は加速する。一気に増える。東京でも(新規感染者数が)1000人、2000人になる可能性は十分にある。人の動きをある程度制限をしないと、日本全国に広がる可能性は十分にある」と話しました。