トヨタのおひざ元で「不正車検5000台」の衝撃
2021年04月11日 10時54分 東洋経済オンライン
2021年04月11日 10時54分 東洋経済オンライン
2021年04月11日 07時00分 東洋経済オンライン
「今回のような不正が本当にありえるのかと思った。どんなに作業が忙しくても絶対に越えてはならない一線だ」――。トヨタ自動車の販売店で発覚した不正車検について、他メーカーの販売店社長はそう口にした。
国土交通省中部運輸局は3月30日、ネッツトヨタ愛知の販売店(プラザ豊橋)の不正車検に対する行政処分を発表した。法令違反の対象台数は5158台。この店で2018年12月22日~2021年1月13日に車検を行ったすべてに当たる。ネッツトヨタ愛知を含めて4つのトヨタ系販社を持つATグループ(名証2部上場)は、愛知県内で最大手のディーラーだ。
今回の不正は2020年12月、中部運輸局が行った抜き打ちの監査で発覚した。プラザ豊橋では、排ガスの一酸化炭素濃度やスピードメーターの誤差、サイドブレーキの制動力などに関する点検・検査を省いて基準適合証を交付したり、実際に検査したかのような虚偽の整備記録を作成したりしていた。
不正に関与した整備士は中部運輸局の監査に対し、「過剰な入庫が常態化し、顧客を待たせないように一部の検査を省いてしまった」と話したという。
自動車販売店における車検は、国が行うべき業務を代行するもので、販売店には「指定工場」、整備士には「自動車検査員」の資格が国から与えられている。今回の不正で、中部運輸局はプラザ豊橋店での自動車整備事業の指定を取り消し、整備士8人のうち不正に関与した整備士7人について自動車検査員の解任命令を出した。