どうでもいいことです。
今回は自作自演とか言って来ないのですね。
私は悪い人間ですので。
ごめんなさい。
全然話が浮かばずにごめんなさい。
寝れないのですが、話を考える集中力もない。ダメダメ人間。
本当にごめんなさい。
どうでもいいことです。
今回は自作自演とか言って来ないのですね。
私は悪い人間ですので。
ごめんなさい。
全然話が浮かばずにごめんなさい。
寝れないのですが、話を考える集中力もない。ダメダメ人間。
本当にごめんなさい。
例えば、accessを題材に小説を書くならば、どんなお話がいいでしょうか?
最初のは一応完結してしまったのですが、そこからしばらく経ってからの2人とか、また、バンドをやってるときの2人のお話とか?
悲しいというか、色んな事件が起こってそのたびに2人が揺れて、そして終わった感じなのですが、もっと仲のいい2人のお話を、とか。
何かありましたら、accessが好きですって方で案を募集させていただきます。
ただただ私の才能がなくて、お話が出てこないってだけなんですけど。
すみません。
accessに限らず他にも何かありましたらコメント欄に寄せてくださると有り難いです。
お話を感動してくださる方がいらして嬉しかったです。
ありがとうございます。
また、何か素敵なお話を書けるように頑張ります。
それでは。
あれから、あの日から一年が経とうとしていた。
二人、明るい未来があると信じて、別の道を歩き始めたあの夏から、もう一年だ。
その間、悠介と僕の道はまるで天国と地獄ほどの差だった。
悠介は出す曲出す曲ヒットして、今や業界で押しも押されぬ音楽プロデューサーになっていた。
でも、僕は。
・・・いつでも会える、会いに行くから・・・
と、言っていたけど、悠介は忙しく、僕はそんな悠介に対するどうしようもない嫉妬から会いにいけないでいた。
でも、心はいつも悠介を想い、求めていた。
それが今、爆発したようだった。
「どうして逃げるの、悠介」
僕は懐かしい想い出を必死に心の奥に押し込めようとしながらも、どうしようもなく溢れてくる情熱に身を焦がしながら悠介をやっと掴まえて言った。
「別に逃げたわけじゃないよ。そろそろスタジオに戻ろうと思って。零が気づかないうちにそっと来て、そっと戻ろうって思ってたから」
悠介は掴んでいる僕の手を振り払うようにして言った。
「いつでも会えるって言ったのに、もう一年だね。零、一度も僕に顔を見せてくれなかったね」
「悠介だってそうだろう。忙しい人だから、わざわざ会いには来てくれないか」
「零、そんなことないよ」
口調がきつくなっていた。
何故か久しぶりに、そしてやっと会えた唯一の友人なのに傷つける言葉しか口から出てこない。
「ごめん。でも、あのときの誓いの握手、悠介はちゃんと守ったよね。今じゃ、音楽業界の寵児だもの。僕はあんな狭いライブハウスでさえ埋められない。雲泥の差だ。やっぱ世間の目は厳しいよ」
「零、やめなよ。そんなふうに言うの。僕は信じてる。必ず零なら出来るって。だって、強い人だもの、零は」
悠介がそう言って僕の腕を掴んだ。
「やめろよ。強い人なんて言うな。僕はそんな悠介がいうほど強くないよ。やっぱり傷から立ち上がれない。一人では、独りは辛いよ」
僕はコントロール出来ないほど取り乱していた。
あの日、全てがうまく行くと思って互いの道を歩く互いの気持ちを理解したはずだったのに、それなのに。
「零、そんなに苦しんでるなら、曲、僕が作るよ」
僕は驚いて悠介を見つめた。
「それって一緒にまたやってくれるってこと?二人で、二人でやるってこと?」
酷な質問だとわかってながら僕は悠介にそう言った。
悠介は酷く動揺し、明らかに迷ってうつむいた。
「それは、それは無理かもしれない、けど、でも、零の苦しむの見たくない。何とかしたい」
そう言った悠介を遠くで呼ぶ声が聞こえた。
僕はハッとした。
また、我儘になって自分のエゴで悠介を潰そうとしていることに気がついた。
「ごめん、悠介。大丈夫。心配しないで、行きなよ。僕もライブの途中だったんだ」
僕は精一杯の努力で笑いそう言った。
悠介は心配そうに僕を見つめる。
