少し前のことなのですが、実験動物感謝式が大学の講堂で行われました。
要は、実験動物の慰霊祭です。代表の先生の感謝の言葉の後、全員で献花しました。
私も研究室でラットの赤ちゃんを使って実験させてもらっているので、研究室の皆さんと一緒に参加しました。
服装が、スーツや礼服とかではなく、「白衣」と指定があったので驚きました。白衣って正装なんですね( ゚д゚)
感謝式では、この1年間、実験に貢献してくれたマウス、ラット、うさぎ、イヌなどの個体数が読み上げられましたが、いちばん多いマウスは万単位でした。
初めて実験でラットの赤ちゃんに手をかけた時は、淡々と行いましたが、正直、ためらいや申し訳なさ、そしてちょっと衝撃がありました。生物を使った実験手技を学ぶために今の研究室に所属させてもらったので当然想像はしていたのですが。
今まで普通に生きてきて、哺乳類を自分の手で殺すなんて初めての経験だったので…いやでも私焼肉とか大好きだし結局哺乳類の命をいただいてることには変わりないのですが、自分の手で、というのが衝撃的でした。
そしてまたラットの赤ちゃんは本当にかわいいんです(´д`、)手のひらにおさまるくらい小さくてあったかくて、白くてフワフワの毛が生えていて、目はまだ空いてなくて、ピンク色の猫耳(猫ではないですが)とピンク色のしっぽがあって、鼻をふんふんさせています。
そのいたいけな様子が1歳の息子とちょっとかぶって見えてしまいました(´・ω・`)
脳に発現している遺伝子を解析したいので…麻酔で眠らせた後、頭をキッチンばさみで落とし、頭皮を剥いで頭蓋骨を切って脳を取り出して、顕微鏡下で大脳を切開、中脳と橋・延髄に分けて、回収します。
生物が死ぬとすぐに細胞内で変化が始まるので、この工程を大急ぎで行います。1匹あたり5、6分くらいかなぁ。
一度の実験で少なくとも20匹くらいの赤ちゃんラットたちを殺めることに。。
でも、この研究室に所属できたことは本当に良かったと思っています。マイクロピペットの使い方1つにしても、実験の手技は、やったことがあるかないかで正確さと結果が全然変わってくるからです。医師は、臨床だけでなく研究に携わることが多いので、学部生のうちに教えていただける機会に恵まれたことは幸運でした。
先生は根気よく丁寧に教えてくださるし、同期メンバーもその他の皆さんも良い方ばかりで、本当に人に恵まれました。
私にできることは、命を使わせていただいているという自覚を持って、それを無駄にしないために真面目に実験をすることかなぁと思います。
まだペーペーですが、できれば生命科学を一歩でも前に進めることができたら、それが赤ちゃんラットに報いる唯一の方法だと自分に言い聞かせています。
コメント
コメント一覧 (6)
今受験生の立場なのですが、研究室への一回生からの出入りや、研究室がどれほど多くの種類があるか と言うのは国立大学ならあまりどこでも同じなんでしょうか?それとも三重大学が
特別 研究が盛んと言うことですか?
現在三重、岐阜、信州、それか神戸か北大を考えていて、医学部はどこの大学でもやることが同じとは言っても、なるべく学生のうちに吸収できることが多い大学へ行きたいと考えているので(将来は研究ではなく臨床医志望です)、わかる範囲で教えてください。
( ̄^ ̄)ゞ
こんにちは、コメントありがとうございます。他の大学のことにあまり詳しくなくて申し訳ないのですが、研究においては、やはりいわゆる旧帝国大学(東大、京大、阪大、北大など)が強いんじゃないかなと思います。私がそう思う理由の1つは、旧帝大では、地方国公立大に比べて、圧倒的に科研費(文科省からの研究補助金)を多くもらっている研究室が多いからです。これは、魅力的な研究を行う研究者が旧帝大に多く集まっていることを示しています(科研費は大学ごとではなく個々の研究ごとに割り振られます)。研究室数や講座名が似ているように見えても、お金があるかないかで、雇える技術員さんの人数や買える機器が変わるし、できる研究の幅は変わってきます。もちろん、旧帝大でもお金がない研究室もあれば地方国公立大でも頑張っている研究室もあるし、学生を育てようという風土や失敗に寛容かどうか、などは大学名というよりその研究室の教授や講師の先生たちの考え方によるかなと思います。ただ、旧帝大なら、お金もあって魅力的な研究室に入れる可能性が高いので、学力や家庭の事情が許すなら、私なら旧帝大を選ぶかもしれません。
三重大に関していえば、地方国公立大の中では、学生の研究室研修にかなり力を入れている方かなと思います。もしお時間があれば、こちらの微生物学の先生が書かれた、三重大の研究室研修システムがわかりやすいです。http://www.chnmsj.jp/kenkyuui_torikumi29.html
私の学年は、1年生時から研究室に籍を置いている人は他学年に比べてとても多かったです。先生方も丁寧に教えてくださる人が多いように思います(*^^)v
答えになってますでしょうか?もし何かありましたらまた聞いてください♪
勉強の質問で、古文についてですが、
古文が全くできません15点ぐらいしか取れません。それに、評論や漢文で満点近く取るために、古文に費やせる時間が10分ぐらいしかありません。
10分で30点取る方法がもしあれば教えてください。
それと古文は(20分でやるとしても)文章の隅々まで全部理解して読んでましたか?
それとも分からない箇所は傍線部周辺以外だったらあっても問題ないのですか?
国語は得意だったと書いてあったので、質問させていただきました。よろしくおねがいします。
こんにちは、コメントありがとうございます。
古文の勉強の方法についてですが、一度こちらのセンター科目勉強法の記事を参照していただいて、また個別で質問があれば聞いていただけますか?⇒http://chierinrin51.blog.jp/archives/11095467.html
基本的には、センターレベルの文法と単語を完璧にして長文を解きまくるしかないかなと思います(^_^傍線部周辺を中心にして、文章全部にさっと目は通してました。でないと最後の問題が解きづらくなってしまうので…
古文漢文は理系にとって厄介な科目ですよね。しないと点数全然取れないし…志望大学の国語の配点にもよりますが、もう割り切って、ある程度時間をかけて勉強するつもりでいた方が良いかもしれません。
祖父、両親共に医師家庭で育ち、当たり前のように医学部へ行くものだと思って勉強してきました。家族のおかげで、経済力も学習環境も本当に恵まれていたので、成績も今のところ問題ないのですが、昔から動物が大好きすぎて、動物実験をやれる自信が全くありません。家族には、「みんな初めはそんなものよ、でもそのうち絶対慣れるから」とか言われますが、そう言うレベルではないほどに、本当に動物たちが愛おしくて、家でも色んな種類を飼って可愛がっています。
そこで、質問なのですが、動物実験というのは、今の医学部でも、やはり、絶対に避けては通れないものなのでしょうか?
コメントありがとうございます。お返事遅くなって申し訳ありません!
自分で直接動物に手を下すことは、おそらく避けて通れます。たとえば研究室に所属する時も、動物実験を行う研究テーマに従事しなければ良く(動物を使わないテーマもたくさんあります)、必修授業で行う実験も、おそらく動物は班ごとに当てがわれるので、誰かにお任せすれば大丈夫かと。
医学論文は動物実験によって書かれてるものも多く、それらを読むのは避けられないと思いますが、直接手を下さないことは可能です(^ν^)