戦争に勝った国のことは、「勝戦国」、「戦勝国」、どちらが正しいですか? 日本国語大辞典第二版(小学館)には、「勝戦国」の語に夏目漱石の用例を引いていますが、「戦勝国」は見出し語にありません。 また、戦争に
戦争に勝った国のことは、「勝戦国」、「戦勝国」、どちらが正しいですか? 日本国語大辞典第二版(小学館)には、「勝戦国」の語に夏目漱石の用例を引いていますが、「戦勝国」は見出し語にありません。 また、戦争に 負けた国の呼称は、「敗戦国」のみが使われ、「戦敗国」は絶対に言わないのですが。 なぜ、「戦勝国」といういい方が成立するのかが分かりません。教えてください。 関連する解決済み質問、及びその「不思議な回答」 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q124813312
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ベストアンサー
本来、漢語としては「戦勝国」、「戦敗国」であるべきで、「敗戦国」は間違いです。 「戦いに勝つ」、「戦いに敗れる」だから、「勝戦」、「敗戦」だろうと考えがちですが、正しくありません。 「登山」(山に登る)、「帰宅」(家に帰る)などと同類のように錯覚しがちです。 ですが、それは「オランダに勝つ」、「オランダに敗れる」のケースです。 「戦いに勝つ」「戦いに敗れる」の場合、勝った相手、負けた相手は「戦い」ではありません。 「に」という助詞のはたらきが違っています。 「戦いという場において勝つ」「戦いという場において敗れる」です。 漢語の「戦勝」とは“戦って勝利を収める”という意味です。 「戦勝記念日」を「勝戦記念日」と言わないのは、勝った相手は「敵国」であって「戦い」ではないからです。 「終戦」は「開戦」の対義語です。 “敗戦をごまかしている”と言うのはどうかしています。 常に勝敗について触れなければならないというのはおかしな話です。 どうしても言わなければ気が済まないなら、「戦敗記念日」と言ってもらいたいものです。 「敗戦」では、 1.名詞“負け戦” 2.動詞“戦をだめにする” という意味になります。 >「敗戦国」のみが使われ、「戦敗国」は絶対に言わないのですが。 そんなことはありません。 たとえば「東京高裁昭和40年01月30日判決」 >戦勝国が戦争遂行に伴つて蒙つた人的物的各般の損害を補填するため、その勝利者としての立場において戦敗国に対し、賠償名義の下に金銭その他の財貨を要求するのは古来よりの国際慣行ともいうべきところ >果して戦争責任が戦敗国の側にのみ存するか否かは問わず、… http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/answer.php?qid=1043738175&anum=111643114&mod=1 など。
質問者からのお礼コメント
諸橋大漢和や白川静・字通も調べてみました。 ①勝国には「亡国」の意がある(字通801頁)。負けた国側が「戦勝国」と呼ぶのは舌戦で続きを…? ②戦捷国=勝ち戦で分捕りした国、が元の意味と。逆は戦負国=負けて基地や賠償を背負った国になりそうですが、戦負という語が元々ない。 ③戦敗国は諸橋大漢和にない。 なお、判決文は悪文の代表とされる例も多く(国語教科書に良文として載る日は来ないでしょう)、用例として疑問です。
お礼日時:2010/7/19 12:42