「忘れてよ。さっきの言葉。僕、どうかしてたんだ。久しぶりに何でもぶつけられる悠介に会ったから、少し我儘言いたくなっただけ。悠介、レコーディング中なんだろう?」
「ああ、新人の子。女のコであやかちゃんと同じ事務所で彼女の後輩なんだけど」
悠介は何とも言えない顔でそう答えた。
嫉妬した。
焦げるような想いで胸の傷痕が痛み始める。
やっぱり、とても大丈夫じゃない。
誰でも悠介と一緒に時間を分け合うことになるやつが許せなかった。
そして、同時に悠介がもう僕じゃない誰かと心を結び始めてることにも嫉妬していた。
僕はどうあがいても独りだ。
でも、もうやめよう。
この気持ちを悠介にぶつけてはいけない。
「本当にそろそろ行かなきゃ、悠介」
悠介は顔を上げ、僕の疼いている傷痕を手で触れた。
そして、少しだけ背伸びして僕の唇にキスをした。
一瞬疼いてる傷痕が鋭く甘く痛んだ。
「零、大丈夫じゃないときは、いつでも僕を呼んで。僕はすぐに行くから。君のことを全て受け止められるのはこの僕だけなんだから。何があっても飛んでいくから。この傷痕に誓って」
僕は離された唇にまだ悠介を感じながら、その熱さとその言葉と手の暖かさに心を癒やされて頷いた。
「そして、覚えておいて。僕はいつもここにいるってこと」
悠介はそう言って、もう一度背伸びしてキスをする。
僕は傷痕に置いてる悠介の手を掴んで、ギュッと抱きしめたかったけど、抑えた。
もし、そうしたら、そして悠介が抗わなかったら、僕はもうこの想いを止められずに、悠介に無理やりにでも注いでしまうだろう。
そんな僕のことを唇を離して見つめる悠介と僕を蒼い月が照らしていた。
人工的で嫌いな月が、何故か今日はダブって見えた。
目を閉じた瞬間に滴が悠介の手を濡らす。
「好きだよ、零。ずっと、好きだった。そして今も、この先も」
「悠介」
涙で濡れた僕の頬を悠介の手がそっと拭った。
やっと岸が見えて孤独の海から上がることが出来そうだった。
悠介は僕に笑いかけ、そして言った。
「じゃ、また」
「うん」
頷くしか出来ない僕にもう一度笑いかけ、悠介はそっと手を離して僕から離れていった。
華奢な背中を見ながら僕は胸の傷痕をギュッと掴んで、瞳を閉じた。
・・・ありがとう、悠介・・・
「零、何してんだよ。早く戻れよ。客が怒ってるぜ」
しばらくして木之本さんが探しに来て僕に言った。
「ごめん、ごめん」
僕は最近にはない明るさでそう答えた。
嘘のように明るい都会の夜の月。
今の僕にはそんな月でさえ眩しく見えた。
傷痕はもう疼かない気がした。
あいつがいてくれるから、ここに。
僕はそっともう一度胸の傷に触れると木之本さんの後を歩き出した。
また、暑い夏が始まろうとしていた。
完
「皆にはラジオとか雑誌でしか僕たちのことを話せなくって、ずっとこうして直接話せる機会を待っていました。
皆、凄く急な話に僕たちに対してぶつけたいことあると思います。今日はもう一度ちゃんと話したいと思います」
僕は何万人というファンの前にいた。
横には悠介がいる。
僕は悠介を見、話すよ、と目で言った。
悠介が頷いて僕はマイクを握り直した。
「色々な噂が飛び交って、皆を惑わせたけど、僕は本当に悠介のことをそしてこのバンドのことを愛してます。僕にとって悠介との出会いは人生の中で一番素晴らしいものでした。僕には皆も知ってるように人には見せられない傷痕があって、そのことで幼い頃から周りに馴染めず、人が嫌いでした。恋も一人前にしました。でも、やっぱり彼女にもこの傷痕のことを受け止めることは出来ませんでした。勿論だと思う。自分だってあんまり見たくないものだもの。でも、悠介はそんな僕を何の戸惑いもなく受け入れてくれた。僕にとって悠介はそのときから唯一の人となったんです。それから僕が悠介に向ける情熱は恋に似たくらい強くなって、悠介を縛り、苦しめるほどになっていた。自分自身、全く気づかずに。そんなときでした、僕たちのことが週刊誌に載って、悠介に対する自分の気持ちを突きつけられた気分でした。それで僕は、二人は、違う道を歩こうと決めたのです」
ファンのざわめきが大きくなった。
横から悠介がマイクをとって
