社会・政治
撮影中止で拡散防止に成功…AV業界で「男優4人」がコロナ感染
社会・政治 投稿日:2020.08.26 20:20FLASH編集部
東京都でも連日100人超の感染者を出し続けている、新型コロナウイルス。外出自粛の動きが広まったことにより、「ネットの動画配信サービスは、どこも大幅に売り上げを伸ばしている状況です。とくにアダルト系が恩恵を受けています」(配信サイト社員)という。
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だがその好況の裏で、AV撮影現場も新型コロナ禍に襲われていた。
「AV業界でも、新型コロナウイルス感染者が出たのです。なかには、“主力級” の有名男優も含まれていて、7月に男優たちが開催した屋外バーベキューの食事会で感染が広がったのではないかと、周囲が心配しています」(AV業界関係者)
本誌がこの情報を耳にしたのは、7月末のこと。名前のあがった男優のひとりに、電話取材をした。
――男優さんの中から4名ほど感染者が出たと聞いています。当事者として、お話を聞かせてもらえませんか?
「いや、僕はコロナではないです。それは誤情報だと思います。陽性ではないです」
それだけ話すと「失礼します」と告げられて、電話を切られてしまった。
しかし、その後も同様の情報が次々と本誌に届く。AV業界の発展と健全化を目指す団体「AV人権倫理機構」に取材をすると、事実関係が明らかになった。
「新型コロナウイルスの感染等につきまして、当機構加盟各団体を通じ、『7月中旬から8月上旬までに、4名の男優の方々の陽性が判明している』との報告を受けています(男優の方々につきましては、当機構には加盟しておりません)」
やはり、男優たちの感染は事実だった−−。ただ4名の感染者については、男優間で感染が広がったわけではなく、それぞれが個別に感染したもので、「クラスターが発生したものではない」(AV人権倫理機構)とした。
AV撮影現場では、いうまでもなく “濃厚接触” が避けられない。今回、男優たちの感染が確認されたあと、各メーカーはそれぞれ対策を取ったという。
「陽性が判明した際、該当男優から過去2週間のあいだに出演したメーカー・プロダクションへ連絡が入り、現場のスタッフや出演者全員のPCR検査がおこなわれ、結果が出るまで複数の撮影現場がストップしました。そして検査の結果、全員陰性だったとの報告を受けております。
該当男優の方々は保健所の指導のもと、入院や自宅療養等をおこない、入院者はすでに退院しているとのことです」(AV人権倫理機構)
同機構でも、あらためて新型コロナウイルス感染対策の徹底を通達したという。撮影中止などの対策も奏功して、現場外から持ち込まれた感染の拡大を防ぐことに成功したAV業界だが、同機構の河合幹雄理事は、こう話す。
「AVの現場で感染が起きていない理由は、2つあると考えています。ひとつは、AV業界はもともと性感染症の予防をおこなってきたため、感染症対策に慣れていること。
もうひとつは、女優や男優が撮影中止になった場合の費用を負担しないので、女優にも男優にも、無理して出演する必要がないためです」
だがこの間、AV業界内で感染者が出ていたことを知らない関係者も少なくない。8月上旬に、本誌記者が取材したあるAVプロダクションの社長は、こう話した。
「『感染者が出た』という話は聞いたことがないよ。やっぱりみんな、公表したがらないんだな」
思わぬ形で、感染防止策の質の高さが証明されたAV業界だが、今後は感染者のプライバシー保護には最大限の配慮をしつつ、風評被害を防ぐためにも、さらなる情報公開が検討されるべきだろう。
写真・CDC