中国・習副主席「日本はパートナー」 公明代表と会談
【北京=地曳航也】公明党の山口那津男代表は15日、北京の人民大会堂で習近平国家副主席と約50分、会談した。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で冷え込んだ日中関係について習副主席は「両国の共通利益は意見の食い違いをはるかに上回る。中国は日本をパートナーとみなし、ライバルとはみなしていない。中国は覇権を求めない」と強調した。
山口氏は「尖閣問題が結果として両国の国民感情を損なったのは残念だ」と表明し、関係改善へ民間交流の重要性を訴えた。北朝鮮の核問題解決に向けた日中協力の必要性も強調したが、習副主席から具体的な言及はなかった。
習副主席は尖閣沖での衝突事件に関して「両国関係は深刻な損害を与えたが、改善に向かっている」と指摘した。
習副主席が胡主席の後継者に事実上、確定した後に日本の主要政党トップと会談したのは初めて。公明党は日中国交正常化の前から中国共産党と良好な関係を築いている。山口氏と習副主席は公明党と中国共産党の政党間協力を強化することで一致した。
山口氏は張志軍外務次官とも会談し、北朝鮮問題での日中協力を求めた。先週、戴秉国国務委員に同行して北朝鮮を訪れ、金正日総書記との会談に同席した張次官は「北朝鮮は6カ国協議による解決を希望している」と述べた。