こんばんは。模試の受け方について書こうと思っていたところナイスタイミングでご質問いただきました。
どの模試をどの程度受けたか、受け方のコツ、あたしの模試結果の変遷(パソコンが壊れてデータが全部飛んでしまったので、奇跡的に残っていたものと記憶のみですが)についてお伝えしたいと思います。
あたしは河合塾の全統模試をマーク・記述・センタープレすべて受け、駿台は第1回マーク模試とセンタープレテストのみ受けました。その他、もし旧帝大志望なら河合・駿台の大学別模試は絶対受けた方が良いです。河合の医進模試は単科大学向けなので総合大学志望なら全統記述模試で良いです。小論文模試はおそらく大学生アルバイトが採点するので特に必要ないかなと思います。
河合塾の模試を受けるべき理由は2つあります。
1つめは、圧倒的に受験生が多く母集団が大きい試験であること。センター試験受験人数は50数万人で、河合マーク模試受験人数は30数万人です。受験人数が5万人程度の代ゼミ模試よりも合否判定は正確に出ます。
2つめは、マーク模試において問題の難易度がぶれず、最も本番のセンター試験に近い良問であることです。高校時代の予備校の恩師に聞いたのですが、それは、河合塾が他の予備校よりも圧倒的に模試作成にお金と時間をかけているからだそうです。各科目の実力講師が複数人集まり、討議を重ねるとのこと。他の予備校では、1~2人の講師に丸投げされることが多く、検討が不十分で、難易度や質が講師によってバラバラになることが多いそうです。
ちなみに駿台模試は「Soon Die 模試」という別称で知られ、難易度が極端に高いです。河合との差別化を図るためか、おそらく旧帝大・医学部受験生しか相手にしてないんじゃないかなーと思います。旧帝大医学部受験生の方には駿台模試の方が好みという人もいるかもしれませんね。
「机の河合、生徒の駿台、講師の代ゼミ」とはよく言ったもので、模試作成が得意なのは河合塾、生徒が優秀なのは駿台、有名講師を輩出するのは代ゼミ(もっとも今は東進に取ってかわられたかも)、という意味です。少なくとも河合と駿台に関しては真理を突いてると思います。
次に、模試の受け方についてお話しします。模試をあますところなく利用すると良いです。模試は、受ける前、当日、受けた後の3回にわたってものすごく役に立ちます。
1つめは、模試を受ける前、模試の範囲を目安にして学習計画を立てることです。次回の模試の範囲を元に長期・短期の学習計画をたてると勉強がスムーズに進みます。たとえば、地歴や数ⅢCなど、秋には範囲が「全範囲」になるので、それまでに一通りの学習を終えなければなりません。本番を考えるとそれは理想的な進度だと思います。また、模試を受ける際に未習分野があれば、それだけで大幅に点数が下がってしまい、モチベーションが下がるだけでなく、その問題をテスト形式で解く貴重な機会も失われてしまいます。だから、模試までにその範囲を学習しておくということが大事です。
2つめは、模試当日、本番さながらの雰囲気を体験するということです。「あと数ヶ月後の本番の会場にいる」と自分の中で想定します。具体的には、持参する参考書、電車や休み時間の使い方、テスト中の時間配分、パニックになったときの対処法、書きやすい筆記具など、あたしは模試と本番ほぼ同じにしました。ちょっと細かいですが、お昼ご飯の量も…食べ過ぎると眠くなってやる気がなくなるので。。休み時間には、参考書の重要ページに付箋を貼っておき、すばやく見直して頭に叩き込んでいました。
もちろん、本番の試験では緊張するのですが、受験勉強中ずっと「模試は本番のように、本番は模試のように」を意識していたので少しマシだったと思います。
3つめは、模試を受けた後、自己採点して自分の弱みを知りそれをつぶすということです。なんで間違えたのか?なんで点数を落としたのか?分析して、参考書や問題集を使って不得意範囲をつぶします。ちなみに、「時間が足りなかった」はほんとい言い訳できません…限られた時間内で解くことを要求されるのが受験なので。
入試は総合点なので、1つでも不得意科目や分野があると本当に苦労します。得意科目をさらに完璧にして5点伸ばすより、不得意科目を20点伸ばして総合点を上げるのが合格への近道です。
