初の住宅用蓄電池・パワコンをついに市場投入、ファーウェイが太陽光関連の新製品を披露

ファーウェイは2020年11月、東京都内で新製品の展示会を開催。太陽光関連を中心に、初の住宅向け蓄電池をはじめとるする2020年の新製品を一挙に公開した。

ファーウェイは2020年11月5~6日、明治記念館(東京都港区)において「HUAWEIデジタルパワー製品展示交流会」を開催した。パワーコンディショナーなど太陽光関連機器をはじめ、UPSソリューションやデータセンター向けなどの新製品を幅広く展示し、2日間で1000人を超す来場者を集めた。

住宅用太陽光・蓄電池市場にいよいよ参入

HUAWEIデジタルパワー事業部本部長の張巍巍氏、製品展示交流会東京会場にて

 太陽光関連分野でとくに関心を寄せられたのは、住宅用パワーコンディショナーと蓄電システムだ。ファーウェイはグローバルでトップシェアを誇るパワコンメーカーとして知られるが、これまでは産業用太陽光市場を主戦場としていた。また、太陽光をターゲットにした蓄電システムは扱ってこなかった。そのファーウェイが、今回新たに住宅用パワコン市場に参入し、しかも太陽光発電用の蓄電システムを展開し始めたとあって、実物を一目見ようと多くの人が集まった格好だ。

 デジタルパワー事業部(日本&韓国)本部長の張巍巍氏はいう。

 「住宅向けのニーズはどんどん高まっています。自家消費ソリューションとともに、太陽光発電の新しいトレンドになっていくことは間違いないでしょう。災害など万一の際の備えとなり、家計にも優しい製品の開発に力を注いできました。今回発表したソリューションは、日本市場向けに長年研究を重ねてきた成果です。

 蓄電池に関しては、既に他分野で豊富な実績を有しています。太陽光業界の方々にとっては、ファーウェイの蓄電池といっても馴染みがないかもしれませんが、UPSやスマートフォン関連の蓄電池でもトップシェアを獲得しています。今回発表した蓄電システムは、長年にわたって他領域で積み重ねてきた経験と技術を、満を持して太陽光発電分野に持ち込んだものといえます」(張氏)。

火災を防ぐ、住宅向けパワコン「SUN2000-4.95KTL-JPL1」

 ファーウェイが住宅用市場に投入したパワコンは、“火災を防ぐ”という点が大きな特徴となっている。AIを活用したAFCI(アーク故障回路遮断)機能が搭載されていて、太陽光に起因する火災を未然に防いでくれるという。これは火災の原因となる危険なアーク放電を検出し、0.5秒以内に異常な回路だけをシャットダウンし、システムの安全性を確保するというものだ。

火災を防ぐ、住宅向けパワコンSUN2000-4.95KTL-JPL1

 重さ19kg、幅365×高さ649×奥行159mmという軽量コンパクトな筐体は、設置スペースが限られた住宅用には大きなメリットだ。このサイズならワンマン設置も可能であり、導入時の作業性はきわめて高い。さらに、ファーウェイ製パワコンの特長である自然空冷(ファンレス設計)により、静粛性も抜群。ファンという駆動部がないため、故障リスクも低いという。

蓄電池は連結が可能、最適なモジュール容量を選べる

 蓄電システムも、パワコン同様に軽量コンパクトであることに驚かされる。1台5kWhの蓄電池モジュールを縦に複数台連結することができる。連結するモジュール数により、5kWh、10kWh、15kWhと最適容量の蓄電システムを構築することが可能なのだ。

連結できる、蓄電システムLUNA2000シリーズ

 新しい蓄電池モジュールと古い蓄電池モジュールが混在していても互いに影響を受けないので、数年後にモジュールを増やすこともできるという。家族が増えたり、ライフスタイルの変化に対して、柔軟に対応できる蓄電システムとなっているのだ。停電を感知すると5秒以内に自立運転モードに切り替わるので、万一の災害時にも心強い。

オプティマイザー搭載のソーラーパネル「iPV375-M1A」

 iPV375-M1Aは、AI技術を駆使したスマートソーラーモジュール。ソーラーパネルのフレームにオプティマイザがセットされており、インテリジェントなDC/DCコンバータとして、電圧変換をパネル単位で最適に制御する。

ソーラーパネルiPV375-M1A展示コーナー

背面にはオプティマイザを搭載

 日陰による発電量低下の抑制、I-V曲線のリモート分析など優れた特性を有し、1枚または2枚のパネルを1つのPVセットとして構成可能なので、まとまったスペースがなくても柔軟に設置することができる。ファーウェイとしては、携帯電話基地局の独立電源用途などに販売していく考えだ。

コロナに配慮した屋内外一体展示が好評

 「HUAWEIデジタルパワー製品展示交流会」は、9月9日・10日の大阪を皮切りに、福岡・広島・名古屋・福島・東京と、各地を巡回して行われた。東京は最終開催地であり、全6会場中最多となる1065人のエネルギー業界関係者が参集した。結婚式場として知られる明治記念館を舞台とし、1階の披露宴会場と屋外の日本庭園を一体にした展示会場は、開放感に満ちたものだった。

 この会場について、ここでの開催を企画したデジタルパワー事業部部長アシスタントの孫辰雨氏は、次のように話す。

 「コロナのなかで皆さん“密”を気にしているので、室内だけでなく室外も使える会場をと考えました。ずっと室内だとストレスもたまりますからね。せっかく来ていただいたお客様には、綺麗な日本庭園を見ながら、ゆったりと過ごしてほしいかったのです」(孫氏)。

HUAWEIデジタルパワー製品展示交流会 東京会場の様子。 孫氏の想いどおり、東京会場は、通常の展示会とは一線を画する、くつろいだ雰囲気に溢れていた。

 

2020年11月24日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

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