「悪いのは零だけじゃないんです。僕の弱さが彼を傷つけていたのも事実です。今まで二人で何度も話し合いました。どうするか、どうしたらお互いが対等でいられるか。そして出たのが今の道でした。僕は零に出会っていろんなことを知りました。友情ってものの意味、自分という人間、僕たちはお互いに自分にないところに惹かれて、お互いがいないといけない存在でした。だから今、一人一人になってとても不安です。でも、きっとお互いの活動を支えにやっていけると思ってます。だから皆さんもこれからの一人一人になった僕たちを見守ってください」
そう言うと僕にマイクを返した。
客席から自然と拍手が起こった。
バックの皆がさりげなくバラードのイントロを弾き始め、僕は歌った。
心を込めて、もう歌うことのないこの歌を。
そしていつしかラストの曲。
一度、袖に引っ込んだ僕は今度は一人でステージに出ていった。
これが本当に最後の皆へのメッセージだ。
「この世の中、友情とか愛情とか語ることなど誰もしなくなって、その本当の意味に気づかずに生きてる人が殆どだと思います。でも、僕はあえて言いたいんです。皆に知ってほしいんです。愛することの素晴らしさを、愛する力の強さを。人は憎むためではなく、人を愛するために産まれてきたんだってことを。僕の悠介に対する気持ちは一番強い情熱で、それが恋情なのか友情なのか区別をつけることは自分でも出来ません。でも、世間が何と言おうと人を一生懸命想うってすごいことだと思うんです。人はいろんなことに線を引きたがります。同性だから、人種が違うから、瞳の色が違うから、宗教が違うから、愛しちゃいけないなんておかしい。愛するってことはそんなもので片付けられるものじゃないんです。自然に心が動き出すのを誰が止められるんだろう。もっと自由に愛してください。人を、自然を、そして自分自身を。そんなふうに世界中の人々が互いを愛せたなら、きっと全てが変わるはずです。きっと何かが生まれるはずだと、僕は思います」
言い終わった僕は知らないうちに泣いていた。
皆の拍手が僕を優しく包んだ。
そして、二人での最後のライブも静かに幕を降ろした。
「零、いい曲が出来そうだよ。やっと」
白み始めた空。
まだ、冷たい空気の中、僕に悠介がそう言った。
「良かったじゃん。早く聴きたいよ。楽しみにしてるからさ」
僕は笑顔で答えた。
何か胸に淋しさを感じながら。
「うん。スタジオまで届けるよ」
「ありがとう。明日の今頃は別の道にまた戻ってるんだね。僕はきっと飛行機の中で、悠介はスタジオ?」
「寝てるかも、久しぶりに家で」
そんな言葉に二人して笑った。
合わせて歩く僕の心にいろんな想い出が浮かんでは消えていく。
僕はそんな想い出たちを断ち切るように悠介に向き直って足を止めた。
悠介も止まって僕を見つめた。
「長いようで短かったよね、悠介との毎日って。これからはゆっくりと歩いて行こうと思ってる。自分のペースで歌も、辛くなったらまた顔を見に行くから、よろしくね」
「うん。僕も零のことを見てるから。零とはこれからライバルだし、負けないように頑張らなきゃ」
悠介はそう言うとそっと僕の胸の傷痕に触れた。
瞬間に僕の中にブレーキをかけてた想いが溢れ出して、崩れそうに苦しくなった。
もう二度と悠介と共に音を作っていくことは出来ない。
隣を見ても、もう一緒に笑ってくれる優しい瞳はいないんだ。
そういくつもいくつも帰れない想い出が僕を包んで、跪きたくなるほど切なかった。
そんな僕を諌めるように悠介が言った。
「この傷痕のおかげだね。きっと。零は出会ったときから強かった。そして今でもとても強い人だよ。サヨナラは言わないでもいいよね。また、いつでも会えるから」
・・・今でもとても強い人・・・
そんな悠介の言葉が、僕の溢れ出す情熱を断ち切り、僕を想い出から引き剥がし、進むべき道へと押し出した。
僕は悠介のその手を胸から離してグッと握りしめた。
「ああ。サヨナラは言わない。お互いの成功を誓おう、この手に」
「うん。近いの握手だ」
朝焼けがそんな僕らを包んで、鳥が舞い青空が広がった。
もう、春も遠くなり、夏が近づいて来ていた。
続く。
出会いと別れ、喜びと悲しみ、不安と希望が錯綜する空のキーステーションに僕はいた。