それでは、1年間のあたしの模試結果変遷をご紹介します。
5月、第1回河合塾全統マーク模試。804点、84.6%。
勉強を始めて3ヶ月、目標は85%だったのでなかなかいい線いきました。でも、ビギナーズラックかもしれないし第1回目は簡単だろうし、現役生はまだまだ伸びるだろうし、全然油断はできませんでした。一応1年を通じてマーク模試はずっとA判定でした。
記録してあった点数内訳は、
英語 185
リスニング 42
国語 179
生物 89
化学 92
現社 98
数1A 47
数2B 72
国語はほとんどやらなかったけど文系時代の貯蓄がありました。英語は単語や文法は少しやったけど社会人時代のTOEICが功を奏したもよう。化学と現社はまったく独学で始めたのでこれは自分で自分を褒めてあげたい。
…ですが、ものの見事に数学です。特に1Aひどいですね…結局、最後まで1Aを克服できず苦しむことになりました。
5月、第1回河合塾全統記述模試。
これはデータが残っていないのですが惨憺たる結果でした。確か記述単体でE判定、マークとのドッキング判定でD判定でした。不得意科目の数学でガッツリやられ、マークとはまったく様子の異なる記述化学に戸惑ったまま試験が終わってしまいました。二次試験かなりヤバイと認識。
7月、第1回駿台全国マーク模試。773点、82%。
内訳は
英語 171
リスニング 44
国語 164
現社 78
数学ⅠA 81
数学ⅡB 69
生物 78
化学 89
日程がたった数日しか変わらない下記8月の河合模試の点数と比べても、いかにSoon Die 模試の問題が難しいかよくわかります。。とはいえこの得点率はなかなかショックでした。
8月、第2回河合塾全統マーク模試。855点、90%。画像が残っていました。志望者内2位なのでけっこう良い成績でした。
1Aはまだまだですが、2Bはかなり改善しました。この模試の後、自分がヤバイのはマークではなく記述ということを再確認したので、以降はマーク模試・本番直前以外のほとんどの時間を二次対策に当てました。
9月、第2回河合塾全統記述模試。
努力はしていましたがまだ記述力は身につかず。記述単体でE判定、マークとのドッキング判定でD判定。これを受けてますます二次対策を強化。
10月、第3回河合塾全統記述模試。
記述単体では依然としてE判定、マークとのドッキング判定でようやくC判定に。ずっと二次対策をしていて少しずつ手がかりをつかみ始めました。
11月、第3回河合塾全統マーク模試。809点、85.2%。
夏以降ほぼ二次対策をしていたので少し点数が下がったのは想定内でした。
12月、河合塾センタープレテスト。87%。
1Aは6割台でした。9割超えられなかったのは間違いなく数学が原因なのでセンター数学対策強化。
12月、駿台センタープレテスト。782点、82.3%。
またもや恐るべしSoon Die!!この時期、河合センプレ後の駿台センプレに打ちのめされるのが受験生あるあるです。
内訳は、
英語 173
リスニング 40
数1A 79
数2B 71
現社 86
国語 161
化学 94
生物 78
本番の点数はこちらを参照。→独学受験勉強―センター試験成績開示とセンター勉強法サマリー―
今回、自分の模試の点数を振り返ってみてよくわかりましたが、やっぱり模試と本番の点数は密接にリンクしています。あたしは前期落ちて後期センター+小論+面接で受かったので、結局は練習どおりにしかできないということですね。。
皆さまも模試をフル活用して本番に備えてください。
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よければどうぞよろしくお願いします♪
コメント
コメント一覧 (14)
コメントありがとうございます。ちえりんと申します。ご質問にお答えしますね♪
>国語のコツ、参考書など
この記事中にリンクを貼っているのですが、「独学受験勉強―センター試験成績開示とセンター勉強法サマリー―」に書いています。一読いただいて、もしご質問あれば遠慮なく聞いてください。
>大学時代は古典に触れていたか?
