2020年12月16日
京セラとデジタルグリッドは2020年12月9日、2021年1月から京セラ横浜中山事業所で、P2P(相対)による再生可能エネルギーの電力取引実証を開始すると発表した。デジタルグリッドのP2P需給調整プラットフォーム「デジタルグリッドプラットフォーム(DGP)」を活用し、再エネの有効的な活用方法や新たな電力サービスの構築を検証するという。
P2P電力取引とは、発電予測技術などを利用し、太陽光発電や蓄電池などを所有している個人や法人などの発電家の電力を集め、需要家へ電力を供給する取引のこと。デジタルグリッドが開発するDGPは、再エネ電源に加え多種多様な電源と電力需要を、P2Pで結び付ける、いわば「民間の電力取引所」。電力取引の専門資格やシステム投資なしで取り引きが可能で、再エネだけを選んで買うなどの電源識別も可能な他、需給調整などの業務を自動化できる点が特徴だという。
実証では、再エネのP2P電力取引によりRE100を実現する仕組みを構築するとともに、実証実験の成果を横展開することで、京セラグループの長期環境目標達成を目指す狙い。
具体的には、京セラ社員宅の卒FIT太陽光の余剰電力と、新規で千葉県旭市に建設する京セラのFIT制度を利用しない太陽光発電所の電力を、デジタルグリッドのDGPで需給調整しながら、京セラ横浜中山事業所に供給する。同事業所では、既に設置されているオンサイト型の非FIT太陽光発電所の電力も使用する計画だ。
なお、これらの電力で補いきれない場合、日本卸電力取引所(JEPX)から購入した電力に、京セラ所有の既設FIT太陽光発電所のトラッキング付非化石証書を付与して事業所に供給する。この実証実験により、京セラ横浜中山事業所は消費する電力の全てを太陽光由来の電力で賄う。
両社はこの実証実験を通じて、P2Pでの電力取引サービスの有効性を検証し、RE100の実現やさらなる再生可能エネルギーの活用方法など、将来の電力サービス事業への可能性を模索するとしている。
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