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とある貴族の開拓日誌 作者:かぱぱん

序章

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お勉強だよ。

俺は三歳になった。

一度、二歳ぐらいの時に高熱をだして死にかけたが、魔法の治療で快癒した。

魔法、便利だね。

魔法によって一度に注ぎ込める魔力の制限があったり、複雑な計算式、起こす現象に対する深い知識なんかが必要で、なんだかんだで限界があり、万能ではないらしいが。


三歳になると、俺に家庭教師がついた。

俺は前世から、勉強は苦手である。

一応、大学は出たが世に言う『自分の名前を漢字で書ければ受かる大学』で、入試問題はマークシート。

特に苦手だった英語など、一問もわからず全部適当にチェックをつけた。

そんな俺なので、家庭教師の教育についていけるか、それはもうビビっていたのだが…


「素晴らしい!」


四十歳前後のおっさんが目を丸くしている。

文字の習得や礼儀作法なんかはちょっと躓いたものの、算数に関しては三歳児レベルなど暗算でやっても余裕である。

あと、元々好きで大学でも専攻した歴史や地理に関しても、それなりの成績である。

その過程で、この世界の文明は歴史が長い割には発達していない事を知った。

若干、地球とは文化や発明の歴史が異なるが、歴史区分で言うなら封建制度なので中世。文化レベルで言えば近世的なところもあるが。

魔法があるからかな、と思ったりもしたが、先生に聞く訳にもいかないので、そうゆうもんなんだと無理矢理納得しといた。

地球と、歴史が違えばそんなもんだろう。

なにより俺は、しばらくは良い子ちゃんでいるつもりなのだ。


「先生、魔法は教えてくれないのですか?」


ある日、家庭教師に聞いてみた。

そりゃ使えるもんなら使いたい。


「アルマンド様、魔法は五歳から学び始める、というのが王国の決まりなんです。」


「どうして?」


「魔力を感じる事ができるようになるのが、それぐらいだからですよ。」


先生曰く、身体のどこかに魔力を感じ蓄える器官が五歳ぐらいで発達し始めるそうで、それまでに魔法を使おうとすると、えらい事になるそうな。

具体的には、未発達な器官が暴走し、魔物化したり、他の臓器に致命的ダメージを与えたり、発狂したりと、ろくな目に遭わないらしい。

五歳まで、魔法を使ってみようとは間違ってもしないと、俺は誓った。


ちなみに、魔力の感じ方は人によって違うらしい。

魔力を視覚で捉える者、実際に触る事ができるもの、なんとなくあるっぽい感覚しかない者、実に様々だ。ある程度は遺伝するらしいが。


そんなわけで、俺は五歳になるまで、この家庭教師に色んな知識を詰め込まれたのであった。

【魔法】

体内の魔力で、何らかの事象を発現する技術。

体外の魔力も同時に利用する技術は、魔術と呼ばれ既に遺失した技術である。


全ての魔力は、神界や魔界と呼ばれる現世とは隔絶した世界に住まう神々がソースとなっている。

現在わかっているだけで、十二柱の魔神がおり、原則として種族によって神と親和性が決定され、個人の資質によって魔力の総量が決定される。

神との親和性は、発現する事象に影響を及ぼし、魔力の総量は使用出来る魔法の数を決定する。

また、魔法には属性があり、個人の資質や神々との親和性によって扱える属性が決定される。


例えば、エルフは風と水の神と親和性が高い者が多く、魔力の総量は押し並べて高い為、この二つの属性に関しては、多くの魔法を操る、非常に優秀である魔法使いが多い。


ドワーフの場合、土と火の神と親和性が高いものの、押し並べて魔力の総量が低い為、親和性のある土と火であっても、多くの魔法を操る事は出来ない者が多い。

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