最近何件かお問い合わせいただいているので、国公立後期の勉強法について書きたいと思います。後期試験は学校によってスタイルがものすごく異なるのでご注意ください。面接についてはこちらの記事を参照してください。→独学受験勉強―面接―
ちなみに私の大学の後期試験は、自然科学や医学などについての英語長文を読んで、日本語で小論文を書くというものでした。3~4年くらい前までは長い小論文を1つ書く形式でしたが、近年は100~200字程度の短い小論文を数問解くという傾向です。どちらにも対応できるようにしておくことが必要です。

「後期試験に向けて小論文対策や英語対策はやるべきか?」という問いに対しては、「必ずやるべき」です。科目が少ないということは、その学力をブラッシュアップさせてきている受験生が多いということを忘れずに。。そして、出願時の倍率は高くても、後期に実際に試験を受ける人数は前期・私立合格者が抜けてかなり少なくなるので、きっちりやって合格をもぎ取ってしまいましょう。


では、小論文と英語に分けて、おすすめの参考書やコツ・ポイントについて書きたいと思います。


まずは小論文。面接と同じなのですが、医系小論文で何を見られているかというと、「論理性」と「優しさ」です。印象に残ろうとして突飛な結論を書く必要はまったくありません。
以下のように考えるとわかりやすいと思います。

論理性:自分の意見を述べ、それに対して誰もが納得する理由を2~3つあげて説明する。とにかくわかりやすく
優しさ:患者さんや弱者の立場に理解を示す。弱者を切り捨てる傲慢な意見になっていないか注意する。


特に後者は「コイツやばい」と思われるとそれだけではじかれる可能性もあります(面接もしかり)。自然科学界・医学界の重要な議論については、背景および賛成・反対両方の意見を押さえておくことが必要です。



医系小論文の参考書や問題集は、文章を構成し、書く練習をするためにもちろん有効なのですが、同じくらい大事なことは、医学界の重要ネタについて知り、前もって自分の意見を整理しておくことです。
私が使った参考書は以下です。


このZ会の参考書がいちばんバランスが良かったかもしれません。背景知識を学べて、書く練習もしっかりできてけっこうおすすめ。





個人的に樋口さんが好きだったので小論文の書き方自体は以下を参考にしました。







そして以下はネタ・背景知識集め。面接にも使った代ゼミの医学部面接ノートは本当に役に立ちました。重要事項はほぼすべて網羅していると思います。何度も読み返しました。かなりおすすめ。





さらにネタを仕入れるためこれも読みました。紹介されているテーマは少し少なめなのですが、その分1つ1つの内容は深かったです。余裕がある人だけで良いかなと思います。





では、実際どのように小論文を書くか。私は次のようにしていました。いきなり原稿用紙を埋めるのではなく、まず制限時間を確認してから、問題用紙のあいているところにラフに構図を描きます。これがめちゃめちゃ重要なので時間の3分の1~2分の1くらい使っても問題ありません。

構図を下書きする順番は以下です。


(1)問いに対してどう答えるか、まず結論を考える。
(2)(1)の結論に対する論理的な理由を2~3つ考える。理由の数は制限字数によって調整する。

字数が多い場合はさらに、
(3)反対意見への理解を示した後、「しかし~」とさらに自分の意見に賛成する理由を述べる。字数が少なければ省略。
(4)結論をもう一度簡潔に述べる。字数が少なければ省略。


構図を元に(1)~(4)の順に原稿用紙に書き、読み返します。上記の「結論」や「理由」を考えるために、参考書で仕入れておいた自然科学界・医学界の重要議論の背景知識を使うことはさきほど言ったとおりです。


私は真っ先に結論を述べることをおすすめします。なぜなら、それが一番わかりやすいからです。
よくある失敗小論文は、書きながら結論を考えようとして具体例や経験談から文章が始まり大事な結論に字数が使えなくなって「結局何が言いたいのかわからない」というもので、これは本当に致命的です。医者に必要な論理性が示せなくなってしまいます。
結論から述べ、構図下書きに沿って書いていけば、たとえ少し表現がこなれていなかったとしても、決して論理性が0点になることはないと思います。少なくとも自分の意見をわかってもらうことができます。先に理由を何個か述べて最後に結論を持ってくる方法は参考書にときどき紹介されていますが、おすすめしません。それよりも、結論→理由→簡潔にもう一度結論、がいちばん読みやすいし慣れると書きやすいです。

また、よくある失敗小論文part2は(現役生に多いかもですが)賢く見せよーと自分でもあまりよくわからない難しい単語や表現を使いまくるというもので、これも採点者の心象が悪いです。なぜなら、これも「何が言いたいのかわからな」くなってしまうことが多いからです。話し言葉丸出しではダメですが、難しい表現ではなく、むしろ、誰もが理解できる言葉で書くことがいちばん賢い答案に見えると思います。



次に、後期の英語長文対策です。前期に比べて難易度が高い場合が多く、自然科学・医学単語がポンポン出てきます。難しい単語だけど(注)に載っていないこともあるし、いちいち(注)をめくっている時間はないので、できる限り覚えておくことをおすすめします(もちろんターゲット1900くらいの一般的な受験英単語はすべて完璧にした上です)。同時並行で自然科学・医学英長文の読解も実践します。

私が使った英単語帳は以下です。全部覚えるのは至難の技ですが、本番でもけっこう出たと思います。






そして、長文は以下の2冊を使いました。全部の問題を解くのには間に合いませんでしたが…






皆さんの参考になれば嬉しいです。




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ラストスパートの時期ですね。ここで気を緩めないで一気に駆け抜けてください。

去年、私が前期試験を落ちてから後期試験本番まで4日ほどしかありませんでした。そんなとき、3月中旬なのに、私の住む町では大雪が降りました。そのとき夫Kちゃんが「やっぱりちえちゃんが合格しない限り春にはならないんだね~」と言ってくれて、なぜかそれを聞いて「よーっしゃやってやる!春を呼び込むぜ!」と思ったんです。
皆さんも「人事を尽くして天命を待つ」の気持ちでできる限りのことをやって、本番力を出し切ってください。





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