要支援の方が入居可能な施設特集
介護保険の認定で「要支援」と認定されるのは、将来的に要介護になる可能性があり、日常生活が適度に送れる人。介護保険が適用されるサービスは自宅で利用できる在宅サービスのみで、内容も介護予防的なものになっています。
将来を見据えていざ介護が必要となった場合には転居することなく住み続けられるのか、他の施設への転居が必要かということも、老人ホームを選ぶ際には大切なポイント。施設に入居するなら「デイサービスを利用できるか」「日々の生活支援の充実度」などをチェックするようにしましょう。
「要支援」と「要介護」は何が違う?
老人ホームを探している際には「要介護以上」という入居条件を見かけることも多いはず。現在の介護保険制度には「要支援1・2」「要介護3・4・5」という認定階級があり、数字が大きいほど介護度も高いわけですが、この「要支援」と「要介護」の違いは何でしょうか?
そもそも、介護保険サービスを利用するためには「認定」を受ける必要があります。「要支援」認定を受ける人は、介護サポートは必要としていないものの、一人での日常生活が難しく、生活サポートが必要な状態のこと。居宅サービスも「介護予防訪問介護」「介護予防福祉用具貸与」というように、名前に「介護予防」と付いたサービスであれば利用可能です。
一方の「要介護」とは、その名の通り介護が必要な状態のこと。「訪問介護」や「訪問看護」など、多彩なサービスが受けられます。要支援と要介護で大きく違うのは、要支援の方が基本的に介護保険に適用されるサービス量が少ないということ。「本当は毎日デイサービスに行きたいけど、週1回しか介護保険が適用されない…」といった場合もあるのです。
老人ホームへ入居する際のポイント
最近は要支援の方も受入れ可能な老人ホームも増えました。「要支援だけど一人暮らしは不安…」という人は遠慮なく入居申請を出すと良いでしょう。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)であれば認知症の診断書を用意することで要支援2から入居でき、民間の有料老人ホームは要支援1でも入居可能なホームも少なくありません。
要支援・要介護も入居条件のポイントですが、介護保険の第1号被保険者である65歳以上を入居対象としている老人ホームが多いことから、年齢もその要件のひとつです。条件が揃えば40歳から64歳までの人も入居できる場合があるので、地域包括支援センターなどに相談してみるのが良いでしょう。
また、「必要な医療ケアをしてもらえるか?」も重要なポイント。医療体制に関しては老人ホームによってバラバラで、「要支援の方も受け入れ可能」と謳っている老人ホームでも、ご自身が必要とする医療ケアは受けられない可能性があります。施設見学を含めた入居前のタイミングで必ず入居前に確認しましょう。
要支援の人でも入居可能な老人ホームの種類
入居条件は老人ホームの種類によって異なります。「要介護以上」を入居条件にしているホームも多いですが、上記のように、要支援の人が入居できる施設もあります。
要支援の人でも入居できる老人ホームには有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどがあります。有料老人ホームは介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームなどに分かれているため、入居できるホームも実は多いのです。
有料老人ホーム
要支援の人でも入居できる有料老人ホームは、そのどれもが民間企業の運営。介護付有料老人ホームは24時間介護スタッフ常駐で、常に安心して介護を受けられるのが魅力です。
住宅型有料老人ホームは完全個室。基本的にデイサービスのようなレクリエーションや身体介助などはありません。介護が必要な人は外部の訪問介護やデイサービスなどを利用するスタイルです。
健康型有料老人ホームは介護度の低い人だけが入居できる施設。60歳から入居できるのが魅力ですが、介護度が上がると退去することになるのがネックと言えるでしょう。
サービス付き高齢者向け住宅
「認知症でない」といった条件があるものの、要支援の人はサービス付き高齢者向け住宅にも入居可能です。完全個室で食事や簡単な清掃といった生活サポートが提供される一方、介護サービスは付いていないのが特徴。そのため、ヘルパーステーションなどの訪問介護事業所や、デイサービス事業所が隣接している所も多いようです。
サ高住は外出が自由なので気楽に暮らせるのが魅力。さらに24時間体制での見守りサービスがあり、夜中の体調不良などにも対応してもらえます。
軽費老人ホーム・ケアハウス(軽費老人ホームC型)
ケアハウスと呼ばれる「軽費老人ホームC型」は、「一応自立した生活が送れるけれども、身体機能の低下や一人暮らしへの不安があり、経済的に生活が困難な60歳以上の高齢者」が入居対象です。要支援の人も条件が合えば入居可能です。
生活困窮者の支援が目的ですので、料金が比較的安いのが魅力。他の軽費老人ホームと違い、介護度が高くなっても退去せずに済みます。料金が格安なのもあり、入居待ちをしている人が多いという点がネックですが、簡単な生活サポートなども受けられるので人気のある施設です。