日本政府が福島第一原発の処理済み汚染水を海洋放出する方針と報じられたことを受け、中国では過去にも報じられたドイツの研究機関によるシミュレーションが注目を集めている。
中国中央テレビ(CCTV)のニュースサイト・央視網は11日、「研究が示す、日本の核汚染水は海洋放出から57日で太平洋の半分を汚染する」と題し、「放射性物質が含まれた汚染水がひとたび海に排出されれば、どんな影響があるのか?まず、日本の太平洋沿岸海域、特に福島県周辺の水域が影響を受ける。その後、汚染水は東シナ海を汚染する」と説明した。
その上で、ドイツのヘルムホルツ海洋研究センター(GEOMAR)の試算として「放出の日から57日で放射性物質が太平洋の大半の海域に広まり、3年後には米国やカナダまで到達する」と指摘。央視網は同センターのものとして、福島県から放出された処理水が57日間で太平洋一帯に広まる様子をシミュレートした映像も掲載している。
なお、同センターによる試算および映像は、昨年10月に「日本政府が海洋放出の方針を固めた」と報じられた際にも中国メディアによって紹介された。
今回は国営テレビ局のニュースサイトが報じたこともあり、反響は大きい。ネットユーザーからは「人類を滅亡させる行為だ」「あのスウェーデンの少女(環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん)は何をやっている?」「今回は西側メディアは何も言わないのか!」「お辞儀をすればすべておしまいだろうな。なんせ匠(たくみ)の精神なんだから」「(日本は)小さい礼儀は守れど、大義のない国だ」「表面上は礼儀正しくても、実際は全民族が最低限の道徳も持たない。これが日本という国」といった強い批判の声が殺到している。
日本政府が海洋放出の方針と報じられてから、中国では影響の深刻さへの懸念を伝えたり、海外の国や日本国内で反対の声が上がっていると紹介したりする記事が相次いで掲載されている。(翻訳・編集/北田)
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