俺の目の前にディッシュに入れられた生後1週間の仔ネズミが一匹。
(~中略~)
ある意味、二度目に医療に携わったのかもしれない。

今日も仔ねずみを犠牲にしてしまいました。
実体顕微鏡下で大脳皮質だけを分離した後、何工程か踏んでただ遠心分離に何度かかける。
遠心分離というのは名前だけ聞くとなんだか難しそうだけれど、結局のところ遠心力で重い物質を底に集めてるだけで、俺が必要としてる細胞は当然重いので底にかたまる。
そこで、上澄みとこの細胞の塊を分けるわけだが、どうやって分けるかというと単純に上澄みを吸ってやればいいわけで。
そんなこんなで上澄みを吸い

「シュボボボ!!!」

眼にも止まらぬ速さだった。
底にあるはずの白い塊、工程が正しく踏めていたならば俺が目指すアストロサイトの塊であったであろう物体は、陰圧がかけられたチューブの中に消えていった。

仔ねずみ本当にごめん。(ふざけているように見えるかもしれないが本当にかなり落ち込んだ)





というような、昼からかなり落ち込む実験上の失敗をして、それでも落ち込んでるだけではダメだろうと、反省点をノートに書き留める。

「次回からは極力ゆっくり吸う」

こんなくだらない反省点を書くために、あの仔ねずみは犠牲になったのか。
、というようなことは考えてはいけない。
実験のプロトコールというのは、「最初これやります、次こうして、これ入れます!」みたいなことが書いてあるだけであって、当然俺のような実験初心者を想定しているわけではないから、こういう細かい注意点(普通にわかることだけれど)を心に刻むことができたのは、大きな前進だと考えている。
体罰には反対だけれど、痛くなければ覚えない、というのはある程度真理であって、
ここで、"痛い"というのは誰かが与える"痛み"ではなくて、"自分を責める痛み"じゃないかな、と思う。

また、この反省点だけで今日の経験を総括してしまうのは当然愚の極みで、ここから派生させて、頭の中でのシミュレーションをより精密にしていくべきだ、と思いました。

とりあえず、今日はそこで実験は終えて、TIMEを熟読。
2日で35ページ(もちろん写真とかだけのページも含めちゃってます)で、残すところ13ページ(当然のところ写真のページは含まれていません)。
なんか、気のせいか、前号よりスラスラ読める気がする…

通学、通勤、煙草休憩中、就寝前は常にpod castでサイエンスニュースを聴いていました。
なかなか最近リスニングだけのための時間というのが取れなくて、隙間時間でやるしかない、という感じです。
が、リスニングのほうも話の大筋はわかるようになってきました。
なんか、なんだろう、山を越えたかな?という感じです。

USMLEのほうは今までやってきて作ったノートの復習をしました。
まだ血液学・腫瘍学の1/4程度しか終わってないのですが、もう書いてある英文すべて丸暗記という状態で進んでますので、だんだん勝手がわかってきてスピードアップすることを期待してます。
というかスピードアップします。
なぜ丸暗記するか?
これは論文を書くときに大いに役立つと思うからで、また医学英語が未熟な部分もあり、とりあえずしばらくは効率は悪いですがページ丸ごと暗記でいくつもりです。