イギリスで520万人以上がワクチン接種完了 全成人の9.9%

A dose of the AstraZeneca vaccine being prepared

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イギリスで全成人の9.9%が2回のワクチン接種を済ませた

イギリス政府の統計によると、全成人の9.9%にあたる500万人以上が2日までに、2度の新型コロナウイルスワクチン接種を受けた。

統計局によると2日には24万6631人が2度目の接種を受け、計520万人になった。1度目の接種を受け終えた人は3140万人に上る。イギリスの人口は約6700万人。

ワクチン接種の進展に伴い、3日には新型コロナウイルスによる1日の死者の報告は10人と、昨年9月14日以来最も少なくなった。ただし、イギリスではキリスト教の復活祭(イースター)にあわせた連休中のため、それが少ない報告件数に関係している可能性もある。

3日に確認された新規の感染者は3423人。

ボリス・ジョンソン英首相はツイッターで、ワクチン接種事業の「一里塚」到達を歓迎し、「自分の番が来たらできるだけ早く、2度目の接種を受けてください」と呼びかけた。

マット・ハンコック保健相は、これで80歳超の半数がすでに2度の接種を済ませたことになると話した。

Graph showing total UK vaccinations
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イギリスの4月2日までのワクチン接種状況。オレンジ色が1度目の接種。赤が2度目の接種。2日までの7日間で169万8247人が1回目、191万1988人が2回目の接種を受けた

英政府は現在、ワクチン接種の優先度が高い人たちへの2度の接種を完了することを優先しており、2日までの4日間、2度目の注射を受けた人数が1度目の接種を受けた人の人数を上回った。

2日に1回目の接種を受けた人は10万7420人で、政府が日別の接種件数を公表するようになってから最も少ない。ただしイースターの連休が少ない人数に影響しているかもしれない。

ワクチン接種とロックダウン規制の組み合わせによって、新型コロナウイルス感染症COVID-19のためイギリス全土で入院中の人数は、昨年10月5日以来最も少ない3536人になった。

ナディム・ザハウィ・ワクチン担当相は、特に感染リスクの高いグループの接種を完了すれば、新型コロナウイルスによる死亡リスクの99%に対応できると述べた。

副反応が注目されている英オックスフォード/アストラゼネカ製のワクチンについては、英医薬品・医療製品規制庁がBBCに対して、3月24日までにイギリスで同じワクチンの接種を受けた1800万人の内、接種後に血栓が見つかった人は30人で、そのうち7人が死亡したと明らかにした。ワクチン接種との因果関係はいまだに不明で、規制庁は、同ワクチン接種によるメリットがリスクを上回ると話している。

徐々に行動制限を緩和

イギリスは次第に、パンデミック対策の行動制限を緩和しつつある。

イングランドでは3月29日から行動制限が緩和され、最大6人あるいは2つの世帯までなら、屋外で集まることができる。屋外の接客イベントと全ての店舗は4月12日から営業を再開する見通し。

介護施設への訪問規制も4月12日から緩和され、居住者1人につき決まった来訪者2人が施設内で面会することができるようになる。

ウェールズ、スコットランド、北アイルランドもそれぞれ、屋外で複数人が集まることを認め始めている。

ただし、ジョンソン首相はイースターの連休にかけて、たとえワクチンを受けていても他の世帯の人と屋内で会うのは控えるよう呼びかけている。

Graph showing daily deaths from coronavirus in the UK
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新型コロナウイルス陽性となり死亡した人の数(4月3日まで、7日間平均)