まったく触れていませんでした。文学部なのですが社会学専攻で、また、あまり勤勉な学生ではありませんでした…もともとずーっと国語が得意科目だったので最初からこの点数が取れたのかなと思います。小学校の時公文をやっていて、小6の時に高3内容を終了したので、古典とか漢文とか当時から読んでいて、背景知識や文法など無意識のうちに覚えていたのかもしれません。その貯蓄のおかげだと思います。そんな私でも2014年センター本番の古典はチンプンカンプンでした。。。
>2Bについて
2Bが特殊なのは、時間配分が他の学科より難しいことだと思います。「満点を取る」ことを目標にするのではなく、「取れるところを取りこぼさない」ための自分なりの時間配分を見つけることが大事です。
私はいつも時間をはかって問題を解いていました。見直し時間も含めると、2B の大問1つにかけられるのは8~9 分です。だから大問1つに10数分かけててはダメで、次にいかないといけません。
そして、わからない問題があればさっさと飛ばし、鉛筆が止まる時間を極力なくすようにしていました。すべての大問のわかる部分を解き終わってから、わからなかった問題に返るようにして、パニックにならないように気をつけていました。
国語の無双っぷりはお話を聞く限り、公文をやっていた等の幼少期からの蓄積も大きく影響されているのかもしれませんね。私とは読解スピードなりのこれまで培われてきた素養がおそらく全然違うのでしょう。マーク国語で70越え安定、また80近く偏差値出されてるのは本当にすごいと思います。
国語と2Bの成績を見てて思いますが、ちえりんさんは問題の処理スピードといった文系出身再受験生のネックとなりがちな基礎処理能力については文系出身の再受験生の中ではかなりの上位にはいるとは思いますね。勉強に対する粘り強さや復習をキチンとやるといったことも勿論大切ですが、こうした処理能力のスペック如何が文系出身でも医学部再受験に1〜2年で成功出来るかどうかに大きく響いてくるだろうなは強く思います。国語、数学いくらやっても、処理スピードが遅くてセンターが低水準で頭打ちしてしまう、点数が高得点で安定しないっていう文系出身再受験生も多いですからね~
現在再受験勉強中のしずくです。
まさかの、年齢が近く・主婦で・医学部再受験・元々国公立文系という共通点があり勉強法を大変参考にさせていただいています!
ところが、生物は新課程となっていて私が現役の時使っていた田部先生の「合格◯◯講」やちえりんさんの紹介してくださった「完全網羅」の新課程版は現在編集中だそうで。。
生物基礎は、田部先生のはじていが発売されているのでそれを使っているのですが、生物の参考書を何を買うか悩んでいます。
現在の情報では◯◯講は今秋、完全網羅は来年度刊行予定で夏休み前頃との事です。
ちえりんさんならどうされますか?
アドバイスいただきたいです。
よろしくお願いしますm(._.)m
模試について質問させていただいた者です。早速の記事をありがとうございます。
すごいの一言ですね。
参考にさせていただきます。
また、ブログの更新楽しみにしております。
コメントありがとうございます。いえいえ、お言葉はありがたいのですが処理能力が特に優れているわけではなくほんとに普通です(笑)。大学受験は範囲が限られていますし、論理的思考能力という後天的能力を試される場なので、先天的な能力はあまり関係ないと思っています。暗記すべきことをきちんと暗記し、それを元にエビデンスを持って最短で答えを導くというプロセスを試されているのはどの科目でも同じ(というか日本の高校教育の目的ですね(^^;))なので、訓練のつみ方次第でほぼ誰でもできるようになると思います。だから、「いくらやっても伸びない」という方はそんなことはなく、インプット・アウトプットの方法が少し効率的ではないというだけなのかなぁと。元文系の再受験同級生は、やはり厳しい戦いなので東大京大阪大しかいないのですが、そういう友人たちは皆、文系だった時から論理的思考能力を使って入試にのぞんでいたのだろうなと思います。
コメントありがとうございます。ちえりんと申します。主婦どうしお互い頑張りましょうね♪
新課程にあまり詳しくなく申し訳ないのですが、https://akahon.net/shinkatei/biology/のサイトを参考にしてみました。生物・生物基礎の分野の区分けが変わるだけで、一から新たに付加される分野はないという理解で良いでしょうか?