コーヒースタンドで腰をかけ、見るともなくサングラス越しに周りの人たちを見ていた。
旅立ちに胸一杯の期待を膨らませてゲートに向かう笑顔。
愛しい人との別れに寂しげな横顔。
色々な想いがここには溢れてて何かとても切なかった。
幸い僕とは誰も気づいていないようだった。
忙しいこんな場所では芸能人だってただの他人に映るのだろう。
「零さん」
小さい声が僕を呼んで、僕は驚いて振り向いた。
・・・ファンかな、それともマスコミ?・・・
一瞬構えてしまうのは悲しい習性かもしれない。
でも、目の前には大人びた少女の微笑みがあった。
「あやかちゃん。どうしてここへ?」
華奢な身体を春色のスーツに包んで、サングラスを外すその仕草も表情も、いつの間にか大人っぽくなって僕をハッとさせた。
女性ってのはこんなにも変わるものなのだろうか。
僕は少し息をついて彼女へ微笑んだ。
「あれから悠介さん、少しづつ昔に戻ってきてるみたいで、私もホッとしてるんです。全て、零さんのおかげです。あのとき、もし零さんが来てくれなかったら、きっと悠介さん何も言えないで、一人で心を痛めて、どうなっちゃってたか」
あやかちゃんは落ち着いた口調でそう言うと、僕を見つめ
「本当に良かった」
そう言った。
肩から大きな荷物をおろしたように。
僕はそれほどまでに彼女が悠介を思ってたのかと、また、改めて感じ。
僕よりもずっと心配してくれる彼女がそばにいるあの道は悠介にとっていい道に違いないって確信した。
「零さん、今からハワイに発つんですよね」
「ああ、よく知ってるね」
「聞きました、竜子さんに。もう大丈夫ですよね、悠介さん」
「ああ、大丈夫だよ。あいつはきっと、ああ見えて結構強いから。あやかちゃんと竜子さんがいるし、心配はしてない。僕はあいつの力を信じてるから」
僕は彼女の瞳をしっかり見つめ返しそう答えた。
搭乗のアナウンスがちょうどそんな僕たちに響いた。
「そろそろ行かなきゃ」
僕は立ち上がり、手に持ってたバッグを肩にかついだ。
あやかちゃんも頷いて立ち上がり
「頑張ってください。零さんの素敵な歌が聞けるの楽しみにしてます」
そう明るく言って少しうつむき、また、思い立ったように顔を上げた。
そして言った。
「零さん、ごめんなさい。私のせいで悠介さんと別れることになっちゃって。ごめんなさい、許してくださいね、私を」
僕はびっくりして彼女を見つめ、その華奢な肩に優しく手を乗せて言った。
「君は何も悪くないよ。何もしていない。誰のせいでもないんだ。大丈夫。皆、苦しんで自分自身も道を見つけていくもんなんだし。君を許すも許さないも、僕は君に感謝しているぐらいなんだから。大丈夫。きっとまた笑って会える日が来るよ」
あやかちゃんはしっかりと僕の言葉に頷いた。
僕もそれに頷いて、本当に別れを告げ搭乗ゲートへと歩き出した。
そう、きっと素晴らしい未来が皆の前に開けてるはずだから。
「零、やっとお前に本格的な話が出来るよ」
レコーディング中の僕に木之本さんが嬉しそうに束になった紙を抱えてやってきて言った。
「何、何の話?」
僕はそう言ってブースから出て木之本さんの手にあるその書類の束を見た。
それはFAX用紙でなにかのライブの進行表だった。
「ライブやるの?まだ曲も出してないのに?」
僕はびっくりしてそう言った。
木之本さんはそんな僕にニコッと笑って
「違うよ。お前だけじゃない、お前たちのライブだ」
そう言った。
僕は思わず目が点になった。
「なんて顔してんだ。二人のライブだよ。悠介と二人の。ずっとお前らに秘密にしてきたんだ。言って出来なくなったじゃ、お前らに申し訳ないからな。大変だったんだぞ」
木之本さんの言葉に僕は思わず飛び上がった。
「サンキュー木之本さん。大好きだよ」
「零、こらっ、首をしめんな。苦しいだろ」
開けっ放しの窓から夏の風が吹いてきた。
一足早い南の風だ。
いろんなことを整理して新しい自分を作るためにハワイへ来て3ヶ月が経とうとしている。
もう、しばらく日本へは戻らないだろうって思ってここへ来たのに。
こんなに早く、それも、叶わないと思ってた二人でのライブのために帰ることになるなんて、本当に先のことって読めない。
でも、今は神様に感謝だ。
続く。