10月1日に東京都と沖縄県で「暴力団排除条例(暴排条例)」が施行され、全都道府県で暴排条例が施行されることとなった。企業は反社会的勢力とどのように向き合っているのだろうか。
帝国データバンクの調査によると、企業に「暴排条例対策として現在行っていること」を聞くと、最も多かったのは「弁護士と定期的に相談できる体制を作っている」で18.7%。以下、「原則、契約書へ『暴排条項※』を入れることにしている」が16.6%、「警察と定期的に相談できる体制を作っている」が10.7%、「社内研修を行っている」が6.1%で続いた。一方、「何をすればいいか分からない」(23.2%)や「当面、具体的対策をとる予定はない」(38.6%)とした企業も少なくなかった。
「原則、契約書へ『暴排条項』を入れることにしている」という企業は、業種別にみると「金融」(59.7%)や「不動産」(58.7%)で高く、規模別にみると「大企業」(35.6%)の方が「中小企業」(14.9%)より高くなっていた。
暴力団との関わりでこれまでに体験したことを尋ねると、「特にない」が82.9%と大多数だったが、「不当な利益供与を要求された」(9.3%)や「業務遂行に関して制止や方向転換の圧力を受けた」(3.0%)、「既存取引先が後になって反社会的企業であることが判明した」(2.2%)といった声も少なからず寄せられた。
業種別にみると、「不当な利益供与を要求された」は「小売」(17.7%)や「建設」(16.6%)で多く、「既存取引先が後になって反社会的企業であることが判明した」は「金融」(9.0%)で多くなっていた。
また、個別では「銃弾が打ち込まれた」(建設業)、「電線を切断された」(製造業)、「日々、暴力団との戦い」(製造業)などの例も見られることから、帝国データバンクでは「一層の警察の保護体制の充実が望まれる」とコメントしている。
郵送による調査で、対象は全国の企業1万746社。調査期間は10月19日から31日。
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