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★3 | シン・エヴァンゲリオン劇場版(2021/日) | やってることは旧劇のレベルと変わらず、抽象的な空間で戦闘と会話を繰り返すだけで正直うんざりなのだが、もういいんじゃないだろうか。これは90年代半ばにTVシリーズと旧劇で傷付いた魂たち(庵野含め)を浄化するセラピーと割り切ろう。いくらでもケチをつけられるが、振り上げた拳に怒りを込め続けるには20数年は長すぎた。こちらも年を重ねて疲弊している。何でもいいから決着をつけて次に進みたいのだ。 | [投票(2)] |
★4 | 絶壁の彼方に(1950/英) | 『バルカン超特急』の脚本家が監督。言葉の通じない異国で警察から逃げ惑う、まさにヒッチコック風の巻き込まれ型。序盤の逃走劇から劇場への入出場、ロープウェイに山岳地帯まであの手この手のサスペンス演出が非常に楽しい。ヒッチ好きなら必見。 | [投票] |
★4 | 花形選手(1937/日) | 清水宏といえば「道」だが、本作は学生の行軍教練を描くことによりほぼ全編「道」のショットが続く。行軍についてくる子供たち、意地を張って追いついたり追い越されたりを繰り返す婦人方など、映画が進むうちに素晴らしい幸福感が充溢する。また、本作のディゾルブはどれも時間経過のお手本として教科書に載せていい出来だろう。傑作。 | [投票(1)] |
★4 | スナイパー/狙撃(1996/英=カナダ) | 珍妙な面白さを持つスナイパーもの。1時間経っても狙撃目標すら分からんし、何を考えているのかさっぱり理解できないが行動だけは丹念に映す。しかも、件のビルがビニールカーテンと延々続く豪雨による水溜りに覆われており、雷鳴も含めて矢鱈に黒沢清風のJホラーっぽさがある。神出鬼没の警備員やラングレンがまるで幽霊のように見えてくる、全編謎の緊張感。気に入った。 | [投票] |
★4 | コンジアム(2018/韓国) | youtuberVS韓国最恐心霊スポットという企画が秀逸。資金力があるのでドローン、GOPRO、広角カメラ等各種機材が揃っているのが上手い。POVホラーは元々カメラも少なく照明機材もしょぼい低予算な状況を逆手に取って生まれたもの。そこにアップや空撮、固定ロング迄導入したのはジャンルの可能性を広げたと思う。この手のホラーでは『VHS ネクストレベル』のギャレス・エヴァンス編に匹敵する怖さ。 | [投票] |
★4 | 笑う窓の家(1976/伊) | ジャーロも70年代後期になるとベルトルッチ影響下(特に『暗殺のオペラ』)のものが撮られていたのだなあ、と興味深く観る。確かに面白い出来。 | [投票] |
★4 | イエスタデイ(2019/英) | このダニー・ボイルは面白い。ガラスや扉、モニターを隔てた演出の一貫性、会話への闖入者の頻度。失礼は承知だが、こういう芸当ができるなら今までの作品は何だったのかとすら思う。 | [投票] |
★4 | チャイルド・プレイ2(1990/米) | リメイク作も決して無視できぬが、シリーズではこれが一番良い。程よく持続する1ショット、夜のショットの黒味が中々悪くない(撮影は『シザーハンズ』~『エド・ウッド』までバートン作を担当したチャプスキー)。ショックシーンが起こるまでの溜めや、シーツの裏で蠢く影などさりげない見せ方の上手さが光る。やはり工場を舞台にする映画は見応えがある。 | [投票] |
★5 | 水の娘(1924/仏) | ルノワール的詩情はデビュー作にして全開だ。川の緩やかな流れと木々の揺らめき、船上から捉えた陸の移動、白馬に料理を作る女性にかかる木漏れ日などで冒頭から魅了される。中盤のトリック撮影も原初的な迫力に満ちている。女が崖から転がり落ちるショットを割らずに撮っているのにも驚愕。個人的にはこの監督中でも五指に入る出来。 | [投票(2)] |
★2 | TENET テネット(2020/米) | 順行と逆行運動を同画面に同居させて見たことない映像を作ろうとの意気は買う。問題はそれが1ショットで明快に撮られている画が無く、どのアクションシーンも端的に死ぬほど見づらい。ベトナムの洋上とロシアの戦場を並行して繋ぐシーケンスも場面の緊張を損ない、ただただトロさを増してるだけ。 [review] | [投票(3)] |