もしそうなら、私だったら、田部先生の「合格◯◯講」の今出ているものを今買います(笑)。区分が変わるだけで基本的に内容が変わらないんだとしたら、秋に買って消化不良のまま本番にのぞむのは避けたいところです。それよりも今買って早めに取りかかるメリットの方が大きいように思います。完全網羅よりも合格○○講の方が知識が整理しやすくなるように工夫されている部分が多いのでおすすめです♪
ご参考になれば嬉しいです(^^)
コメントありがとうございます。ご参考になれば嬉しいです(^^)お体に気をつけて勉強がんばってください!また何かありましたら遠慮なく聞いてください。
生物1.2が混ざり、それぞれ扱う分野が変化したという点と、新たに追加されている知識も多く悩んでいたのです。。
ちなみにこんな感じです。
旧課程:細胞膜は半透膜なので水は透過するよ。
新課程:水はほとんど透過せず、細胞膜上のアクアポリンを通って輸送されるよ。
旧課程:シュペーマンが神経誘導見つけたよ、偉い人だよ。
新課程:あれは神経誘導じゃなくてBMPによる表皮分化阻害だよ。
旧課程:マクロファージがT細胞に抗原提示するんだよ。
新課程:マクロファージはただの食細胞で、抗原提示するのは樹状細胞だよ。
旧課程:分化した細胞は同じタイプどうしで接着するんだよ。
新課程:細胞接着には密着結合と固定結合とギャップ結合があって、固定結合はさらに接着結合とデスモソームとヘミデスモソームがあるってことくらい常識だろ。
でも、やはり待っているより今出ているものを購入しようと思います♪
ちえりんさんは完全網羅を使われていましたが、田部先生の〜講の方がオススメですか?(T笑)
コメントありがとうございます。ああ!そうだったんですね!ネットでうまくソースを見つけられなくて申し訳ありませんでした。さきほどのコメント、訂正させてください。
新しく加わった内容、ちょっと無視できなそうなので。。。私なら、まず都会の大きな本屋さんの生物の参考書コーナーに行き、実際並んでいる新課程・旧課程の参考書を自分の目で見て判断するかなと思います。現状の合格○○講を買うかどうかはその時決めたらいいかもしれないですね。もしかしたら、合格○○講や完全網羅ではない、良さそうな新課程の参考書が見つかるかもしれないし…ちなみに、参考書を買うとき、大手予備校出版のものだと失敗することが少ないです。
合格○○講をおすすめする理由なのですが、私は完全網羅をメインに使って、語呂合わせや足りないところの補完用に合格○○講も使っていました。ですが、受験本番直前、合格○○講をメインに使ってればよかったなと思った瞬間がありました(笑)。完全網羅は詳しいのですが用語集の要素が強いです。内容のわかりやすさ、読みやすさ、覚えやすさは合格○○講の方が上かなぁと感じます。
でも、自分に合うものがいちばんいいので、しずくさんが中身を見て選ばれると良いかなと思います。ご参考になれば良いのですが。
ただ、加減乗除の計算が速く出来る能力、暗記したパターンを脳の引き出しから引き出して的確にアウトプットする処理スピード、また類題に暗記しているパターンを応用させて問題を解ききれる柔軟性、物事をいかにスムーズに暗記が出来るといったことについては個人差はかなりあるでしょう。これらは神経系の発達が衰える大人になってから劇的に改善しようと思っても難しい基礎受験能力だとは思います。勿論日々の鍛錬と勉強のやり方次第でいくらでもその効率を上げることは出来ますが。昔からの積み重ねや受験に適した思考が出来る脳力をどの程度授かったか授かっていないかでもじわじわと差がついてきた部分だとは思います。
ちえりんさんのように読解力や処理能力が相対的に優れていてかつ合理的な勉強スタイルの下で着実に正しい方向を向いて努力を重ねられる方もそう多くはないので、皆さんそう簡単に難関大に合格とはいかないのだとは思いますね。
コメ返はいらないので非公開のままで大丈夫ですよ笑。長々と失礼しました。
ありがとうございます。
現役の時も使っていたということで思い入れもあり、足りない知識は問題集などで補おうかと思いましたが、やはり大きな書店に新課程対応の参考書を見に行こうと思います(*^^*)
選ぶ際のコツも教えていただき、ありがとうございました!
しっかり力をつけていきたいと思います。
またコメントさせていただくかもしれませんが、よろしくお願い致します♪