2021年1月19日
NTTアノードエナジー、TNクロス、日本電信電話、東京電力ホールディングスは2021年1月18日、千葉市立白井中学校において、直流による電力供給実証を開始したと発表した。直流給電で太陽光発電などの電力をロスなく活用し、平時のエネルギー利用効率の向上やレジリエンス強化に役立てる狙い。
実証では、NTTアノードエナジーが、NTT東日本が所有するビル敷地内の遊休地に太陽光発電設備と蓄電池を設置。さらに、停電時には千葉市が避難所に指定している白井中学校に地足、自営線による直流供給を行える仕組みを構築する。企業・自治体などによる、敷地外の第三者施設への自営線を活用した直流供給は、国内初の取り組みになるという。
設置する太陽光発電の出力は59kW、蓄電池の容量は36kWh。直流給電用のケーブルは大部分を地中に埋設する仕組みだ。実証ではこのシステムについて、電力品質や、発電設備やシステムの保護に必要な雷害・ノイズ対策などの技術検証を進める。さらに災害時に通信ビルと避難所の間の電力融通が可能となるシステム構成や運用方法についても検討を進めるとしている。
4社は2020年4月から千葉市において、スマートエネルギーシティの実現に向けた共同実証を進めており、今回の実証もその一環となる。千葉市では防災モデル都市実現に向け、学校などの避難所における電源バックアップ整備の支援を進めている。2020~2022年度で避難所182カ所へ屋根上太陽光と蓄電池を導入する計画で、この事業はNTTと東京電力ホールディングスの共同出資会社であるTNクロスが受託している。
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