▼行間 ▼メニューバー
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
とある貴族の開拓日誌 作者:かぱぱん

序章

7/162

働くよ。

次の日、親父は牢を出され、そのまま帰って来なかった。

最期まで俺に謝り続けてたが、俺は一言も口を聞いてない。


牢に入って三日目、俺も牢を出され、また縄を打たれて馬車に放り込まれた。

この一週間ほど、ろくに飯を食ってないので、ふらふらである。

日光がやたら眩しい。


「降りろ。」


騎士ではなく、一般兵っぽい軽装の兵士に蹴り上げられる。

馬車に揺られたのは五日ほどか。

扱いは、最低以下。

こいつらにとって、俺は存在すら感知しなくても問題ないらしい。

一日一食で、具の少ないスープだったが、飯は出た。


さて、連行されたのは鉱山だった。

どう考えたって、強制労働というやつに従事させられるんだろう。

俺はもう何も考えてない。

考えても、どうなるかなんて、はっきりしている。

虫けら以下の人生を、俺はここで過ごすのだ。

親父は、もう処刑された頃だろうか。

母親とは結局顔を合わせなかった。

無事、と言う事はないだろう。


そういや、前世で学生の頃、建築現場でバイトした事があったが、アレはキツかった。

アレよりキツいお仕事を、労働基準法なしでやれ、と。

ダメだ、考えるのはよそう。



こうして、俺は貴族から奴隷なった。

【奴隷】

如何なる権限も持たない身分。

王国法では、奴隷に分類を設けていないが、国有の奴隷と個人所有の奴隷とで分類されるのが一般的である。


国有の奴隷は、鉱山や国家土木事業での労役や、戦争などで使われ、国有奴隷のまま解放される事は稀である。


個人所有の奴隷の用途は多岐に渡り、従ってその扱いも千差万別である。


また、生物としての権利等は一切保持出来ない為、納税や兵役の義務も発生しない。

  • ブックマークに追加
ブックマーク登録する場合はログインしてください。
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはマニュアルをご確認ください。

名前:


▼良い点
▼気になる点
▼一言
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。