船井幸雄グループ社員の、日々もの思い、考へる

このページは、船井本社グループスタッフによるコラムページです。 「これからは“本音”で生きるのがよい。そのためには“本物の人間”になることが大事」という舩井幸雄の思想のもと、このページでは、社員が“本物の人間”になることを目指し、毎日の生活を送る中で感じていること、皆さまに伝えたいことなどを“本音ベース”で語っていきます。

書:佐野浩一
船井幸雄グループ社員の日々もの思ひ、考へる あの社員の一日を公開!
鳥インフルエンザからニワトリを想う
2011.2.4(Fri)
社名:(株)船井本社 秘書室
名前:藤原 かおり

 皆さんこんにちは。『船井幸雄.com』の内容が刷新し、1ヵ月が過ぎました。皆さん、もうご覧になっていただいているでしょうか。もしご意見、ご感想などがありましたら、ぜひお寄せくださいね!→ info@funaiyukio.com
 (株)船井本社で『船井幸雄.com』を担当している藤原かおりです。
 今日は立春。今日から1年のはじまりとも言えるようなので、また気持ちを引き締めていきたいですね!

 さて、いま鹿児島、宮崎県境の霧島連山・新燃(しんもえ)岳での噴火がすざましいですね。周辺の方々の心労や疲労、不安などを考えると、私も胸が痛みます。
 そんな噴火の前には鳥インフルエンザの問題も取りざたされました。
 今回はその鳥インフルエンザについて、考えてみたいと思います。

 鳥インフルエンザの感染ルートなどは、まだはっきりしないようですが、私は何と言っても、鳥インフルエンザの疑いが発覚した養鶏所での生々しいニワトリたちの殺処分の様子をテレビで見て、心底ゾッとしました。
 感染の疑いがあるからと、養鶏所全体に殺虫剤を蒔いてニワトリ全部を殺処分にしたり、人間がゴム手袋をはめた手で手づかみで片端から生きたニワトリをポリバケツに入れる様子が映っていました。ポリバケツに入れられたニワトリは、ガス注入をされ、窒息死させられるようです。自然の賜物であるニワトリに対して、(ほとんどは感染していないニワトリだろうのに)こんなに残酷な処遇をする権利が人間にあるのか…と、ニワトリが不憫に思えてなりません。

 もともとニワトリに対する私の思いには、わりと深いものがあります。
 というのも、時ははるか昔、私の小学生時代に遡りますが、私は香川県のとある小学校に通っていました。その通学途中には養鶏所があり、養鶏所に沿った細い道を挟んで反対側には田んぼが広がっていました。その100mほどの細い道を通って小学校に通っていたのですが、背の低い小学生には、養鶏所で飼われるズラッと並んだニワトリたちが丸見えでした。向きも変えられないほどギュウギュウに一列に押し込められたニワトリたち。ニワトリたちの下には産み落とされた卵がズラッと並び、その下には糞の山。時々死んでいるニワトリも見えました。
 そして、ちょうど反対側の田んぼの稲が実る夏の頃は、背の低い小学生にとって稲が高い壁となり、暑いさ中の糞のにおいも最高潮(?)に達し、その細道は本当に地獄のようでした。
 この道を通る私たちもつらかったのですが、この暑くて臭い中、向きも変えられないほどギュウギュウに詰め込まれ、コッココッコと鳴いているニワトリの姿もかわいそうにも思ったものです。

 その頃の噂では、あのニワトリたちは、卵が産めなくなると処分され肉にされるのだ、とか、夜でも卵を産むように灯りを調整されている、とか、少しでもたくさん卵を産むようにエサにホルモン剤を混ぜられている…とか、いろいろと言われていました。その真偽を確かめたことはありませんが、おそらくけっこう当たっているのでしょう。

 思えば、その頃からニワトリは私にとって「不自由」の象徴であり、その細道を通るたびに、ニワトリをかわいそうに思う以上に正直、「あぁ、私はニワトリに生まれてこなくてよかった…」と胸を撫で下ろしたものです。

 そんなビジョンが私にはいまでも焼きついていますが、現在に至って考えてみても、世の数多くの動物の中でもニワトリほど人間の都合を押し付けられ、犠牲にされている動物はそういないのではないか…と思えてなりません。
 人間の都合で、ニワトリは本来は飛べた羽根の機能も失わせられ、まさに卵を産ませるためにあらゆる操作もされ、もちろん肉として殺されたりもします。その上、エサ代さえコスト削減のため、本物の穀物などの飼料ではなく、化学肥料配合の飼料がほとんどだと聞きます。

 そもそもその化学肥料配合の飼料に、口蹄疫や鳥インフルエンザの大きな原因がある、と野島クリニックの野島尚武院長はおっしゃっています。野島先生によると、鳥インフルエンザも口蹄疫も、家畜にとっての風邪や現代病と言えるものであり、十分なミネラル分のない化学肥料配合の飼料を食べて育つと、抵抗力がつかず、すぐに病気になってしまうのだそうです。

 おいしい卵とお肉を提供してくれるニワトリには、せめて栄養豊富な自然のエサをあげよう、という人的配慮が少しでもあれば、鳥インフルエンザだって起こらなかったのかもしれないのです。
 私には、ニワトリに対する人間の処遇には、人間の“エゴ”が凝縮されていると思えてなりません。

 そして鳥インフルエンザ騒動の後に起こった霧島連山噴火……。これはあまりに自然(ニワトリ)を冒涜した人間に対する、ニワトリたちの怒りであり警告であり、ある意味復讐のように思えるのは私だけでしょうか…。


※養鶏農家の方の中には、健康なニワトリの育成と環境づくりに尽力されている方も大勢いらっしゃるかと思います。今回は一般的な視点から書かせていただきました。ご了承願います。

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