2021年3月15日
東北大学らの研究グループは2021年3月、pnホモ接合の硫化スズ太陽電池を作製し、360mVという高い開放電圧の取り出しに成功したと発表した。pnホモ接合の硫化スズ太陽電池の実現は、世界初の成果だという。
硫化スズは、希少金属や有害元素を一切含まず、地球上に豊富に存在する安全な元素のみで構成される。そのため、クリーンな次世代太陽電池の材料として注目されている。
硫化スズ太陽電池は、これまでp型の硫化スズとn型の異種材料を組み合わせたpnヘテロ接合タイプの試作改良が進められてきた。しかし、発電効率の低さが課題となっていた。同じ硫化スズで伝導特性の異なるp型とn型を組み合わせたpnホモ接合を用いれば発電効率の向上が見込めるが、その作製は難しく、これまでpnホモ接合太陽電池の成功例はなかったという。
研究グループは2020年8月に、n型硫化スズ単結晶の大型化に成功。これにより、10mmを超えるn型単結晶を入手することが容易となった。今回、このn型硫化スズ単結晶の上にp型硫化スズをスパッタリング法により成膜し、pnホモ接合太陽電池を作製。成膜条件に改良を加えてない試作品において、360mVの高い開放電圧の取り出しに成功した。
試作品の変換効率は1.4%と既報のpnヘテロ接合太陽電池には届かなかったものの、大型のn型単結晶を用いることでさまざまな条件で多数のp型層の成膜が可能であり、pnホモ接合の最適化が加速できることから、今後高い変換効率の実現が期待されるとしている。
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