京都国際漫画ミュージアムで「医師が選ぶブラックジャック名場面」展をやっていたので見に行ってきました。
漫画ミュージアムに行くのは初めてで、まずコスプレしている人たちに面喰いました。
コスプレの対象になるようなアニメや漫画の知識があまりないので誰のコスプレをしているのかはほとんどわからなかったんですが、みんな完成度高いですね。
外国人と日本人のハーフの子供がそんななかはしゃいでて(コスプレはしてない)めちゃくちゃ可愛かった・・・

医師が選ぶブラックジャック展、知った時からめちゃくちゃ楽しみにしていたんですが、
大方の先生が「まぁ、だれでもそこ選ぶわな・・・」というような場面、
例えば【ちぢむ!】の「医者はなんのためにあるんだ!」だったり、
【ときには真珠のように】の本間丈太郎先生の言葉「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいと思わんかね・・・」というような有名どころすぎる場面を選んでいて、お前らには本当がっかりしたわ。

そんな中、目を惹かれたのはこちら。
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【ある老婆の思い出】からの抜粋です。
この話は他の有名な話より幾分地味で、知る人ぞ知る、というか人によってはあまり印象に残らない話だと思います。
ですが、俺にとって医師を目指すきっかけとなった話であり、個人的には非常に印象深く残ってます。
ここを取り上げてくださった大分大学の先生にはすごく共感しますし、一緒に美味しい酒が飲めそうです。
もちろん、俺が志したきっかけに「金」であるとか、「名誉」であるとか、そんなモノが部分的にあるのは認めるところですが、根幹にはこの話を貫いているブラックジャックの信念と同じものが在ります。
ちなみに小児外科に行きたいというのも、結局はこれによるものです。
世界を変えていく可能性(良くも悪くも)を持っているのは、やっぱり子供ですから。

ブラックジャック展に行ったあとは、映画館で「イミテーションゲーム」を観ました。

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いや、もうこれは久々に大当たりでした。
第2次世界大戦でドイツ軍の暗号解読に成功し、連合国軍に勝機をもたらしたイギリスの数学者アラン・チューリングの人生を描いた実話を基にした映画なんですが、本当に面白かった。
本作の主人公、アラン・チューリングはサヴァン症候群(直接言及はされてませんが、ジョークを理解できない、相手の気持ちを読み取るのが極端に苦手という描写がある天才数学者なので)で、
ドイツの暗号「エニグマ」を解くために自分自身が作りあげる機械「クリストファー」に、「与えられた問題を解くことには抜群の才能を発揮するが、人と感情を酌み交わすことができない」自分自身を重ね、自分は人間なのか、それとも機械なのか、という葛藤に苦しみます。
物語自体はドイツの暗号を解読する、というストーリーに沿って進みますが、描かれていることは一貫して、「人と機械」。
鑑賞し終わった後にも長く余韻が残る、大変良い映画でした。

今日のタイトル「Futile」は憶えるのに苦労した英単語で、画像検索をかけたら良い画像がでてきたので紹介します。
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Futility(無駄なこと)
 あなたがどんなに固い意志を持っていようと、どんなに辛抱強かろうと、
 絶対に達成し得ない目標があるということを認めることこそが本当の賢さである。
 例えば、ブロンドにチェスを理解させることはできないでしょう?

これは、「金髪(ブロンド)の女=ものすごく馬鹿」というアメリカのジョークの常識がわかって初めて意味が通る文で、最後のteaching a blond to play chessは「どんなに努力しても無駄になること」を表してます。
ブロンドをバカにするアメリカンジョークはすごく沢山あって、俺が好きなジョークを一つ。

 若いブロンドの女性が医者に訴えている。
 「先生助けてください。私、身体中が痛いんです。」
 「どんな風にですか?」
 女は右の膝に触り、「ここが痛いんです。」
 次に左の頬に触ると「あ痛っ!ここもです!」
 さらに右の耳たぶに触って、「ここも痛いんです。」
 医者「あなたの人差し指は捻挫しています」

どうやら、こういったブロンドジョークは、遡っていくとマリリン・モンローのイメージから来ているようで、マリリン・モンローのようなブロンドのセクシーな女優の活躍を妬んだ人たちの「でも、どうせ頭は悪いんでしょ?」というような嫉妬から始まったらしい。(本当かどうかはソースがしっかりしてないので定かではないが)
嫉妬もここまで行くと面白い。